私は愛されているか【音声と文章】
山田ゆり
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※note毎日連続投稿1700日をコミット中! 1693日目。
※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む、
どちらでも数分で楽しめます。
おはようございます。
山田ゆりです。
今回は
私は愛されているか
をお伝えいたします。
「えー、また変更なの?ったく、このお客さん、これでもう5回目だよ!」
口調は厳しめだが、営業のAさんと制作部門のBさんの会話は明るい。
Aさんがいつものダジャレを言うからだ。
旧式のエアオンのゴーと言う音で室内は満たされ、二人の会話は途切れ途切れにしか聞こえてこないが、笑いあっているのは分かる。
いいな、羨ましいなと思う。
仕事中、突然、虚無感に襲われた。
私は人との交流が少ないと思う。友達も少ない。
少ない?
いや、居ないというのが正しいかもしれない。
最近、誰とも会っていない。
もしも私が突然死んだら、悲しむ人は家族以外いないかもしれない。
私は寂しい人間だ。
誰からも愛されていない。
仕事中の私語は極端に制限されていて、業務上の話はメールでするように上司に言われている。
それはそれで便利なこともあるがなぜか寂しい。
人と話をしないその時間は、白黒の世界の主人公になったみたいで、自分一人しかいない寂しさを感じる。
深々と降り積もる庭の雪を畳に座りながら静かに眺めているような感覚になる。
メールだけのやり取りだけで過ごした一日は、仕事が捗ったという充実感は得られず、自分の存在の意味は何だろうと思ってしまう。
私は誰からも求められていないのではないだろうか。
明日、突然私が会社を休んでも誰も困りはしないと思う。私の存在の意味はあるのだろうか。
気持ちを切り替えるためにトイレに入った。
手洗い場で小窓を開けてみる。
お隣の商店から唐揚げの匂いがほのかにする。ザーッ、ザーッと車の通る音がする。
垣根に雪が積もっていて窓にめがけて雪が入ってきた。窓の淵の雪は白色からすぐに透明になり溶けていく。
トイレの鏡の前でマスクを外して見る。
冴えないおばさんがそこにいる。
「歳をとったね。浮かない顔をしているね。そんな顔していたら、誰も相手にしてくれないよ。」
鏡の向こうの見慣れた顔は無理やり口角を上げて笑おうとしていた。
あんなに人がいるのに、寂しいね。
その日は遅くまで残業になった。
21:20頃に残業していた営業の唯一残っていたAさんは帰られた。
ちょっと鼻が丸くて人懐こいAさんは「ゆりさん、お先します。」とわざと敬礼をして会社を出られた。
部屋の中はシーンとしていた。
キーボードを叩く音しか聞こえない。
お腹が空いているが、口の中には何度も飲んだコーヒーの味が残っていて、これ以上は飲みたくはなかった。
日中、大勢がいる中での孤独と、今、一人でいる時の感覚は、同じ一人なのに違って感じる。
大勢の中での孤独は身体の真ん中をぎゅっと握られているような痛みを感じる。
それに比べて一人でいる時は平静でいられる。波のない、湖面のような気持ちでいられる。
どちらにしても、私には一人が似合うのか。
寂しい私である。
私はそれから少し仕事を続け、22:10頃に会社を出た。
玄関のドアを開けてすぐに「失敗したな」と思った。
雪が結構積もっている。この分だと車の雪払いに時間がかかりそう。
10分位前にエンジンを掛けておくべきだった。失敗したな、もう。
ひとりぶつぶつ言いながら駐車場のマイカーを見て私は目を丸くした。
目の前には雑ではあるが、雪を払ってくれた形跡があった。
えっ、嬉しい!誰がやってくれたの?
先に帰る時にわざわざ私の近くに来て挨拶をしてくださった営業のBさん?
それとも先ほど帰られたAさん?
それとも今日もたくさん指示をいただいた社長?それとも直属の上長?
いろんな人の顔が浮かんだ。
そして、そうかと思った。
日中、ほとんど会話らしきことをしていない私は誰からも愛されていないと、とても落ち込んでいた。私なんて、急にいなくなっても誰も心配してくれる人はいないだろう。
そう思っていた。
しかし、誰かが私の車の雪を払ってくれていた。
そして、あの人かなこの人かなと、思い浮かぶ人が一人ではなかった。
つまり、私は愛されているのだと感じた。
日中、独りぼっちだと感じて仕事をしているが、そうでもないと分かり、うっわーと嬉しさがこみあげてきた。
22:30過ぎに帰宅した。
外から見る我が家は、二階の部屋だけに電気がついていた。もうそんな時間だよな。
ひとりで静かに夕飯を食べよう。
しかし、私が帰宅したことを知った長女が二階から降りてきて、作ってくれたお鍋を温めてくれた。
程よい温かさになったところで
「じゃぁねぇ~」と言って、長女は二階へ上がっていった。
フーフーと頬っぺたを膨らませながらアツアツの鍋を食べ終わり、食後のお菓子を探してごそごそしていたら三女が降りてきた。
「おかえり~」
「ただいま~」
三女はまっすぐ私を見て、私の方に近づいてきて両手を広げた。
私は三女の腰に手を回し、三女は私を上から包み込むように抱いた。
首筋に湯上りの匂いがした。
数秒だけ沈黙があった。
三女はわざとつっけんどんな態度で、「じゃぁ」って言って二階に上がっていった。
私はひとりではない。
周りの皆様のお陰で生かされている。
私は愛されています。
大きな愛で包まれています。
今回は
私は愛されているか
をお伝えいたしました。
本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。
ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。
山田ゆりでした。
◆◆ アファメーション ◆◆
.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。
私は愛されています
大きな愛で包まれています
失敗しても
ご迷惑をおかけしても
どんな時でも
愛されています
.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。゚+..。*゚+
※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む、
どちらでも数分で楽しめます。
おはようございます。
山田ゆりです。
今回は
私は愛されているか
をお伝えいたします。
「えー、また変更なの?ったく、このお客さん、これでもう5回目だよ!」
口調は厳しめだが、営業のAさんと制作部門のBさんの会話は明るい。
Aさんがいつものダジャレを言うからだ。
旧式のエアオンのゴーと言う音で室内は満たされ、二人の会話は途切れ途切れにしか聞こえてこないが、笑いあっているのは分かる。
いいな、羨ましいなと思う。
仕事中、突然、虚無感に襲われた。
私は人との交流が少ないと思う。友達も少ない。
少ない?
