ぼんくら二代目が店をつぶさないための努力
ある日の一日の売り上げが855円だった。2万円に達してないとお客さんあんまり来なかったね…となるのに、855円。大雪の日にお客さんが2人な日も伝説になってるのに、普通の日に更新しちゃった。最悪が更新されちゃった。ちと本当にヤバいかも…
ということで、このままじゃせっかく父がリアカーで有機野菜の引き売りをして始めた八百屋を、母が継いで必死に42年続けているオーガニック店を、継いでたった5年ぐらいでこのぼんくら二代目の娘こと私、ヨシダクルミが潰してしまうことになってしまいそうなので、はじめからまた新しく【オーガニック】や【健康】周辺のことを勉強してそれらを発信する!ということを始めてみようと思う
まずはなぜここに至ることになったのかの経緯を、ちょっと長くなるかもしれないけれど書いてみるので、興味やら持て余す暇があれば読んでみてほしいな~
最悪が更新されちゃった日にぐるぐる考えた話
冒頭に書いた通りに、ある日の売り上げが855円しかなかった時、あまりの最悪さにその日の閉店作業をしながら目の前がなんにも見えなくなっていく感覚がした。
確かに年中金曜日はあまりお客さんが来ないとか、夏が暑いとか、特売日の翌日だったとか、物価の高騰で終わりの見えない商品の値上げとか、理由を探そうと思えばいくらでもできて、というか普段あまり客が来ない日もなんかそれっぽい理由を探して「まあ~~しかたないか!」とお気楽に過ごしているわけだけども、さすがにこれはお気楽にはなれず、悪い想像が頭を駆け巡る。
ここ最近の暇な日の店番中、あんまお客さん来ないしな~とかいってウェブコミック一生読み漁ったり、一か月以上先に予定するコンサートに持っていくネームボードをせっせと製作したり、ドラマに熱中して大泣きしてたり、そんなことばっかしているじゃん、私。
え、このままじゃお客さん来なくなって、店、つぶれる?
えっ、このまま父がリアカーで有機野菜の引き売りで始めた八百屋を、母が継いで必死に42年続けている店を、継いでたった5年ぐらいでこのぼんくら二代目こと私が潰してしまうことになる??
えっ~~~!やばい、全然就活したくない。店の場所、今売れば借金はチャラになるかな?ならないかな?自由と責任が抱き合わせの個人事業主卒業?やばい。面倒くさすぎる。えっえっえっ~~~~~~~!どしよ~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!
と営業後に頭を抱えて叫んでいた私に妹が呆れた顔をして言う。
「後ろ向きすぎるわ。まず畳まないで済むための努力しなよ」
真っ当な意見すぎる。
「ドラッカーが言ってたよ。商売において大事なのは顧客対象を明瞭に定義すること?だって。だからうんたらかんたらこんたら」
ずっとなにか言っているけれど、真っ当な意見を一言目に食らってしまって全然言葉が入って来ないので、濁った返事しかできず、ぐうの音も出ない。
なんたって私は店で働きだしてから丸5年、一生懸命あるものを工夫してみたり、見せ方を変えてみたりしてなんとなく仕事している感を出しているだけで、お客さんが少なくなってきた足音が聞こえていても、なんとかやってたらなんとかなるかな!という雰囲気だけで仕事をしてきてしまった。
現状のままだと限界が遠くない。しわ一つない脳みそがぐるぐると動き出した。
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さてここで一度、「店」と「私」の紹介を挟んでみる。
「店」とはどこの何かの話
先ほどから頻出する「店」とは、千葉県は流山市平和台にある、【真澄屋/カフェおおきなかぶ】のこと。
オーガニック野菜をはじめとする食品・生活雑貨を扱う八百屋と、そこで売っている野菜や調味料を使い、基本的に肉・魚を使わないランチというか定食みたいなものを出すカフェを営業している。
そして真澄屋のことを語るときに欠かすことのできない私の父・アチくんと母・マサちゃんのことを話してみる。
父・アチくんの話
