迷う神様(ショートショート)【音声と文章】
山田ゆり
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※note毎日連続投稿1515日をコミット中!
1489日目。
※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む、
どちらでも短時間で楽しめます。
おはようございます。
山田ゆりです。
今回は
迷う神様(ショートショート)
をお伝えいたします。
僕は神の任務を拝命してからまだ一年は経っていない見習いの神だ。
神の仕事は、世の中の善良な者の願いを叶えることだ。願いを叶えてあげた数が多くなれば次のランクに上がれる。
早く先輩方のようになりたい。
僕が難しい顔をして腕組みをしていたら先輩の神さまが声を掛けてくださった。
先輩:どうした?浮かぬ顔して。
僕:はい、彼の願いを叶えてあげたいのですが。
僕は彼の履歴が記されたタブレットを先輩にお見せした。
先輩:ほうほう、彼は先月も【希望の書対象者ベスト10】に入っていたな。
お前の担当区域か。いいんじゃないか。
僕:そうなんです。それで今日、彼の願いを叶えてあげようと【希望の書】を開こうとしたのです。
先輩:ふむふむ。彼の望みは何なのじゃ。
僕:はい、彼は劣悪な環境でありながらは毎日一生懸命働いています。
そしてある日彼はこう願ったのを僕は見逃しませんでした。
「一日24時間は短すぎる。せめてあと4時間長かったらなぁ」
先輩:あぁ、時間か~。時間は全人類に平等にあたえる、これがこの世界の鉄則じゃから、それだけは無理じゃのう」
僕:そうなんです。時間は「願いを叶えることはできない」と但し書きに小さく書かれています。
でも、先日行われた【第25896回 神さまコンクール】で僕は「プラスワン賞」をいただきました。
先輩:なるほど~。「プラスワン賞」は期間限定ではあるが、どんな願いでも叶えられる。それが「時間」であっても。
僕:はい。だから彼の為にそれを使おうと決めたのです。
先輩:それは良かった。
そして僕は今日、それを決行しようとした。
【希望の書】を開き、ページをなぞろうとしたその瞬間、彼は目覚めた。
彼はウトウトしながら「今日は何曜日だろう。そろそろ週末かな」と思った。
そして、まだ「火曜日」であることに気づき大きくため息をついた。
その溜息が部屋の空気をいっそう重くした。
「あぁ、疲れた。早く週末にならないかなぁ。」
生気のないくぼんだ目。
だるくてなかなか起きれないようだった。
期限付きではあるが、彼の時間だけを特別に長くしようとした僕は、彼の悲痛な心の叫びに手が止まってしまった。
時間が長ければいいのか。
それとも、短ければいいのか。
どちらをご所望なのか。
神は善良な者の願いを叶えることができる。
しかし、叶えたいことがはっきりしていない者の願いは叶えることができない。
あなたは何をしたいのか。
どうなりたいのか。
それをはっきりさせない限り願いはかなわない。
どうなりたい?
真剣に考えてみよう。
今回は
迷う神様(ショートショート)
をお伝えいたしました。
本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。
ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。
山田ゆりでした。
◆◆ アファメーション ◆◆
.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。
私は愛されています
大きな愛で包まれています
失敗しても
ご迷惑をおかけしても
どんな時でも
愛されています
.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。゚+..。*゚+
1489日目。
※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む、
どちらでも短時間で楽しめます。
おはようございます。
山田ゆりです。
今回は
迷う神様(ショートショート)
をお伝えいたします。
僕は神の任務を拝命してからまだ一年は経っていない見習いの神だ。
神の仕事は、世の中の善良な者の願いを叶えることだ。願いを叶えてあげた数が多くなれば次のランクに上がれる。
早く先輩方のようになりたい。
僕が難しい顔をして腕組みをしていたら先輩の神さまが声を掛けてくださった。
先輩:どうした?浮かぬ顔して。
僕:はい、彼の願いを叶えてあげたいのですが。
僕は彼の履歴が記されたタブレットを先輩にお見せした。
先輩:ほうほう、彼は先月も【希望の書対象者ベスト10】に入っていたな。
お前の担当区域か。いいんじゃないか。
僕:そうなんです。それで今日、彼の願いを叶えてあげようと【希望の書】を開こうとしたのです。
先輩:ふむふむ。彼の望みは何なのじゃ。
僕:はい、彼は劣悪な環境でありながらは毎日一生懸命働いています。
そしてある日彼はこう願ったのを僕は見逃しませんでした。
「一日24時間は短すぎる。せめてあと4時間長かったらなぁ」
先輩:あぁ、時間か~。時間は全人類に平等にあたえる、これがこの世界の鉄則じゃから、それだけは無理じゃのう」
僕:そうなんです。時間は「願いを叶えることはできない」と但し書きに小さく書かれています。
でも、先日行われた【第25896回 神さまコンクール】で僕は「プラスワン賞」をいただきました。
先輩:なるほど~。「プラスワン賞」は期間限定ではあるが、どんな願いでも叶えられる。それが「時間」であっても。
僕:はい。だから彼の為にそれを使おうと決めたのです。
先輩:それは良かった。
そして僕は今日、それを決行しようとした。
【希望の書】を開き、ページをなぞろうとしたその瞬間、彼は目覚めた。
彼はウトウトしながら「今日は何曜日だろう。そろそろ週末かな」と思った。
そして、まだ「火曜日」であることに気づき大きくため息をついた。
その溜息が部屋の空気をいっそう重くした。
「あぁ、疲れた。早く週末にならないかなぁ。」
生気のないくぼんだ目。
だるくてなかなか起きれないようだった。
期限付きではあるが、彼の時間だけを特別に長くしようとした僕は、彼の悲痛な心の叫びに手が止まってしまった。
時間が長ければいいのか。
それとも、短ければいいのか。
どちらをご所望なのか。
神は善良な者の願いを叶えることができる。
しかし、叶えたいことがはっきりしていない者の願いは叶えることができない。
あなたは何をしたいのか。
どうなりたいのか。
それをはっきりさせない限り願いはかなわない。
どうなりたい?
真剣に考えてみよう。
今回は
迷う神様(ショートショート)
をお伝えいたしました。
本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。
ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。
山田ゆりでした。
◆◆ アファメーション ◆◆
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