今更PSVitaを使う自分が『PlayStation Portal リモートプレーヤー』について考える
『PSVita』というゲームハードを知っているだろうか?
かつてソニー・コンピュータエンタテインメント(現SIE)が販売していた携帯ゲーム機である。
初代Vitaはともかくとして、新型Vitaは独自の端子を廃止し、本体も軽くなったことで非常に使いやすいハードになった。
でも携帯ハードとして成功したかといえば、正直微妙なところである。
ただそんなVitaが今、自分のエアロバイクのお供として活躍しているのだ。
今更ながらにそんな事になっているのも、最近ゲーム実況で初代のダンガンロンパを見たから。
他人がやっているとなんでもやりたくなってしまう単純な人間である。
思わずダンボールの奥深くからVitaを取り出し、かつて購入していたダンガンロンパ3作目をプレイし直してしまった。
このゲームはすごく簡単に言うと、『事件発生』→『調査』→『裁判』という流れで進んでいく、ネタバレNGなタイプの謎解きゲームだ。
なので犯人やトリックがわかってしまうと、普通はもう一度プレイする気なんて起きない。
しかしまさかの自分の記憶力があまりにも壊滅的だったようで、一度クリアしてるのに内容をほぼ忘れていた。(信じられない)
なのでプレイするのは2回目だというのに、「えーっ!そうだったのー!?」という初見のリアクションが取れてしまうという奇跡のようなゲーム体験になった。
なんだか得した気分だが、自分の記憶力は果たして大丈夫なのだろうか?
実はこの3作目はシリーズファンの中でも賛否が分かれる内容なのだが、こういうときは自分は大抵『賛』の側につくことが多い。
本当にこのシリーズのシナリオには脱帽だ。
2回目ながらも唸らされる展開の連続で、非常に満足。
今後もこのシナリオライターが関わった作品は追っていかねば……!
……さて、それはともかくエアロバイクのお供の話だ。
Vitaが良い感じなのは概ね事実だが、やはり難点もある。
上記の難点に加えて、Vitaは一部のゲームでは解像度とフレームレートが酷いことになっており、ロード時間も長いものは結構長い。
(今回プレイしたダンガンロンパ3作目も、PSPだった2作目よりもロード時間が長く感じる場面は多かったりする)
だが正直もう自分は30fps(フレームレート)と長いロード時間は耐えられない体になってしまっている。
なのでエアロバイクのお供によさそうなSwitchもやはり厳しい。
(任天堂の次世代機は60fpsでSSDだったら良いなあと妄想している)
かといってソニーはもう携帯ハードなんて作らないだろうし………
……そんな中、ソニーが謎の物体を発表した。
この物体の名前は『PlayStation Portal リモートプレーヤー』。
携帯ハード……というわけではない。
これは『PS5の映像をこの端末に飛ばすことで携帯機のように使える』という、リモートプレイ専用ハードなのだ。
つまりこれ単体では動かず、PS5本体が別途必要。
そして高速で安定したwifi環境(5GHz帯推奨)も必要となる。
なので現状では外出先で快適に使えるとは言い難い。
そもそも持ち歩くにはデカすぎる。
そして実はプレイステーションの『リモートプレイ』という機能は、もうずっと前からVitaでもPCでも、更にはスマホでも出来ちゃうのである。
(VitaとPS5の組み合わせは非対応)
しかもVita以外ならPS5のコントローラーを繋げることすら可能だ。
……だ、誰が買うんですかこれ?
率直に思う。
「売れる気がしない」と。
しかし冷静に情報を紐解いていくと、先程自分がエアロバイクのお供に求めた各種要素を解決出来そうな存在はまさかのコレという可能性が見えてきてしまったのである……!