父・アチくんは先述したように、23歳から仲間と共にリヤカーに棚をつけて無農薬野菜をのせて「え~無農薬野菜いらんかねえ」言うて引き売りを初め、アチくんの地元である流山市平和台に根を下ろし、真澄屋を開いた。真澄屋が根を下ろして数年後に、畑が余っているのでなにか使ってくれないか?と相談を受けたのをきっかけに農業を始めて30年。無農薬で作物を作ることで、虫や鳥などの生態系を少しでも守ろうとしている。現在も店で扱う野菜のメインは父の野菜で最盛期は年間100種類以上の野菜と米ともち米を作っている。(今年春から流山再開発のあおりを受けて農地が移転したり減ったりしたので数も減るけど)
母・マサちゃんの話
母・マサちゃんは未婚で長男を産んだ後しばらく二人であちこち旅したのち、多動な長男を一人で育てることに限界を感じてヒッピー仲間の輪にてアチくんと知り合い結婚。(アチくんと一緒になる際に別姓がいいとぶつかったらしいが、同性になっての利益の方が大きいと却下された話を聞いて、先取りな女だな~て思た)真澄屋を一緒に営業していたが、30年前からはアチくんが畑をやるため真澄屋の主たるとなりながら総数6人の子を産み育てた経験豊富な存在である。
我が兄弟は長男と末っ子がちょうど20歳離れているので、いろんな時代の子育てを経験してきたともいえよう。長年の夢だった「カフェ」スペースを作るため、今までは借家だったお店から近所で売りに出ていた店舗を買い、60歳の年に移転させ、カフェを開いた。
今はカフェで料理を担当している。料理がうまい。が完全に感覚派なので二度と同じものは作れない。超絶テレビっ子。
”真澄屋”と”百笑カフェおおきなかぶ”の由来の話
ちなみに真澄屋、の”真澄”は「オールイズハッピー」という空とか真の意味だそう。(神道用語らしいんだけどよくわからない)、
”百笑カフェおおきなかぶ”は童話おおきなかぶにならって、百ほどの笑いとともにみんなで一つのことを成し遂げられる場所をつくれるように。ということらしい。
娘(私)・クルミの話
そんでの「私」である。私ことクルミは現在30歳で、小・中学も不登校だった。高校も専門学校も周囲の応援があり卒業に至れて一応栄養士の資格を持ってはいるが、栄養士として働いたのは半年だけ。飲食店でウェイターをしたり、キッチンで作ったり、量販店で販売員をしたり、不動産屋で賃貸の営業をしたりといろいろやってみたが続かず、転職の合間につなぎで真澄屋にて働いたら割りと性に合っていたので、組織で働くことに限界を感じていた時、そのまま真澄屋を継ぐ流れになって今に至った。食べるのがとにかく好きで、体力がなく、外食やらジャンキーを食べるとすぐお腹が痛くなる怠けもののオタクです
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上記でわかるように(わかるか???)両親はあまりオーガニックや無農薬への関心がそこまで広がっているでもない時代から己の意思やら興味をもって、この業界に根を伸ばしていた人たちなのに対し、わたしは産まれたときから食べるものだけはとにかく店で売っている自然食を食べて成長してきた。
そこから店に入って働き始めても、生活の中や仕事の中で聞いた知識を受け売りしたりするだけで、大して新たになにかを勉強することなく、ここまで来てしまった意志弱知識無知無知人間なんだよな~~~~~~と転がっていたところで思い付く。
真澄屋のお客さん、つまり〈オーガニック〉な食品を使いたいと思うひとたちの大抵は病気をしたか、幼い子供がいるかのどちらかになるけど、きっと皆一度は考えたことがあるだろう
「そりゃ身体に良いことはわかってるけど、”どのくらい”良いんだろ」
「子どもへの食事を気を付けてはいるけれど、成長して自分で選択するようになった時、すべて無駄になったりすんのかな~」
という問いに対して、私、自分の身体で証明できてるかも?!って。
「わたしだけ」ができる話、かもしれない話
私は産まれたときから、調味料から洗剤から米からお菓子から身近なものは大抵〈オーガニック〉で育ったけど、小学生くらいになるとあらゆる〈普通の食事〉が気になって仕方がなく、菓子パン食べてはお腹こわし、ファミレス行ってはお腹をこわしを繰り返していた。
