明日挙式なのに今、それ言う?その2(妄想の世界)【音声と文章】
山田ゆり
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1393
※note毎日連続投稿1414日をコミット中1393日目。
※音声・文章、どちらでも楽しめます。
おはようございます。
山田ゆりです。
今回は
明日挙式なのに今、それ言う?その2(妄想の世界)
をお伝えいたします。
「今、俺がどんな気持ちでいるか
お前には分かるか。」
二人の結婚披露宴のあとの一次会で
けい子の耳元でささやいた隆一の言葉が
頭の中で黒い渦を巻いていた。
その後、二人はオーストラリアに出かけた。
空港までの新幹線や機内での隆一は
終始にこやかだった。
出会ったあの頃のように何を言っても
いつも「わっはっは」と笑って受けてくれた。
「あぁ、本来の隆一さんに戻った。
あの言葉は何かの勘違いだわきっと」
けい子は嬉しかった。
しかし、ホテルに戻って二人っきりになると
彼は全くの別人になった。
けい子が今日、旅先で言った言葉一つ一つを取り上げては、
「あの言葉は俺へのあてつけだろう」とか
「本当はどういう意味なんだ」と問い詰めた。
例えば、店員さんとけい子が話しているのを見て、
その時はニコニコしているだけの彼は、二人っきりになると
「何をあんなに楽しそうに話していたんだ。きっと俺の事を馬鹿にしていたんだろう」と勘繰ってきた。
そして、夜になると決まって、
スーツケースの中のモノを取り出し、けい子に向けて投げつけてきた。
「予定を全てキャンセルしてすぐに日本に帰りたい」
と言ってけい子を困らせた。
学生時代スポーツで鍛えた体だから、投げつける力は強かった。
それが当たったら痛いだろうなとけい子は観念していた。
しかし、それがけい子に絶対あたらないよう
隆一が手加減しているのをけい子は感じていた。
だからこんなことをされてもまだ
隆一には愛されていると信じていた。
英語を話せない隆一は
片言でも話せるけい子が羨ましく思い、
そして、自分は何もできない駄目な人間だと言っていた。
「そんなことはないわよ。あなたはとても素敵よ」
といくら言っても彼は信じてくれなかった。
人目がある日中は
終始にこにやかな隆一だった。
だからはた目には幸せ絶頂の新婚カップルに見えた。
しかし、ホテルに戻り二人っきりになると
「あの時のあの言葉は、俺に対する当てつけか」という攻撃が始まる。
そんなつもりは全くないと言っても信じてくれなかった。
周りに人がいる時は優しい彼。
でも、二人っきりになると大声を出してくる彼。
どちらが本当のリュウイチなのだろうか。
期待と不安が入り混じりながら数日間を海外で過ごし、
二人は帰国した。
その後、隆一とけい子はアパートで暮らしたが、
やがて、隆一は帰ってこなくなった。
そして帰国して初めての日曜日、大型トラックがやってきた。
隆一が運転席から降りてきた。
今日の隆一は少し明るかった。
「あぁ、元気になったのね」
けい子は血色のよさそうな隆一を見て嬉しかった。
しかし、隆一と話をして30分くらい経ったときに
トラックの助手席の人が荷台のドアを開け、
中から隆一の兄弟・いとこ達、5~6人が出てきた。
そして、一階の二人の部屋から箪笥やサイドボードなど、
隆一のものをすべて運んでいった。
恐らく、30分経ったら出てくるようにと
打ち合わせをしていたのだろう。
彼の荷物が全て積まれた。
隆一が部屋を出ていく時
彼はこれまで見たこともないような晴れ晴れとした顔で
「じゃあな」と言って出ていった。
部屋の中は、ただ単にものが無くなっただけではなく
人のぬくもりまでもが持ち出されたように寒々としていた。
けい子はその後、実家に戻った。
親戚からは「旦那さんに逃げられた情ない人」
というレッテルを貼られた。
親戚のご意見番の方に
「こんな田舎では噂が気になるから都会にでも言った方がイイ」
と、自分の身内にそのような人がいるのが迷惑だと言わんばかりに言われた。
これまで自分の人生は自分で切り開くもので
自分はそれができる。
まっとうに生きていれば自分の周りには
足を引っ張る人は寄り付かない。
そう信じてきたけい子だったから
今回のことで自分を信頼できなくなった。
私の見る目がなかったのか。
「じゃあなって、何よ!」
けい子はその後、
人間不信に陥りなかなか立ち直れなかった。
彼と出会ってから挙式までの3か月は、
最初カタカタとのんびり走り出し、
途中から一気に加速して、
終着地点までは絶対降りられないと悟った。
それはまるでジェットコースターに乗っているようなものだった。
狂気な乗り物から突然降ろされたけい子は
彼との思い出を振り返る。
二人はどこから間違ったのだろうか。
それとも最初から間違っていたのだろうか。
今回は
明日挙式なのに今、それ言う?その2(妄想の世界)
をお伝えいたしました。
本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。
ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。
山田ゆりでした。
◆◆ アファメーション ◆◆
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お前には分かるか。」
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けい子の耳元でささやいた隆一の言葉が
頭の中で黒い渦を巻いていた。
その後、二人はオーストラリアに出かけた。
空港までの新幹線や機内での隆一は
終始にこやかだった。
出会ったあの頃のように何を言っても
いつも「わっはっは」と笑って受けてくれた。
「あぁ、本来の隆一さんに戻った。
あの言葉は何かの勘違いだわきっと」
けい子は嬉しかった。
しかし、ホテルに戻って二人っきりになると
彼は全くの別人になった。
けい子が今日、旅先で言った言葉一つ一つを取り上げては、
「あの言葉は俺へのあてつけだろう」とか
「本当はどういう意味なんだ」と問い詰めた。
例えば、店員さんとけい子が話しているのを見て、
その時はニコニコしているだけの彼は、二人っきりになると
「何をあんなに楽しそうに話していたんだ。きっと俺の事を馬鹿にしていたんだろう」と勘繰ってきた。
そして、夜になると決まって、
スーツケースの中のモノを取り出し、けい子に向けて投げつけてきた。
「予定を全てキャンセルしてすぐに日本に帰りたい」
と言ってけい子を困らせた。
学生時代スポーツで鍛えた体だから、投げつける力は強かった。
それが当たったら痛いだろうなとけい子は観念していた。
しかし、それがけい子に絶対あたらないよう
隆一が手加減しているのをけい子は感じていた。
だからこんなことをされてもまだ
隆一には愛されていると信じていた。
英語を話せない隆一は
片言でも話せるけい子が羨ましく思い、
そして、自分は何もできない駄目な人間だと言っていた。
「そんなことはないわよ。あなたはとても素敵よ」
といくら言っても彼は信じてくれなかった。
人目がある日中は
終始にこにやかな隆一だった。
だからはた目には幸せ絶頂の新婚カップルに見えた。
しかし、ホテルに戻り二人っきりになると
「あの時のあの言葉は、俺に対する当てつけか」という攻撃が始まる。
そんなつもりは全くないと言っても信じてくれなかった。
周りに人がいる時は優しい彼。
でも、二人っきりになると大声を出してくる彼。
どちらが本当のリュウイチなのだろうか。
期待と不安が入り混じりながら数日間を海外で過ごし、
二人は帰国した。
その後、隆一とけい子はアパートで暮らしたが、
やがて、隆一は帰ってこなくなった。
そして帰国して初めての日曜日、大型トラックがやってきた。
隆一が運転席から降りてきた。
今日の隆一は少し明るかった。
「あぁ、元気になったのね」
けい子は血色のよさそうな隆一を見て嬉しかった。
しかし、隆一と話をして30分くらい経ったときに
トラックの助手席の人が荷台のドアを開け、
中から隆一の兄弟・いとこ達、5~6人が出てきた。
そして、一階の二人の部屋から箪笥やサイドボードなど、
隆一のものをすべて運んでいった。
恐らく、30分経ったら出てくるようにと
打ち合わせをしていたのだろう。
彼の荷物が全て積まれた。
隆一が部屋を出ていく時
彼はこれまで見たこともないような晴れ晴れとした顔で
「じゃあな」と言って出ていった。
部屋の中は、ただ単にものが無くなっただけではなく
人のぬくもりまでもが持ち出されたように寒々としていた。
けい子はその後、実家に戻った。
親戚からは「旦那さんに逃げられた情ない人」
というレッテルを貼られた。
親戚のご意見番の方に
「こんな田舎では噂が気になるから都会にでも言った方がイイ」
と、自分の身内にそのような人がいるのが迷惑だと言わんばかりに言われた。
これまで自分の人生は自分で切り開くもので
自分はそれができる。
まっとうに生きていれば自分の周りには
足を引っ張る人は寄り付かない。
そう信じてきたけい子だったから
今回のことで自分を信頼できなくなった。
私の見る目がなかったのか。
「じゃあなって、何よ!」
けい子はその後、
人間不信に陥りなかなか立ち直れなかった。
彼と出会ってから挙式までの3か月は、
最初カタカタとのんびり走り出し、
途中から一気に加速して、
終着地点までは絶対降りられないと悟った。
それはまるでジェットコースターに乗っているようなものだった。
狂気な乗り物から突然降ろされたけい子は
彼との思い出を振り返る。
二人はどこから間違ったのだろうか。
それとも最初から間違っていたのだろうか。
今回は
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本日も、最後までお聴きくださり
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