雨恋

「雨恋」

伸びた黒髪で素顔を隠し
きみの瞳に輝きがなくなって
明るい声に艶がなくなったとしても

もしも

きみが過去を憂い
小さな約束さえ守れず
肩をおとし背筋が歪がんだとしても

きみが夢を消し去って
予定していた目的地まで
1歩も踏み出せないでいるとしても

やがて

拡散したウイルスだって
大地へ戻ったように
雨が洗い流すから

きっと

崩れた積木を
重ねていくように
新しい日々がはじまるから

ぼくは
きみを
約束した場所で待っているよ

今は
きみがいるだけで
それだけでいいから