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薬の副作用を知ろう!「類天疱瘡(るいてんほうそう)」|糖尿病の薬と副作用

最近、ちょっと変わった薬の副作用に遭遇しましたので、私見を交え、誰かのお役に立てるよう記事にします。


🍀類天疱瘡


〝類天疱瘡〟聞きなれない病名ですが、皮膚疾患の一つです。

60代以降で発症することが多く、かゆみを伴う、赤い盛り上がった発疹や水疱が、体や手、口の中などにもできます。

自己免疫性(免疫異常)の疾患ですが、薬によっても発症することがあります。
非常に稀な疾患なので、立て続けにお二人の患者さんに遭遇し、驚いています。

お一人はパーキンソン病の合併症として、お一人は糖尿病の薬の副作用として発症しました。


🍀糖尿病の薬と類天疱瘡


類天疱瘡の発症に関連する薬としては、利尿剤や降圧薬、抗生剤などがありますが、近年糖尿病薬のDPP-4阻害剤という薬での報告が増えています。


DPP-4阻害剤は血糖値が上がった時だけ働く仕組みなので、低血糖になりにくく、体に負担をかけずに治療ができるため、糖尿病の治療薬の主流となっており、服用している方がとても多い薬です。

余談ですが、糖尿病の薬は、降圧薬(血圧を下げる薬)もそうですが、種類が豊富で、患者さんの症状、体質、状況に合わせて、選択肢がたくさんあります。
種類が多いのは、それだけ、体の中に血糖を上げる仕組み、血圧をあげる仕組みがたくさんあるということです。

血圧が下がること、血糖が下がることは本来生物が生きるためには致命傷となります。
極端ですが、血圧が0、血糖が0になったら死んでしまいます。
そこまで下がらなくても、ある程度下がるとショック症状になり、命が脅かされるのです。

そのため、体の至る所、様々な仕組みで、血圧を上げ、血糖を上げる用意があります。

アナフィラキシーという、急性の激しいアレルギー症状があります。薬だけではなく、食物でもよく起こりますが、新型コロナワクチンに関連して、良く耳にするようになりました。
アナフィラキシーの緊急時の応急処置として使用するアドレナリンの注射は、血圧を上げて、命の継続を確保する為の注射です。

逆に、血圧を上げる薬、血糖を上げる薬は、前述のような特別な注射などを除いて、ほとんどありません。
体にとって、血圧や血糖を下げる仕組みが不必要な為に、ほとんどないからです。


🍀DPP-4阻害剤の種類と仕組み


話を戻しますが、DPP-4阻害剤は、数ある糖尿病治療薬の内の一つです。

多くのメーカーの製品があり、グラクティブ(ジャヌビア)、エクア、トラゼンタ、ネシーナ、テネリア、スイニー、オングリザ、ザファテックという名前で出ています。


食事をすると、小腸からインクレチンというホルモンが分泌されて、インスリンの分泌を促します。その後DPP-4という分解酵素によってインクレチンは素早く分解されます。
この酵素の働きを抑えることによって、インスリンが長く残り、血糖が下がります。

前述したように、副作用が少なく、体への負担が少なく、様々な病状の方に使用できるため、大変よく使われている薬です。

類天疱瘡は、頻度は稀ですが、症状が出ると辛い上に、治療に時間がかかるため、重大な副作用の項目に載っています。
ただ、薬の副作用として発症した場合は軽症であることが多いので、治療による経過は良好です。

とは言っても、私の患者さんも、入院し、症状が治まるまで、しばらくステロイドによる治療を受けました。
症状が治まった今も、ステロイドを徐々に減らしながら、治療を継続中です。
治療終了まで、もう少しです。


この種の薬をお渡しする際には、皮膚の症状がないか確認をしていますが、実際に副作用を目にして、益々早期発見の為、兆候を見逃してはいけないと痛感しました。


🍀まとめ


♦自己免疫疾患による〝類天疱瘡〟という稀な皮膚疾患は、薬剤でも起きることがあります。
その中で、近年DPP-4阻害剤という糖尿病の薬で起こる事例が増えています。
起きる頻度は稀で、比較的軽症で済みます。

♦症状は、皮膚や口の中などにできる痒い水疱または、赤い丘疹です。

♦治療はステロイドが主で、かゆみを抑えるために抗アレルギー剤も使われます。


薬は、多くの人にとって、大変有益ですが、同時にリスクも常に付き物だということも忘れてはなりません。


あなたの健康と、日々の幸せが守られますように。


最後まで読んでいただきましてありがとうございました。

心から感謝を込めて.。❍〇💖



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