大人になっても食べるのが好きだからと、あらゆるものでお腹も心も体調も壊したが店に戻り、〈オーガニック〉な食生活を改めて始めると、これが一番美味しくて、食べ飽きず、体調も店に戻って1,2年はとにかくすぐに調子を崩して休んだり、寝込んだりしていたのがだんだんと回数や度合いが収まっていったのを、身をもって体感している。
つまりは一定期間しっかりと安心安全な食生活で身体が作られていれば、一時的に乱れた食生活をしていても身体がなにかしらの体調不調や自律神経の乱れなどといった、<今のままじゃマズイぞ!>というわかりやすい警告を発してくれて、それに従っていくと身体はだんだんと健康な方に戻っていく。というか戻らざるを得ない、ということを体験している。
結婚する気も子どもを産む気もないので親の気持ちもわからないし、大きな病気まで至ったことがないので、そういう意味での必要性を迫られたり、同じ気持ちになったりすることはできないけれど、だからこそ、知識はないけど体験は詰まっているこの身体とともに、一から〈オーガニック〉やら〈健康〉にまつわることを勉強していくのをお伝えしてみても面白いんじゃないだろうか~~?!とね。
真澄屋にわざわざ来る理由を作りたい
わかる。聞こえてくる。店の客を増やす方法、遠回りじゃない?という声が。(自意識)
でも、うちのような小さな店は、大手には配送の速度も品ぞろえも価格もそんなに融通が利かない。配達も同様で。だけれど、それでも店が、実店舗があることの強みって何だろうなと考えたときにやっぱり人の繋がりなんだよなあって思うんです。
実店舗の良さって営業時間であればいつでも行ける事であり、人の家を尋ねるより気軽に行けて、気が向けばなんか話せて、いろんな人がそうやって話していく場だから思いがけず、必要とした情報が繋がったりする。
昔の商店街で行き交う縁のように。
家族・友達・職場の人以外にも、人にはもっと薄い縁があればあるだけ必要だと思っているし、それらの薄い縁を提供できる場所の一つとして真澄屋が回っていければいいなあって。
それらが真澄屋が今まで末永くお客さんに愛されてきて、そしてこれからも愛されて必要とされるための道なのかなと、心から真面目に考えているんだよなあ。
(ちなみに10年後くらい先には、建物を立て直して、3階建てとか4階建てにして、1階は今のように店とカフェ、2階はコンサートとか上映会などのイベントや人のたまり場になれるような場所、3階以降は老若男女のシェアハウスにしたいという、現状からは海賊王になるぐらいデカいな~~と思う夢を持っております)
だから、今までは看板として、人が行き交う基点として機能していたアチくん・マサちゃんから看板を受け継いだ身として、このブログをきっかけに真澄屋のことを知ってもらったり、私のことを知ってもらえるように。
店に来てもらえたり、勉強会やらを開いたりして人の輪を増やしていき、店兼いろんなひとのたまり場に、なっていけるように。
というのが今の目標でもあり、今後やりたいことにも地道に繋がっていく、と信じて、とりあえず、ぼんくら二代目の地団太を始めてみるわよ~~~
第一回は「自然食業界での教科書的一冊【家庭でできる自然療法】を読んでみた」です!
よろしくね~~
何かしらあればこちらでも
いついかなる時も何を書こうか悩んでおりますので、なにがしらの質問や読んでほしい本などあればなんでもどうぞ!という気持ちで、お題箱おいておきます。よろしくね
なんでもどうぞ (@masumiya_kabu) | お題箱 (odaibako.net)
◎八百屋真澄屋 日曜日ー金曜日10:00〜19:00
定休日 土曜日
◎百笑カフェおおきなかぶ 日曜日ー木曜日11:00〜15:00
定休日 金曜日、土曜日
〒270-0157
千葉県流山市平和台3-2-16
☎︎047-159-5328
✉︎masumiya.kabu@gmail.com
真澄屋(@msmy5328) • Instagram写真と動画