【映画】『ドラえもん 新・のび太の日本誕生』を観てDr.STONEを想う
『窓際のトットちゃん』の原作本をこの前読んだわけだが、アニメ映画はもう放映期間が終わり、配信待ちとなった。
すぐに見れないのは残念だが、アニメ映画版トットちゃんのレビュー動画を見ると、「子ども一人ひとりの動きが細かくて凄い!」とのこと。
ならば配信レンタルで何度もシークしつつじっくり観るのもありだろう。
『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』も4月末にはプライムで無料になってしまうらしいし、なんだか凄い時代である。
そんな映画版トットちゃんのレビュー動画の一つに、こんな話が出てきた。
おいおい……!
『ドラえもんのび太の日本誕生』は、子供時代にVHSで何度も繰り返し見た名作じゃないか!
これはチェックせざるを得ないぞ……!?
そんなわけで、トットちゃんの映画の監督が関わったというドラえもん映画を観てみることにしたのだった。
ありがたいことに、ドラえもん映画はアマゾンプライム会員なら新旧どちらも無料で見られる。
せっかくなのでどんなところが変わったのか比較するのもいいかも。
なお、『新・のび太の日本誕生』は『新』とついていることからもわかる通り、新しい声優陣になったバージョンだ。
自分は声優交代の辺りでドラえもんは見ないような年頃になっていたので、新鮮な気持ちで観れそうである。
……それでは簡単にあらすじを紹介しよう。
うん、確かにこんな始まり方だったような気がする。
すごく懐かしい。
そしてのび太は例の空き地に向かい、ドラえもんの道具で家を建てて住むことにした。
ところが……?
空き地の持ち主に追い出されたのび太は裏山へと移動。
しかし裏山でも同じように、「ここは私有地だから立ち退け」と追い出されてしまうのだった。
仕方なくどこでもドアですんごい田舎に移動して住もうとするも、今度は村がダムの底に沈むことになる。(どんなタイミングだ)
……どうやら現代には安住の地はないらしい。
そしてなんやかんやでいつものメンバーがそれぞれの家でトラブルがあり、なんかもう全員が家出を決意することに。
だが家出するにしても、土地の問題はいかんともしがたい。
裏山でたそがれるメンバーたち。
そんなわけで、ドラえもんたちは土地の所有者がいない7万年前の日本へ向かうことになるのだった。
……いやなんというか、こんなに土地土地言ってたとは思わなかった。
映画の序盤はこんな社会派なストーリーだったんだなあ……。
そして今の自分には、この内容を聞くとどうにもDr.STONEが思い出されてしょうがないのだ。
Dr.STONEはドラえもんのように過去に行くわけじゃなく、全人類が石になって3700年経ってしまった世界の話だが、文明が存在しないという点では同じ。
そしてその世界で、主人公は石からの復活方法を見つけることに成功する。
世界中の人々を復活出来る可能性を手にした主人公だが、そこで仲間の獅子王 司というイケメンマッチョなキャラクターがこんなセリフを話すのだ。
やはり土地……!!
そう、のび太のように獅子王司もまた、大人の既得権益によって人生を狂わされていたのである。
だから彼は既得権益者をも蘇らせようと考えている主人公とは対立していくことになっていき―――!
……いや、Dr.STONEの話はこれくらいでいいか。
とにかく若い世代は搾取される宿命ということらしい。
大変だよね!
いやまあそれはともかく、この新しい「ドラえもん日本誕生」は旧バージョンを上手いことブラッシュアップしていてとても出来が良いと思った。
例えば旧バージョンではヒカリ族の出番は後半には消滅するのだが、新バージョンでは最後までストーリーに関わってくる。
そして新バージョンのみ最終局面の戦闘描写が追加されていて、序盤に何気なく使った道具(ドンブラ粉)が役に立つという小気味良い伏線回収がまた素晴らしい。
そしてラスボスのギガゾンビがしっかり強いし、なにより良い声である。
実は旧バージョンは微妙にスカッとしない決着というか、ドラえもんたちの活躍というよりタイムパトロール最強な感じで終わるのだが、新バージョンはペットたちをうまく絡めつつ、ドラえもんたちによる活躍を行った上でのタイムパトロールの出現なので、とても納得感がある。
旧バージョンでは登場しなかったドラミの協力も序盤からの伏線になっていて、これまた上手い。(タイムパトロールが女性しかいないのは謎だが)
そして全体的に家族描写が増えている。
当時旧バージョンを観た子どもたちが成長し、自分が子どもをもつようになった今この映画を観たら、色々と湧き上がる感情がありそうだ。
とにかく、聞いていた通り本当に良い映画だった。
この「映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生」では、八鍬監督は監督だけでなく脚本も担当しているらしい。
元の映画を上手いこと改変しつつ、より良い映画にしたのは監督の脚本のおかげだったようだ。
もしかしたら八鍬監督は、既存のものを更に磨き上げる才能が凄いのかもしれない。
これはやはり「映画・窓際のトットちゃん」も期待できそうだ。
今回久々にドラえもんの映画を見て、やっぱりワクワクさせてくれる作品だなと実感した。
子供だけで洞窟に家を作って、インフラを整備して、割るとカレーやカツ丼が入っている謎のカブを大量に植えて、変な生物を創造してペットにして……
なんというか、忘れていた感覚をちょっと思い出した気分だ。
皆さんも暇があったら久々にドラえもん映画、いかがだろうか。
もしかしたら、子供の頃に見落としていた何かに気付けるかもしれない。
この記事が参加している募集
サポートには感謝のコメントをお返しします!