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祭りのお決まり(ショートショート)【音声と文章】
山田ゆり
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※note毎日連続投稿1616日をコミット中! 1555日目。
※音声収録中に隣の部屋に娘が降りてきました。あぁ、恥ずかしい。
※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む、
どちらでも短時間で楽しめます。
おはようございます。
山田ゆりです。
今回は
祭りのお決まり(ショートショート)
をお伝えいたします。
自動ドアが開いた
「いらっしゃいませ~」
祭りのはんてんを来た小学生がやってきた。
あぁ、そうか。
今年もそんな時期か。
大きな山車を運行する夏祭りが始まった。
山車が街のメインストリートをまわる日と町内を練り歩く日がそれぞれ割り当てられている。
町内を練り歩く日は「寄付」をいただきに各家庭や事業所をまわり歩く。
その役目は大人だったり今のように子どもだったりする。
「あのぉ~。キフをお願いします。」
きっと大人からそう教え込まれているのだろう。
「はいはい、分かりました。」
厚子はお店の金庫から500円を出してその子に渡した。
「領収証が欲しいんだけれど、僕、持ってる?」
厚子は腰を低くしてその子に聞いた。
「えーっ!ない!」
まただ。
どうして毎年毎年同じことが起こるのか。
「あのね、領収証ないとお金、渡せないの」
「リョウシュウショ」
その子はそれを口にして出ていった。
まもなく大人の人がやってきた。
そしてその女性は領収証を書き始め、途中でもじもじしながら聞いてきた。
「あのぉ~。金額はいくらでしょうか?」
はぁ~?
(さっきの坊主が持って行っただろうが!)
「500円です」
厚子は心とは裏腹ににこやかな顔で応えた。
やがてその人は帰って行った。
厚子の勤務先は、メインストリートに面している。だから、お祭りの寄付集めのターゲットにされている。
厚子の会社は少額であろうと領収証がないとお金を出してはいけないと上から厳しく言われている。
お祭りの寄付を集めて回る人たちは
領収証を出すという事を主催者側から指導されていないらしい。
いただく側としては「少額だから」と認識しているのだろう。
だから毎年、この時期になると領収証のことで面倒なやり取りをすることになる。
しかも、一日に複数の町内会の寄付をつのられ、やることいっぱいの厚子としては厄介な事でしかない。
寄付を集めに来るのはほとんど小学生のような子どもである。
子どもが寄付をねだったら財布のひもが緩む作戦なのだろうが、あいにく独身の厚子にはその効果はない。子どもが苦手だから尚更である。
自動ドアが開いた。
別の町名のはんてんを来た子どもがキョロキョロしながら入ってきた。
厚子はため息をつきながらその子に作り笑いで対応した。
今回は
祭りのお決まり(ショートショート)
をお伝えいたしました。
本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。
ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。
山田ゆりでした。
P.S.
8月11日までに4冊目のkindle出版をすることをコミットします!
その制作過程を有料グループチャット
【ゆりのkindle制作の裏側】でお見せしています(*’ω’*)
詳しくはこちらのnoteをご覧ください。
↓
https://note.com/tukuda/n/naf56c832a19b
◆◆ アファメーション ◆◆
.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。
私は愛されています
大きな愛で包まれています
失敗しても
ご迷惑をおかけしても
どんな時でも
愛されています
.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。゚+..。*゚+
※音声収録中に隣の部屋に娘が降りてきました。あぁ、恥ずかしい。
※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む、
どちらでも短時間で楽しめます。
おはようございます。
山田ゆりです。
今回は
祭りのお決まり(ショートショート)
をお伝えいたします。
自動ドアが開いた
「いらっしゃいませ~」
祭りのはんてんを来た小学生がやってきた。
あぁ、そうか。
今年もそんな時期か。
大きな山車を運行する夏祭りが始まった。
山車が街のメインストリートをまわる日と町内を練り歩く日がそれぞれ割り当てられている。
町内を練り歩く日は「寄付」をいただきに各家庭や事業所をまわり歩く。
その役目は大人だったり今のように子どもだったりする。
「あのぉ~。キフをお願いします。」
きっと大人からそう教え込まれているのだろう。
「はいはい、分かりました。」
厚子はお店の金庫から500円を出してその子に渡した。
「領収証が欲しいんだけれど、僕、持ってる?」
厚子は腰を低くしてその子に聞いた。
「えーっ!ない!」
まただ。
どうして毎年毎年同じことが起こるのか。
「あのね、領収証ないとお金、渡せないの」
「リョウシュウショ」
その子はそれを口にして出ていった。
まもなく大人の人がやってきた。
そしてその女性は領収証を書き始め、途中でもじもじしながら聞いてきた。
「あのぉ~。金額はいくらでしょうか?」
はぁ~?
(さっきの坊主が持って行っただろうが!)
「500円です」
厚子は心とは裏腹ににこやかな顔で応えた。
やがてその人は帰って行った。
厚子の勤務先は、メインストリートに面している。だから、お祭りの寄付集めのターゲットにされている。
厚子の会社は少額であろうと領収証がないとお金を出してはいけないと上から厳しく言われている。
お祭りの寄付を集めて回る人たちは
領収証を出すという事を主催者側から指導されていないらしい。
いただく側としては「少額だから」と認識しているのだろう。
だから毎年、この時期になると領収証のことで面倒なやり取りをすることになる。
しかも、一日に複数の町内会の寄付をつのられ、やることいっぱいの厚子としては厄介な事でしかない。
寄付を集めに来るのはほとんど小学生のような子どもである。
子どもが寄付をねだったら財布のひもが緩む作戦なのだろうが、あいにく独身の厚子にはその効果はない。子どもが苦手だから尚更である。
自動ドアが開いた。
別の町名のはんてんを来た子どもがキョロキョロしながら入ってきた。
厚子はため息をつきながらその子に作り笑いで対応した。
今回は
祭りのお決まり(ショートショート)
をお伝えいたしました。
本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。
ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。
山田ゆりでした。
P.S.
8月11日までに4冊目のkindle出版をすることをコミットします!
その制作過程を有料グループチャット
【ゆりのkindle制作の裏側】でお見せしています(*’ω’*)
詳しくはこちらのnoteをご覧ください。
↓
https://note.com/tukuda/n/naf56c832a19b
◆◆ アファメーション ◆◆
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失敗しても
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