
辞書アプリを買って3年越しに気づいた機能【辞書を食べ歩く】
スマホは良い。
紙だったら到底持ち歩けない量の本でも、電子化さえしてしまえば何百冊と持ち歩けるのだから。
そして皆さんが絶対に持ち歩きたくないであろう筆頭が辞書だろう。
実はアプリストアには、紙の辞書でおなじみの新明解国語辞典がある。

この辞書アプリ、購入履歴を辿ってみると2015年に買っていた。
価格は当時1100円だったらしい。 安いな!!

だがまあ、全然使わなかったのが正直なところだ。
普段の生活で辞書を引いて調べるなんてことはあまりしないし、ネット検索と違ってページ数の制限がある辞書では、単語の収録数も限られるし、解説も短い。
それがある意味で「用語を短い言葉で解説してくれる」という良さでもあるのだが、深く知りたい場合には適さないことも多いのだ。
さて、ある日の自分は、ゆる言語学ラジオで日本国語大辞典の回を聞いて感動を覚え、その勢いのままに図書館で辞書関連本を漁っていた。
そこにあったのが自分の好きなポッドキャスト「いんよう!」で度々ゲストに訪れる、サンキュータツオ氏の『国語辞典を食べ歩く』。
大学講師で日本語学者で芸人という肩書きのサンキュータツオ氏だが、やはり物事を面白くかつ、わかりやすく解説するのが上手い。
この本では、各出版社の辞書を擬人化して説明している。
岩波国語辞典:歴史好きで保守派の優等生
三省堂国語辞典:新しい言葉に敏感な現代っ子
新明解国語辞典:ワイルドで親切な個性派
明鏡国語辞典:雑学にも強いスマートな食通
我らが新明解くんはワイルドで親切な個性派。
「へちま」の項目では新明解くんの親切さが光る。

「へちま」の項目にこれでもかと関連情報が載っている。
担当者のへちまへのこだわりが伝わってくる記述だ。
風呂のスポンジ代わりに使えるのは知っていたが、化粧水としての用途もあったとは。
さらには「へちまの皮とも思わない」という言葉も一緒に紹介し、各種情報を繋げて知識を定着させやすくしている配慮を感じる。
なんだかこうしてみると辞書もなかなかいいな……。
世界には辞書を読み物として使っている人も居るらしいが、たしかにこれは意外な出会いがあって勉強になるかもしれない。
なにより自分のように短編じゃないと読んでいられない人にとっても最適な気がする。
Wikipediaは1つの単語のページを読むのに5分以上かかる場合があったりしてあまり多くの単語を追えないが、辞書ならすごい勢いで多様な単語を知ることが出来るだろう。
そう、広く浅く……
……なんかこういう書き方すると、今だと『単語のファスト消費だ!!』とか騒ぐ人が出てきそう。
まあファスト消費はともかく、日本国語大辞典はとてもじゃないが読める気がしないものの、新明解ならなんとかなるかも……?
※日本国語大辞典を読んだ人も居る↓
そんなことを考えた結果、久々に辞書アプリを起動した。
思えばしっかりと中身を見たこともなかったな……。

設定に入ると、思った以上に色々な設定項目があった。
考えてみれば、アプリなら文字の大きさも変えられるのだ。
かつて祖父がルーペと辞書で調べ物をしていたのを思い出す。
今の時代ならタブレットと辞書アプリで相当楽をさせてあげられたことだろう。

音声も一部の単語には入っているので、アクセントを知りたいときにも役立つ。
日本語は同じ文字だけどアクセントが違うなんてものが相当ある。
(これは日本国語大辞典を読むと嫌というほどわかることだ)
でも音声があれば、それらの細かな使い分けもできる!!
まあ大半はもう使われなくなって、そもそも通じない気もするが……。

そしてなにやら履歴機能もついていた。
自分が過去に調べた単語がわかる便利機能だ。
これは地味に嬉しい機能じゃないだろうか?
そしてなんと、過去に同じ言葉を何回調べたかもわかる。
物覚えが悪いのがバレるので勘弁して欲しいが、面白い機能だ。
さらには電子版の辞書で言われていそうな、
「パッと開けない」
「単語との偶然の出会いがない」
というデメリットに対応したのがインデックス画面である。

この画面では、指で触った部分のページに即座に飛ぶことが出来るのだ!
まるで使い心地は紙の辞書のよう。

そして飛んだあとは、その付近の単語が画面いっぱいに出てくるので、そこから探せばいいというわけ。
偶然の出会いと紙の辞書を思わせる利便性を合わせ持った機能と言える。
でもこの機能、何故か同じ系列っぽいビッグローブの辞書アプリである、ウィズダム英和辞典では採用されていない。

ただ、その代わりなのか、【その他】の中にある【インデックス】では多様な英語に関する知識がわかりやすく並べられている。



なんだか使ってみたら、こっちのインデックスもこれはこれで良い感じだな……?
英国の公用語がフランス語の時代があったことや、料理名はフランス語由来だったことを期せずして知ることが出来た。
そして家畜の豚がswineなんて言うことも初耳だ。
(まあ中学生以下の英語力なので初耳ばっかりではあるのだが)
なんだかちょっと楽しくなってきてしまった。
そして辞書を読んだら確実に語彙も増えるし、知識も身につくという確信を得た。
もし今後果てしなく暇で仕方ない場面があったら、辞書を読むのもいいかもしれない。
そして一つ一つの単語にかかっている手間を考えたら、1100円でこれが買えたなんて凄いことだなとも思う。(今は値上がりした)
ストアを調べると大量の辞書アプリが出てくるが、無料のものは広告が挟まったりオンラインじゃないと使えないというデメリットもあったりする。
買い切り方式の辞書アプリはそれがない。
これは意外と、昔の自分は良い買い物をしたのかもしれないぞ……!
紙の辞書の重さに悩んでいる方がいたら、アプリ版も是非ご一考を。
辞書を編んだ人たちに感謝しつつ、言葉の世界を楽しもう。
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