コーポレート部門に配属された時に大事な3つのこと
間もなく4月になり、新卒の方は入社と配属にワクワク・ドキドキの時期がやってきますね。特に配属発表は自分で所属を選べたり、入社条件で職種が決まっているパターンを除くと勤務地・配属部署も含めてとっても気になるところです。
私が新卒で入った会社は製造業だったので、総合職の中でも技術系の職種の人が多く、非技術職に限ると圧倒的に営業部が人気でした。その中でそもそも高卒で入社した私は一般職の扱いで、更に労務課に配属されることになりました。
当時は、よく周囲の友達に「人事部で働いているよ」という話をすると、「えっ、採用やっているの?」という返答が返ってきて渋い顔をしたものです。人事系の中でも労務はフロントに立つ部署というよりは、縁の下の力持ちだったり、労働トラブルが起きると極秘任務が発生するような、いぶし銀な部署なのです。
人事・経理・総務といったコーポレート部門は、大手企業になると毎年のように配属があったり、ベンチャー企業でも組織拡大の中で未経験で入社される方は一定数いらっしゃいます。そこで私が将来新卒が配属されたときや未経験で入社してくるメンバーに最初に伝えるべき心得というか、自分なりのアドバイスをするとしたら何を話すか考えてみました。これは現時点での考えなので、新しく思うことがあればバージョンアップさせていきます。
①自分の部署のミッション・存在意義を自分なりに説明できるようになる
これは自分が新卒で配属されてから数年間ずっともやもやしていたことなんですが、コーポレート部門は営業部や開発部と比べてミッションが漠然としがちですよね。「従業員が仕事に専念できる環境をつくる」や「経営に貢献するコーポレート」みたいなミッションを伝えられた時に、結局自分は何をしたらいいのか全く分からないなと思っていました。
しかし、今になってみるとミッションや存在意義というのは、具体的すぎるものでもなく、あくまで方向性を示すもので、それを受けて自分がどう動くかは、自分で考えるものなんですね。月末近くに予算達成のためにギリギリまで働いている仲間、新しい機能のリリースのためにプレッシャーと戦っている仲間、それを見たときに自分は何ができるのか。
指示をもらって動くのは楽だけど、自分がこうすべきと思ったことを実現しようとするほうが想像以上の仕事ができたり、達成感が全然違います。だから、目の前の仕事を一生懸命こなしながら、自分がこの部署で何をすべきかは究極には自分で考えるべきだと伝えたいです。
②会社のルール・社内規定・関係する法律について覚える
私が配属されてから1週間はとにかく社内規定を読むのが仕事でした。(仕事って暇だな、楽だなと思っていた当時の自分は幸せ者でした)こういうのって何か古い教えみたいで、早く仕事させてくれよって思っていましたが、今思うとじっくり基礎から育ててくれる職場はありがたいですよね。
仕事を進めていくうえで分からないことが発生したときにとれる手段は、
①自分の過去の経験から判断する→経験値が少ないので難しい
②書籍・ネットで調べる
③上司・先輩に回答・指示を聞く
主にこの3つがメインになりますが、最初は「③上司・先輩に回答・指示を聞く」が多くなります。しかし、それに従って行動したはずなのに、その回答・指示が間違っていて現場で怒られてしまうことや、なんでその回答になるのって更に質問されたときに「上司が言っていたので」という理由になっていない回答をしてしまうことがあります。
これは、上司・先輩は神様でも何でもなく、基本的には過去の経験から判断し、回答を教えてくれているからなんですね。だからこそ、回答の根拠となっている社内規定や法律を頭に入れながら、最適な回答を自分なりに考える力を身につけていく必要があります。そして自分が回答するときには、自分の意思で回答しているという自覚が大事です。
それが出来ないといつまでも自分の力で仕事を進めることが出来ず、伝書鳩としての役割しかこなせなかったり、ゴールまでたどり着くスピードも遅れるため、任される業務の量も増えません。
③現場の不満やクレームを自分事として考えて、何かしらアクションを起こす
他部署の人と打ち合わせをしたとき、問い合わせをもらったとき、様々な場面で会社のルール・環境に対する不満や時にはクレームに近い内容をもらうことがあります。ただでさえ、そんなに感謝されるような場面が少ない仕事で、更に指摘をもらうと辛いときも多々ありますが、決して個人の問題ではなく仕組みの問題と切り替えること。それに対して何らかのアクションすることが出来ると景色が変わってきます。
これは、働く中で一番大事なのは「信頼関係」であり、これが出来ると仕事も進めやすいですし、何より安心して働くことができるからだと思っています。この信頼関係をつくるのに大事なのが、依頼された仕事をこなすことであり、更に良いことだけでなく悪いことも指摘してもらえる関係性であると思います。
この悪い指摘というのは、面と向かって言えない場合には陰口や敵対視につながり、組織として何も良い方向にいかない場合もあるため、悪い指摘も言ってもらえる関係性づくりというのは非常に大事だなと感じています。そして、それを言ってもらうためには、「何か言ったら動いてもらえる人、考えてもらえる人」という期待と実績が大事になります。
もちろん、理不尽な要求や本来やるべきことではないことは、丁寧に断ったり、上司の力を借りて解決すればいいと思います。しかし、長年の困りごとや多くの人が共通して困っていることを解決することは、コーポレート部門の見せ場の一つだと思いますし、そのネタを提供してくれる人が仲間にいるとどんどん成果につながっていきます。
最後に
「人を育てるのは人ではなく仕事」とは言ったもので、結局教えてもらったことよりも自分でやってみたことのほうが何倍も成長につながるので、毎日講義を聞くよりも一つでも多くの仕事に取り組んだ方が力になるはずです。
それでも多くの人に教えてもらい、叱ってもらうことで成長してきたなとあらためて思うので、大事なポイントは何度も何度も繰り返して伝えていき、学びを還元していきたいです。