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「大きい畑」とこれからも関わっていく

山田ゆり
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※軽い咳が出て読み上げることができませんので今回は朗読無しになります。

※今回は、こちらのnoteの続きです。

https://note.com/tukuda/n/n7960d9739fdf?from=notice



「大きな畑」の借主(Sさん)からの電話は次のようなことでした。

Sさんは私の親戚のAさんの土地を買うことになり、売買契約を交わし農業委員会へ書類を提出し、あとは今月下旬に行われる農業委員会の総会で承認を待つだけの状態でした。


しかし、つい先日、それを取り消したと言うのを電話で話されていました。

それはAさんとSさんとの話であり、なぜ私にその話をされるのでしょうか。

きっと、私の縁でまとまった話だったからその報告をされていらっしゃるのかなと思いながら私はSさんの電話に相槌を打っていました。


最初はAさんがSさんに畑を貸すという話から始まりました。そして、トラクターもあるからそれも一緒に貸しますということになりました。

その内、Aさんは土地とトラクターを売ってもいいとSさんに話を持ちかけました。
80代のAさんはひとり娘(50代後半独身)しかおらず、手広くやっていた農業の後継者はいません。

恐らくそういった背景もあるのだと思います。

畑とトラクターをAさんがSさんへ売るということが決まり、売買契約書を取り交わし農業委員会へ書類を提出しました。


ところが最近になって、畑もトラクターも売らない。貸すのだったらいいとAさんが言いだしたそうです。

そして、その件でSさんがAさんのお宅に伺った時に、またAさんの話が変わっていて、トラクターは貸さないとおっしゃる。

それはAさんの奥様が強く話をされていた。
売ると決まったものを売らない、貸すならいいと言い、貸すと言ったものを今度は貸さないと言い出す。

これから農業の事業拡大を構想しているSさんは、話がコロコロ変わるAさんに不信感を抱き、結局、今回の件は無かったことに決定されたそうです。




「そうなんですね。」と私はSさんのお話をお聞きしていた。

私がSさんの伝手でビニールハウスを解体してもらい、それを知ったAさんもSさんにビニールハウスの解体をしていただいた。

それが縁で、AさんとSさんの土地の売買の話が始まったから、今回、その話が無かったことになったから、一応、私にその連絡をして下さっているのだと私はのんびりとSさんのお話を聞いていました。


それで電話は終わるのかと思いきや、次の展開に私は想像もしていませんでした。



ビニールハウスは地面に鉄の棒が埋め込まれていて、今回、私のところもAさんのところも、その埋め込まれた鉄の棒は撤去していないとのことでした。

その撤去をするにはそれを引っこ抜くための重機が必要でそれをすると更にお金が掛かります。

Aさんの奥様は、その棒をいつ抜くんだと言われ、Sさんは、「今回の作業にそれは入っていないから抜きません」とお答えしました。

するとAさんの奥様は、それを撤去するのは当たり前だろうとおっしゃってきました。
更には、私の大きい畑に先日行き、私のビニールハウスの地面にも残っているのを確認したと話されたそうです。

その畑は、私がSさんに貸すことになった畑です。

その畑に入っていいのは、土地の所有者である私と、借主であるSさん以外は許されないことです。


家のように畑には周りに塀があるわけでもカギを掛けているわけでもありません。だから、誰でも中に入ろうと思えば入れます。

しかし、いくらAさんが私の親戚であろうと、勝手に人の畑に入ってその地面を調べるということは非常識です。


田舎の人はこういう非常識なことを当たり前にする方がいらっしゃいます。

Aさんの奥様はそういう方で、昔から嫌いでした。ニコニコしていて腹の底では何を考えているのか分からないい人。
あなたの周りにはいらっしゃらないでしょうか。



Aさんは「私のハウスの棒を抜いてくれるまで何度も電話するから。」と脅迫めいたことをおっしゃったそうです。

AさんとSさんだけの話でしたら私にとっては、他人事でした。


しかし、私の親戚で非常識な人がいる。
その人が、親戚だという理由だけで、私の土地に無断で入ってくる。
その土地を借りて耕作をするSさんは、Aさんの奥様からどんな嫌がらせをされるか分からない。

知らないうちに除草剤をまかれるかもしれない。
それはあり得ない事とは言えないくらいAさんの奥様は勝手な人なのです。


いつ、Aさんの奥様によって畑を荒らされるか分からない。
そんな不安を抱えて農業をすることはできないから、
私の「大きな畑」を借りることは無かったことにしてほしい、
とSさんから言われました。


そんな結末になるとは思ってもみなかった私は、最初、言葉に詰まりました。



Sさんは今年の植える苗を既に購入済みで、それが成長して出荷したら100数十万円の売り上げが見込めるのだそうです。

そろそろ、畑を耕そうと思っていた矢先のAさんからのお話でした。

Aさんからの嫌がらせを回避するために今年の100数十万円の売り上げを捨ててでもこの「大きな畑」の賃貸借を解除したいとおっしゃいました。


私にはとても申し訳ないと思っていますがAさんからの攻撃を心配しながらの耕作はしたくないとのことでした。


私は数秒間考えました。
今必要な事は、残念ではありますが、賃貸借の契約を早く解除してSさんの希望を叶えてあげることだと私は決断しました。


そして、今月下旬に行われる農業委員会の総会が近づいているため、事を急ぐ必要があると私は判断し、Sさんと都合を合わせ、その電話の二日後に、農業委員会へ二人揃って出向き、契約解除の手続きを行いました。


やっと、草刈りの心配から解放された。
そして「大きな畑」は信頼できるSさんによって新しく生まれ変わる。

そう思っていた矢先の出来事でした。

私は契約解除の当日、これまでのお礼として栄養ドリンク2箱をSさんにお渡ししました。


あの、草がボウボウで、ここは密林かと思うほどだった状態を綺麗に草を刈って下さった。

また、ビニールや農業資材が散乱していたものを一か所にまとめてくださった。


荒れ放題の畑を綺麗にしてくださったSさんには感謝しかない。


いい人に借りてもらうことができ、家族全員喜んでいましたが、事情をお聞きすると致し方ない。




やっと借り手が見つかった「大きな畑」は結局、親戚のAさんの理由で、契約解除になってしまいました。




夫から相続した「大きい畑」と「小さい畑」と「田んぼ」は

「小さい畑」と「田んぼ」はお陰様で売れました。
「大きい畑」は一旦、賃貸借契約まで行きましたが、結局、契約解除になりました。



農業をすることができない人が田畑を相続するとどうなるのか。
普通の人では経験できないことをさせていただき、また一つ、勉強になりました。


特に思い入れが強い「大きい畑」。
私はこれからも「大きい畑」と関わっていく。






今日は軽い咳が時々出るため、朗読はお休みさせていただきました。



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山田ゆり
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