【cinema】トリュフォーの思春期
2017年70本目。午前十時の映画祭にて。
友達のお母さんに憧れを抱くパトリック。母と祖母に虐待を受けている転校生ジュリアン。警察署長の父を持つシルヴィー。(レストランに連れて行ってもらえない件が笑える)
10階から落ちても平気だった男の子グレゴリーなどなど。ティエールの町の人々を描いた群像劇。
最初の始まり方。「ここがフランスの真ん中です」という町から従兄弟ラウルへポストカードを送る女の子マルチーヌが出てくるところから始まる。ラウルの住むのがティエール。
おおよそ「思春期」と呼ぶにはまだ早かろう子たちが取り上げられている。もちろん、思春期の子もいるけども。そんな彼らはこまっしゃくれていて、大人びているけども、それがまた憎らしいほど可愛らしい。また、子供達だけではなく、大人たちの何気ない日常や会話が切り取られていたりする。
トリュフォー作品を全て見ているわけではないので、トリュフォー論を語れる身ではないのですが、彼の作品を見ると、いつも「原点回帰」という言葉が浮かびます。映画の内容が、と言うより、彼の「映画を愛でる眼差し」というものを感じるのです。登場人物一人ひとりに寄り添うとでも言うのか、温かさを感じる。「アメリカの夜」を見た時もそうでした。全然何気ないシーンだけれども、それがとても新鮮に感じられたり、瑞々しく思えるのは、彼の為せる業なんだなと。大ヒット作品や皆にウケる作品って、そういうのを忘れがちなんじゃないかなって。観客に媚びすぎず、自分のスタンスを貫きつつも、映画を愛する心を観る者が感じられる。そして、ホロリときてしまう。泣くところでもないのに、感極まって涙してしまう。トリュフォー作品って、いつもそんな感じだなと思います。
昔の映像や音響だからなのか、子どもたちの声が高らかで、より朗らかに聞こえる。気のせいかな。
さて。未だに1本書いては2本観るという生活を送っている私なので、書いても書いてもレビューがたまる一方。ってことで、サクッと次に行きたく思います。
何にしろフランソワ・トリュフォーはオススメです。古臭くなんて一切ありません。いつも新しい軽やかな風が吹いていて、あー、映画好きでよかったなって思わせられるそんな作品ばかりです。是非ご覧ください!
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