休日出勤の朝【音声と文章】
山田ゆり
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※note毎日連続投稿1515日をコミット中!
1463日目。
※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む、
どちらでも短い時間で楽しめます。
おはようございます。
山田ゆりです。
今回は
休日出勤の朝
をお伝えいたします。
のり子は車から降りて、従業員通用口までの砂利道を走った。
小さな雨粒が眼鏡にあたっているから急いでいるのではなく
時間ギリギリなのだ。
駐車場には会社の車2台しかない。
ああ、今日も私の方が早かった。
良かった。
歩きながらバッグのポケットに手を突っ込み、会社の鍵を探った。
入り口に立ち、鍵をすぐに差せるように右手に持ち、
左手で試しにドアノブを回してみた。
ドアは予想に反して開いた。
ということは…。
のり子はドアを静かに開けた。
タイムカードが段々に差されている中で
直属の上長のカードだけが左側の「出社」の方にあった。
やっぱり。
耳を澄ますと開け放した戸の奥から咳払いが聴こえた。
車がなかったということは、そうか、今日は徒歩で出社されたのか。
ご自宅まで車で5分くらいの距離を
最近は健康の為に徒歩通勤しているのを知っていた。
のり子はタイムカードを引っこ抜きタイムレコーダーに差し込む。
ガチャン。
今どき、タイムカードを使用している会社は少なくなったと思う。
その音は、「のり子個人」から「仕事用ののり子」の鎧を身にまとう瞬間の小さなファンファーレである。
靴を脱ぎ、すのこの上に上がり自分の内履きを履いた。
手指消毒のペダルを踏んで手をこすり合わせる。
カサカサと音を立てながらロッカー室へ向かう。
ロッカー室で上着をハンガーにかけ、
髪にくしを通して鏡で身だしなみを確認してから事務室へ向かった。
事務室の奥で直属の上長がPCに向かっていた。
「おはようございます」
「おはようございます」
それ以上はお互い何も言わない。
「早いですねぇ」とか
「今日もお天気、いいですねぇ」とかは言わない。
お互い、仕事をしたくて(しなければいけない状況なので)わざわざ休日出勤している。
だから、無駄口をたたいている暇はなかった。
お互いを「構わない」のが最良の心づかいだと心得ている。
のり子は自分の机の前に立った。
デスクトップ型パソコンと電話器と電卓。
机の上にはそれしかない。
のり子は基本、書類を机の上に置いて帰ることはしない。
全て机やキャビネットの中にしまってある。
のり子は机に鍵を挿し、現在進行中の案件のものを机の上に置いた。
その中から今日するものだけを取り出し、あとは「その他大勢」として
ひとまとめにして机の遠いところに置いた。
PCを立ち上げる。
まずはTODOリストを確認する。
昨日したことには「済」が入力されている。
今日する事は昨日の内にリスト化していたからその内容を確認する。
その後、リストを画面の右上の方に配置し、
最小化して画面の奥にしまった。
今日することは頭に入った。
優先順位も決めた。
のり子は仕事を開始した。
するとポットのお湯が沸いたという音が事務所内に響いた。
その曲は彼女がいつ頃出社されたかを暗に教えてくれていた。
事務所内には二人のPCをたたく音と
時折、上司の小さな咳ばらいが響いていた。
今回は
休日出勤の朝
をお伝えいたしました。
本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。
ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。
山田ゆりでした。
◆◆ アファメーション ◆◆
.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。
私は愛されています
大きな愛で包まれています
失敗しても
ご迷惑をおかけしても
どんな時でも
愛されています
.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。゚+..。*゚+
1463日目。
※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む、
どちらでも短い時間で楽しめます。
おはようございます。
山田ゆりです。
今回は
休日出勤の朝
をお伝えいたします。
のり子は車から降りて、従業員通用口までの砂利道を走った。
小さな雨粒が眼鏡にあたっているから急いでいるのではなく
時間ギリギリなのだ。
駐車場には会社の車2台しかない。
ああ、今日も私の方が早かった。
良かった。
歩きながらバッグのポケットに手を突っ込み、会社の鍵を探った。
入り口に立ち、鍵をすぐに差せるように右手に持ち、
左手で試しにドアノブを回してみた。
ドアは予想に反して開いた。
ということは…。
のり子はドアを静かに開けた。
タイムカードが段々に差されている中で
直属の上長のカードだけが左側の「出社」の方にあった。
やっぱり。
耳を澄ますと開け放した戸の奥から咳払いが聴こえた。
車がなかったということは、そうか、今日は徒歩で出社されたのか。
ご自宅まで車で5分くらいの距離を
最近は健康の為に徒歩通勤しているのを知っていた。
のり子はタイムカードを引っこ抜きタイムレコーダーに差し込む。
ガチャン。
今どき、タイムカードを使用している会社は少なくなったと思う。
その音は、「のり子個人」から「仕事用ののり子」の鎧を身にまとう瞬間の小さなファンファーレである。
靴を脱ぎ、すのこの上に上がり自分の内履きを履いた。
手指消毒のペダルを踏んで手をこすり合わせる。
カサカサと音を立てながらロッカー室へ向かう。
ロッカー室で上着をハンガーにかけ、
髪にくしを通して鏡で身だしなみを確認してから事務室へ向かった。
事務室の奥で直属の上長がPCに向かっていた。
「おはようございます」
「おはようございます」
それ以上はお互い何も言わない。
「早いですねぇ」とか
「今日もお天気、いいですねぇ」とかは言わない。
お互い、仕事をしたくて(しなければいけない状況なので)わざわざ休日出勤している。
だから、無駄口をたたいている暇はなかった。
お互いを「構わない」のが最良の心づかいだと心得ている。
のり子は自分の机の前に立った。
デスクトップ型パソコンと電話器と電卓。
机の上にはそれしかない。
のり子は基本、書類を机の上に置いて帰ることはしない。
全て机やキャビネットの中にしまってある。
のり子は机に鍵を挿し、現在進行中の案件のものを机の上に置いた。
その中から今日するものだけを取り出し、あとは「その他大勢」として
ひとまとめにして机の遠いところに置いた。
PCを立ち上げる。
まずはTODOリストを確認する。
昨日したことには「済」が入力されている。
今日する事は昨日の内にリスト化していたからその内容を確認する。
その後、リストを画面の右上の方に配置し、
最小化して画面の奥にしまった。
今日することは頭に入った。
優先順位も決めた。
のり子は仕事を開始した。
するとポットのお湯が沸いたという音が事務所内に響いた。
その曲は彼女がいつ頃出社されたかを暗に教えてくれていた。
事務所内には二人のPCをたたく音と
時折、上司の小さな咳ばらいが響いていた。
今回は
休日出勤の朝
をお伝えいたしました。
本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。
ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。
山田ゆりでした。
◆◆ アファメーション ◆◆
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