現代アートの巨匠が書くアートとはなにか
「アートとはなにか?」そんな少しでもアートに触れたことがある人は誰でも感じるであろう迷い、特に現代アートに触れたとき感じるその迷いに現代アートの巨匠と呼べる存在が答える、そんな本
みんなの現代アート----大衆に媚を売る方法、あるいはアートがアートであるために
著:グレイソン・ペリー 訳:ミヤギフトシ
と、これだけで面白い本だとわかる本文の始まり方をする本で、本文はアートとはどこからどこまでアートなのか、そのアートを作ってる人たちはどんな人達で、どんな考えをしてるのか。
ただ自分の意見と事実を添えて、現代アートの巨匠が語ってくる話。
個人的に便器に名前を書いただけのものや、自分の糞を入れた缶詰がとんでもない値段で取引されてる事実に、理解できないと蓋をし、自分でも作れる下等なものであると決めつけており
それらをぶっ壊してほしいと思い手に取った本だったが、どちらかというと現代アートとは何かというより現代におけるアートとは何か
という本だった(そしてとても面白かった)
何度でも言うが本書は、アートについて徹底的に書かれている本である
内容はギャグがところどころにある、読みやすい内容だが
読んでみるとわかる『この本はめちゃくちゃ熱くアートについて教えてくれる本だ』と
実際訳者の後書きでも[感情が入り込まないよう意識さながらも、私はその文章に胸を打たれていた]書いてあり、自分も最後の章は伏線が回収され始めるSF小説のように引き込まれていった。
よくある翻訳の読みにくさは少しあるものの、読んでいくとそんなのが気にならないぐらい引き込まれる熱い文章なのでアートに関わっている、関わっていないは関係なくアートに興味がある人は一読して欲しい本だった
こんな人におすすめ
アートに関わっている人
現代アートに興味がある人
全く知らない世界の人の話を読んでみたい人