【事故検証】『なぜ自分は転んだのか?』【暴かれる真実】
気づけばもう事故から2週間が経ってしまった。
激変した入院生活に慣れたかといえば、まだまだ精神力でどうにか補っている面はちょっとだけある。
だが看護師の方々や家族、そしてnoteで応援してくれる皆さんの支えでどうにかやっていけている状況だ。
本当に感謝しかない日々だなぁ……。
……さて、この辺であらためて『なんで事故が起きてしまったのか』を再考してみるのも良いかもしれない。
もちろん事故自体は一人で起こした単純なものだ。
……という感じで3行で終わる。
(※事故の詳細記事↓)
だが物事は往々にしてシンプルではない。
隠された要因は必ずあるのだ。
自分は『メーデー!』でそれを学んでいる……!!
というわけで、自分は事故調査委員会(会員1人)を立ち上げ、原因究明のためベッドに寝転んで思案することにしたのだった。
個人的にはどうにも腑に落ちていない事故の真相が見えてくることを期待して……!
【事故車の検証】
ではまず事故車の検証からいこう。
自分が事故当時乗っていたのは、26インチのマウンテンバイクである。
これは現在の会社に通勤するために購入したものだ。
(※当時の記事↓)
基本的にはこのマウンテンバイクで通勤しつつ、もしなにかトラブルがあれば、長きにわたる相棒であるブロンプトンに交代する感じで運用してきた。
やはりマウンテンバイクの方が段差耐性と安定性は明らかに高く、非常に快適な通勤が出来るようになったと感動していた自分がいる。
まあでも確かに買ってから数ヶ月で何もトラブルが無かったわけではない。
そう、例えば……
【事故車に起きていたこと】
この26インチマウンテンバイクだが、購入後数ヶ月であれこれトラブルが起きていた。
まあ最初のスプロケットの枚数が足りていないのはどう考えても自転車店の落ち度なわけだが、その他に関しては自分のせいだったりする。
なおタイヤがグニャグニャとはこういうことだ↓
なんだかどう見ても異常な形になってしまっていることがわかるだろう。
これは空気圧の高さによって、圧に耐えきれずにタイヤの構造が変化してしまうことで起きる。
夏場は気温でタイヤの空気圧が上がりやすくなるため普段より空気を減らさなければいけないというが、それはこの変形を防ぐためなのだ。
……じゃあなんでそれを知っている自分がこんなことになってるのかというと、限界空気圧を勘違いしていたからである。
このタイヤは最高でも6.0 BARまでしか空気を入れちゃダメなのだが、自分は何を勘違いしたのか6.5 BARまで空気を入れて夏を駆け抜けてしまった。
今まで使っていた小径車の空気圧が7.5 BARまでOKだったりするので、感覚が狂っていたのかもしれない。
そんなわけで当時の自分はミシュランのやけに安いタイヤを買ったのだが、これがマウンテン仕様強めなデコボコタイヤだったので、めちゃくちゃ本体フレームに干渉してしまう。
そのためシュワルベマラソンという干渉しないタイヤを新たに購入した。(出費がすごい)
慣れない大径タイヤのチューブ替えに2度ほど失敗したりもしつつ、どうにかこうにかまともに走れる状態にできた矢先に起きたのが、今回の事故だったのだ。
【なぜ縁石の切れ目に突っ込んだのか?】
自分はどうにも、事故にあった瞬間から解せない気持ちがあった。
おそらく縁石の切れ間にタイヤがハマったことで転んだのは確定だとは思うものの、そもそも縁石なんぞにタイヤを擦ること自体が今まで経験のないことなのだ。
今までだって対向自転車を避ける動作は何度もしてきた。
だがその際に縁石に触れたことなど一度もない。
視線は対向自転車の動きを見ていたので、わざわざ縁石の切れ目なんて確認していないというのはあっただろうが、縁石がどう伸びているかを体感で把握するのは別に難しいことでもないだろう。(慣れた道だし)
そして対向自転車を避けるためにハンドルを大角度で切った覚えもないのだ。
相手はまだ大分先にいて、余裕を持って避けたつもりだったから。
それなのに転んだ。
なぜこんなことが……?
