クオンツとクォンツークォンツ宣言
クオンツ、という言葉をご存じだろうか。数理ファイナンスの授業を大学などで受けたことがある方や、金融機関に務めている方であれば、おぼろげながら何をやっているかは見当がついていることと思われるが、そうでない方のために。
クオンツのやること
コンベンションの細やかな設定
これが無ければ、適切なリプライシング（要するに、インプットと全く同じアウトプット）を実行できない。さらに、コンベンション情報は微妙に間違っていたりするので、そのメンテナンスこそ、クオンツの主業務と呼んでも良いだろう。逆に、これが出来ていれば適切にイールドカーブをメンテナンスすることに直結する。
辞めた人の造ったモデルのメンテナンス
メンテナンスとは言いつつ、過去において承認を受けた評価モデルである。間違っているわけがないのだ。もし間違っているのであれば、担当たるあなたが金融庁をはじめ、お客さまへの土下座行脚を実施することになるだろう。そう、数値が誤っているように見えるのであれば、それはあなたの目かあなたが新しく書いたプログラムがおかしいのだ。断言しよう、そのような可能性は、宇宙開闢以来存在しない。
そのようなクオンツ業務において、重要なのは「説明可能性」である。何事も大金を預かって回している以上、いかなる責任も負わない形で理路整然と言い訳を並べる必要がある。
その延長線上に、今話題の機械学習やらAIやらなどは存在しない、存在しているように見えるのであればそれは蜃気楼であり、そして幻覚に過ぎない。ランダムフォレストなら言い訳は立つかもしれないが、あれですら言い訳を俯瞰的に作成できるようなシロモノではないのだ。
やってはならないこと、pip install --upgrade
この世には、「おしてはならないボタン」が存在する。きっと核保有国の指導者の椅子には、毒々しい赤いボタンがあるように、われわれのような界隈にも押してはならないものが存在するのだ。そう、過去の計算結果と完全なる決別を果たす、あのコマンドである。もし、数値が変わってしまったら？それは真夏のホラーである。家の窓からよくわからない人が切りつけてきた方が、余程心安らかに眠ることが出来るであろう。
この世の中には、どうやらクォンツなる職業が存在するという
クォンツは、自由自在に機械学習やらAIやら、とにかく最新のライブラリを活用し、そして鮮やかに美しいパワポで投資方針を立案することができるのであるという。
クォンツは、なにやらわれわれのような素人には、よくわからない深遠なキーワードを並べることができる。そして、クォンツは、クオンツよりずっとか稼いでいる。なんでもNYやLDNのクォンツ様は、数年勤めれば出身国に御殿が建つのだという。
そう、将来ある若者達へ、決して道を誤ってはならない、「ぉ」と「お」の差は、歴然たるモノである。
そう、将来が微妙なわれわれおっさんたちへ、せめてぉっさんになろう。人間らしく、自分自身で何が必要か判断できる、ォッサンに。