【線香レビュー】「由比が浜」、「雪ノ下」、「薫琳」を聞いてみる
前回は老松の香りを聞いた。
老松は強めの伽羅の香りを持つ線香だという。
確かに強い。
部屋がもうなんだかスパイシーになっている。
それでは、残る「由比が浜」、「雪ノ下」、「薫琳」についても香りを聞いていこう。
ちなみにさっさとネタばらしすると、左から右へと値段が上がっていく。
では、この中では一番安い「由比が浜」から聞いてみよう。
【由比が浜(白檀)】
鬼頭天薫堂の公式サイトによると、由比が浜は白檀の線香なのだそうだ。
名前は聞いたことがあるが、果たしてどんな香りが白檀なんだろう。
wikipediaによると、サンダルウッドとも呼ばれるらしい。
手で仰ぐようにして香りを聞いていく。
うーむ……
(ちょっとカンニングするか……)
「ふくいく」とかいう言葉を始めて知った。
(”よい香りがただようさま”をいうらしい)
しかし甘みか……これ甘いのか……?
どうなんだろう……?(よくわからん)
コーヒーの味がわからない舌だけでなく、鼻も効いてない可能性が出てきたようだ。
だが1つ言えることがある。
祖父の家では白檀の線香を使っていたっぽい。
いや、「お前の祖父の家の線香情報とかどうでもいいわ!」という気持ちは痛いほどわかるけれども。
まあでも老松的なスパイシーさはないので使いやすいのではないだろうか。
ちなみにお試し5本入りで220円です。
【雪ノ下(沈香)】
雪ノ下は沈香(じんこう)というものらしい。
沈香とは、「ジンチョウゲ科ジンコウ属の常緑高木。代表的な香木の一つ」とのこと。
この木は害虫にやられたときに防衛策として樹脂を分泌するのだが、それによって比重が変わり、沈む木になるから「沈香」と呼ぶとか。
ちなみに油分が多く黒いものを「黒沈香」と呼び、これが伽羅の語源だとかなんとか。
(サイトによって蘭奢待の扱いが伽羅だったり沈香だったりするのはそういうことだったのか?)
まあそれはともかく、さっさと聞こう。
ふむ……。
めっちゃ嗅いだことのある匂いだ。
というか、実家の風景が浮かんでくる。
どうやらうちの実家は沈香系の線香をよく使っていたようだ。
つまり普通。(自分的に)
いや、実家の風景に飛べると思えばありか……?
(いうて仏壇前の匂いでしかないのだが)
ちなみにこちらはお試し5本で275円。
【薫琳(伽羅)】
そしてラストを飾るのが薫琳だ。
これは老松と同じ伽羅の香りである。
お値段は一番高く、5本入りで880円。
1本200円……!?
正直全く気軽に買えない線香だが、お試し用があったのはありがたい。
お試しがなければ一生嗅ぐ機会は得られなかったことだろう。
では、聞いていこう……!
日和って短くなったが、香りを確認していく。
・・・
おぉ……!
なるほど、老松と同じく伽羅ではあるのだろう。
似たような匂いではある。
しかしこれはなんというか……上品?
老松が「伽羅を食らえ!!」というパワー系なのに対して、
薫琳は「これが伽羅です…」という軍師キャラを思わせる。
なるほど、自分の鼻はまだ死んではいなかったようだ。
この違いはわかるぞ……!
そして老松で感じていたスパイシーさが、薫琳では抑えられている気がする。
老松を使用したあとは残り香がスパイシーな感じになったのだが、薫琳はスパイシーさが無いとはいわないまでも、少なめではある。
旅行先のお寺で使ってたのはもしかしてこっちだったのだろうか……?
いやどっちだ……?
そもそもどっちかなのか……?
思えば別に線香メーカーは1つではないのだ。
真相は、寺のみぞ知る……!
というわけで、線香聞き比べをしてみた。
なんだかまた新しい世界の扉を開いてしまった感がある。
思えばこれもnoteをやってなければ体験しようとも思わなかったであろう行為なわけで、色んな意味で感謝だ。
さて、じゃあ最後に自分の良いと思った線香を紹介して、
終わりとしよう……!
慣れ親しんだ香りの「雪ノ下」か?
ふくいくとした「由比が浜」か?
力強く香る「老松」か?
気品溢れる「薫琳」か?
選ばれたのは……!!!
「鴨川」です。
……誰?
鴨川は、販売サイトがおまけで入れてくれていた2種のうちのひとつである。
凄まじい短さ+2本というハイパー試供品だったが、なんか良い香り。
調べてみると「白檀の甘みを強調したもの」らしい。
同じ白檀の由比が浜ではなんだかよくわからなかった甘みだが、鴨川だとはっきりとわかる。
部屋の中が超甘ったるい。
だがそれがいい。
なんだか線香の世界の面白さに気づいてしまった。
でもそうなってくるとアロマも気になってきて……!
……いやはや、世の中には沼が多すぎる。
(4種の中では……やっぱり薫琳かなぁ)