先述の通り、マウンテンバイクはようやくまともな状態になった矢先だった。
本当に車体に問題はなく、素人仕事で変なブレがあるとか、そういうことでもない。
なにせなんだかんだで数日かけて修理してきた集大成である。
4勤2休の勤務体制の中、仕事から帰ったら娯楽時間を削って自転車修理をする日々を頑張ってこなしたのだ。
まあこんなに頑張ったのも、サブのブロンプトンまで壊れたら会社にいけなくなるからである。
休日を待って修理なんて発想は自分にはなかった。
だからブロンプトンで会社に通いつつ数日に渡る修理をしたわけで、あの日はその結果ようやく完成した自転車に乗って……
ふむ……?
【ブロンプトンとマウンテンバイク】
ところで当たり前のようにブロンプトンブロンプトン言っているが、それは一体何なんだよという人もいると思うので解説しておこう。
ブロンプトンは折りたたみ自転車である。
自分の旅行での最高の相棒だ。
あれこれ修理することもあったが、購入から今に至るまで実に軽快に走ってくれている。
ただブロンプトンは小径車なので、段差に弱いし長距離はあまり向かない。
サスペンションもないし(あるけどない)、圧倒的な折りたたみ性能を発揮するために、タイヤのサイズも16インチだ。
だからこそ自分は通勤には26インチのマウンテンバイクが適しているという結論に至り、数ヶ月で色々ありすぎなあの自転車を買ったわけで。
それはともかくとして、果たしてこの2つの自転車はメインとサブで切り替えて使っていけるようなものなのだろうか?
自転車というのは、本体が変われば乗った際の感覚がかなり違ってくる。
ブロンプトンとマウンテンバイクでいえば、体の前傾具合ももちろん違うし、ハンドルを持つ位置、ペダルを回す感覚、そしてなにより……
前面に伸びたタイヤ部分の長さが違う。
(縁石に突っ込んだ理由、これでは…?)
【事故調査結果】
事故調査委員会は、今回の事故をこう締めくくっている――
1.マウンテンバイク自体に問題はなく、修理はしっかりと完了していた。
2.しかしマウンテンバイクの修理をしていた数日間は小径車で通勤していたため、運転者は小径車の身体感覚に切り替わってしまっていた。
3.事故の発生は夜間であり、ライトを付けていようと前に伸びたタイヤ部分をはっきり認識できる状態ではなかった。
4.事故時に乗っていたのはマウンテンバイクだったが、本人的には数日間使ってきた小径車の感覚になってしまっており、普段は引っかかるはずのない縁石の切れ目に突っ込んでしまった。
5.小径車と大径車の切り替えには気をつけようね!!
【おわりに】
……いや、ベッドでただただ思考を巡らせていただけなのだが、なんかすごくそれっぽい結論が出てきちゃって驚きを隠せない。
実際今回の事故の原因ってこれなんじゃないか……?
まあ最終的には「乗っている自転車に応じた身体感覚を正常にインストールできてなかった自分のせい」になるわけだが、これって他の人にも起こる可能性は十分ありえそうな気がする。
だがこれをどう改善しろというのか……?
16インチから26インチの自転車に乗ったことで起きた悲劇なわけだから、もうタイヤが大きな自転車は使わない方向にしたほうがいいということだろうか。
まあ部屋の広さ的にももう自転車なんて置けないし、折りたたみでサスペンションがついた小径車があるならその方がいいのかも……?(タイヤの劣化は早いだろうけど)
つまりは……birdy(BD-1)ってことですかね?
birdy(BD-1)はリアとフロントの両方にサスペンションがついている折りたたみ自転車だ。
なのでマウンテンバイクとまではいかずとも、おそらくブロンプトンよりは段差性能はマシになると思われる。(たぶん)
どうやら耐荷重も110kgとのことだし、これなら十分旅行にも使えそうだから2台目としてはちょうどいい選択肢かもしれない。(なお値段)
そういえばかつてブロンプトンを購入するときも、最終的にBD-1かブロンプトンかで悩んだんだったな……。
なんだか懐かしい気持ちになりつつ、そういえば自分がまた自転車に乗れる状態に回復するかはわからなかったことに気づく。
こうやって自分の置かれている立場(ヤバい骨折)すら容易に忘れる鈍感力が今まで自分を生かしてきたのかもな……
そんなわけで、そんなにいないとは思うが小径車と普通の自転車を切り替えて使っている人はご注意を。
前側が短くなる分にはいいが、伸びた際には自分のように予想もしなかったものに引っかかる可能性があるのだ。
ちょっとの油断で長期間の入院生活になる人が出ることを防ぐためにも、こんなどうしようもない失敗談が広まってくれることを祈る。
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