未来のこと

私が写真を始めたのは大学一年生の時だった。
何か夢中になれるものがほしくて、自分の居場所が欲しくてカメラを始めた。
私は小さい時から習い事は何をしてもぽんこつで人より秀でているものなど無かったように思う。
正直、今でもこんなにも自分が夢中になれるものに出会えたのは奇跡だと思う。
わたしがカメラを買って、初めて撮らせてもらったのが大学時代の友達だった。
初めはミラーレス、次に一眼レフ、そしてフィルムカメラ。その全てに彼女の写真が入っている。
彼女は特段顔が良いとかいうわけではないが何故だか撮っていて楽しい。
そんな彼女が妻になり、そして最近母になった。
わたしのカメラにはその軌跡が残っている。
今日、彼女の家に行き、彼女と夫、そして息子の写真を撮っていると感慨深いものがあった。
確かに人の歴史がそこにはあった。改めて写真を続けていてよかったと感じた。
おばあちゃん になっても、彼女の写真を撮っていたい。
わたしは前に進めているのだろうか。