いや、居ないというのが正しいかもしれない。
最近、誰とも会っていない。
もしも私が突然死んだら、悲しむ人は家族以外いないかもしれない。
私は寂しい人間だ。
誰からも愛されていない。
仕事中の私語は極端に制限されていて、業務上の話はメールでするように上司に言われている。
それはそれで便利なこともあるがなぜか寂しい。
人と話をしないその時間は、白黒の世界の主人公になったみたいで、自分一人しかいない寂しさを感じる。
深々と降り積もる庭の雪を畳に座りながら静かに眺めているような感覚になる。
メールだけのやり取りだけで過ごした一日は、仕事が捗ったという充実感は得られず、自分の存在の意味は何だろうと思ってしまう。
私は誰からも求められていないのではないだろうか。
明日、突然私が会社を休んでも誰も困りはしないと思う。私の存在の意味はあるのだろうか。
気持ちを切り替えるためにトイレに入った。
手洗い場で小窓を開けてみる。
お隣の商店から唐揚げの匂いがほのかにする。ザーッ、ザーッと車の通る音がする。
垣根に雪が積もっていて窓にめがけて雪が入ってきた。窓の淵の雪は白色からすぐに透明になり溶けていく。
トイレの鏡の前でマスクを外して見る。
冴えないおばさんがそこにいる。
「歳をとったね。浮かない顔をしているね。そんな顔していたら、誰も相手にしてくれないよ。」
鏡の向こうの見慣れた顔は無理やり口角を上げて笑おうとしていた。
あんなに人がいるのに、寂しいね。
その日は遅くまで残業になった。
21:20頃に残業していた営業の唯一残っていたAさんは帰られた。
ちょっと鼻が丸くて人懐こいAさんは「ゆりさん、お先します。」とわざと敬礼をして会社を出られた。
部屋の中はシーンとしていた。
キーボードを叩く音しか聞こえない。
お腹が空いているが、口の中には何度も飲んだコーヒーの味が残っていて、これ以上は飲みたくはなかった。
日中、大勢がいる中での孤独と、今、一人でいる時の感覚は、同じ一人なのに違って感じる。
大勢の中での孤独は身体の真ん中をぎゅっと握られているような痛みを感じる。
それに比べて一人でいる時は平静でいられる。波のない、湖面のような気持ちでいられる。
どちらにしても、私には一人が似合うのか。
寂しい私である。
私はそれから少し仕事を続け、22:10頃に会社を出た。
玄関のドアを開けてすぐに「失敗したな」と思った。
雪が結構積もっている。この分だと車の雪払いに時間がかかりそう。
10分位前にエンジンを掛けておくべきだった。失敗したな、もう。
ひとりぶつぶつ言いながら駐車場のマイカーを見て私は目を丸くした。
目の前には雑ではあるが、雪を払ってくれた形跡があった。
えっ、嬉しい!誰がやってくれたの?
先に帰る時にわざわざ私の近くに来て挨拶をしてくださった営業のBさん?
それとも先ほど帰られたAさん?
それとも今日もたくさん指示をいただいた社長?それとも直属の上長?
いろんな人の顔が浮かんだ。
そして、そうかと思った。
日中、ほとんど会話らしきことをしていない私は誰からも愛されていないと、とても落ち込んでいた。私なんて、急にいなくなっても誰も心配してくれる人はいないだろう。
そう思っていた。
しかし、誰かが私の車の雪を払ってくれていた。
そして、あの人かなこの人かなと、思い浮かぶ人が一人ではなかった。
つまり、私は愛されているのだと感じた。
日中、独りぼっちだと感じて仕事をしているが、そうでもないと分かり、うっわーと嬉しさがこみあげてきた。
22:30過ぎに帰宅した。
外から見る我が家は、二階の部屋だけに電気がついていた。もうそんな時間だよな。
ひとりで静かに夕飯を食べよう。
しかし、私が帰宅したことを知った長女が二階から降りてきて、作ってくれたお鍋を温めてくれた。
程よい温かさになったところで
「じゃぁねぇ~」と言って、長女は二階へ上がっていった。
フーフーと頬っぺたを膨らませながらアツアツの鍋を食べ終わり、食後のお菓子を探してごそごそしていたら三女が降りてきた。
「おかえり~」
「ただいま~」
三女はまっすぐ私を見て、私の方に近づいてきて両手を広げた。
私は三女の腰に手を回し、三女は私を上から包み込むように抱いた。
首筋に湯上りの匂いがした。
数秒だけ沈黙があった。
三女はわざとつっけんどんな態度で、「じゃぁ」って言って二階に上がっていった。
私はひとりではない。
周りの皆様のお陰で生かされている。
私は愛されています。
大きな愛で包まれています。
今回は
私は愛されているか
をお伝えいたしました。
本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。
ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。
山田ゆりでした。
◆◆ アファメーション ◆◆
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失敗しても
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