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何も変わらないから。
4月1日。新年度の始まり。今朝も昨日と変わらない、白一色の空が窓に顔を向けていた。何ら変わらない朝だ。私にとっては。
まずは新社会人をむかえる誰かへ。
心からのおめでとうを。間違いなく新しい世界です。あなたの知らない世界です。知らないものに出会う時のワクワクする感覚はお分かりですか。
宝物にしてください。日毎に石橋を叩いて渡るようになります。好奇心、探究心は忘れていきます。キラキラした眼差しの後輩を前に『あんな頃もあったな』とどこか寂しくなっていきます。どうか忘れないで。その心は無くさない方がいい。大切に肌身離さず持ち続けて欲しい。
とはいえ敢えて現実を口にするならば、日々を重ねてしまった頃には、昨日も今日も大した違いはない。書類に書く年号を少し意識する以外、大抵のものは変わらない。
ましてや気づけば6年も時が経てば、全ての時間帯の挨拶が『お疲れ様です』な事も、現場での『ありがとうございます』が禁忌な事も、太陽がまだ眠るうちに家を出て、誰もいない事務所に帰る現場終わりも案外慣れてしまう。
順応に慣れは必要だ。
間違いなく。
慌てない、動じない。
そして
視野を広く。
口で言うよりも遥かに難しい。でも案外どうにでもなる。アナタが積み重ねた経験が支えです。どんどん経験する事。失敗していい、繰り返さなければ。今はまだ許されるから。
がむしゃらな頃も楽しかった。日夜仕事に明け暮れて、件数が溜まれば返上を快諾し、休みの回数も数え忘れて帰宅するまでで毎日3万歩は歩いた。どんなに怒られても涙を流しても『仕事しかないですから』と笑って答えた。アナタは今どうしているのだろうか。今でもアナタは笑えていますか。
悩むアナタは立派だった。涙を流しつつもいつも真っ直ぐなアナタを沢山の先輩方が可愛がってくれていたね。常にフッ軽なアナタは休日、『〇時に~駅ね』と言われれば、直ぐに着替えて合流しに行った。呼べば来る“都合のいい後輩”は、“呼んでくれる先輩”の存在が嬉しかったんだよね。
人生に出会いと別れはつきものです。アナタの居る小さな世界でさえ、沢山の別れが潜んで手を引いています。ちょうど今、新たな出逢いに気持ちが弾んでいるあなたの裏で、別れの時が月末に迫っています。避けようがない、確実な別れです。
先に言いますが〖神は願いを叶えません〗。神は常に非情です。残念ながら事実です。ついでにもうひとつ添えるなら〖信じるべきは自分自身〗です。アナタだけは、己を肯定してあげて欲しい。常に味方でいてあげて欲しい。一番の味方でいてあげて欲しい。
アナタが選ぶ選択肢を“正解”にしてあげよう。小細工無しで、選んだ答えを形にしよう。誰かの顔色を伺うのではなく、アナタらしく振舞おう。アナタが愛せるアナタの姿が一番魅力的だから。
そして最後に。
毎年失い続ける
26年目のアナタへ送る。
今年のアナタが
やっぱり一番魅力的です。
変わらない日常と
理不尽に翻弄される“旅路”を
今年も精一杯
楽しんでください。
ようこそ、“新しい春へ”
(2022/04/01)