まず『PlayStation Portal リモートプレーヤー』は、本体で重い処理をするというわけではない。
ゲームの重い処理に関しては母艦であるPS5に任せて、ボタン操作の内容や演算結果等だけをハード間でやり取りするのだ。
PS5のロード時間の短さは半端じゃないので、携帯機では実現不可能なレベルの短いロード時間になるのはもちろん、まさかの8インチフルHDモニタで、フレームレートも最大60fpsを達成しているらしい。
これは自分の求めていた要件を見事に満たしている。
そしてそのレベルの要件を満たしてもバッテリーが4時間もつというのは、リモートで処理をPS5に任せているからこそだろう。
(携帯PS4といえるSteamDeckは本体で処理を頑張るので、バッテリーのもちは2時間ほどで発熱もすごい)
Vitaでは足りなかったボタン数の問題も、PS5のコントローラーの間に画面を挟んだだけといえるこの製品ならばもちろん解決済みだ。
なんだか凄いと噂の特殊な振動機能もしっかり味わえるらしい。
そして先行体験者レビューで「遅延も感じず快適」という意見があったのも重要なことだろう。
「ずっと前からVitaやPCやスマホでリモートプレイなんてできていた」というのは確かに事実ではあるのだが、「できる」と「快適にできる」は明確に違いがある。
自分は今までにPS4Proでリモートプレイを試してみたことがあるが、遅延はバッチリあるし、フレームレートも下がるし、時々映像が飛んだりもしていた。
しかし、リモートプレイ専用機として調整されたこの製品ならば、そういった今まで自分が遭遇した問題点を解決している可能性は高い。
(遅延に関してはハードや自分の端末、回線環境にもよるので一概には言えない部分もあるが)
そしてレビュアーによると、電源をつけたらすぐにリモートプレイに移行できるので、気軽さが段違いという利点もあるようだ。
そう、確かにスマホやPCでもリモートプレイは可能だが、アプリを開いたり、コントローラーをつなげたりと、煩わしい作業がてんこ盛りなのだ。
専用OSでゲームへのアクセスのしやすさを第一にしたのがSteamDeckだが、そのおかげで他の高性能UMPCより評判が良かったのを思えば、余計なものを排除してリモートでの快適さに特化するのは良い判断なんじゃないかと思う。
ただ、もちろんネガティブな部分もないわけではない。
だがわりとエアロバイクのお供としてなら問題ない気もするのだ。
えっ……?
本当に最適解なのでは……?
もちろん自分は今、いくつかの懸念点は無視して話している。
コントローラ部分の耐久性だったり、うちの環境で遅延がどれくらいに収まるのかは不明な点など、粗を探そうと思えば色々あるのは事実。
しかしどうにも良い製品に思えてきてしまった。
自分の手の中で、フルHDと60fpsと最小ロードと快適なコントローラー体験が一体となる……なんと素晴らしいことだろう。
もちろんこれをほぼ体現しているUMPCも存在するが、お値段は20万円はするだろうし、何よりゲームはゲーム機でやった方がいいというのがPC版のデスストランディングでエラー地獄を解決出来なかった自分の意見だ。
「高性能UMPCよりもSteamDeckの方が良い」と判断する人が一部いるのもそういうことなんだと思う。
ゲーム用にチューンされたものは安定感が違うのだ。
というわけで、まだまだ『PlayStation Portal リモートプレーヤー』の詳細は明かされていない部分が多いのだが、個人的にかなり興味を惹かれる存在になった。
ニッチな需要しかないように思えるのが正直なところだが、自分の手の中で快適なゲーム体験をしたいという需要は確実に存在する。
現に自分はデスクトップPCでSteamを起動するのがダルすぎて、SteamDeckを買おうかと一瞬思ったことがあったくらいだ。(値段で諦めたが)
腰を据えてモニタの前に座り続けるのがきついときだってある。
ノベルゲーやインディーゲームは手元で楽しみたい人も多いだろう。
そんな携帯機環境を、PS5を持っている人なら199ドル(円安ゆえの3万円)で手にできるというのは凄いことなのではないだろうか?
それにPS4とVitaの両方でゲームを展開していた時代は、わざわざ2つのハード用に画質やフレームレートを調整した別ソフトを用意する必要があった。
これはゲーム開発会社にとってもかなりの負担だったはずだ。
しかしPlayStation Portal リモートプレーヤーさえあれば、存在する全ての据え置きゲームに、実質携帯機バージョンも付いてくるようなもの。
しかも他の携帯機ではあり得ないレベルの快適な画質とフレームレートとロード時間を兼ね備えたバージョンだ。
……やっぱりこれ、すごい商品なのでは?
正直今のところ世間の反応は、「なんすかこれ?」という感じなわけだが、発売してから徐々に「意外と使えるぞこれ!!」と評価が変わる展開もありえそうな気がする。
そんなわけで、今後もこの製品は情報を追っていこう。
できれば発売に向けて良い情報が出てくることを祈りたいものだ。
まあ自分……
PS5持ってないんですけどね!!
新型PS5まだかな…?
【2023/10/12追記】
新型出るけども……?
【2023/11/14追記】
やっぱり良さげだぞ……!?
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