■円安を天の配剤と見るならば

円安が止めどない。
そのおかげで輸出産業は盛況のようだが、資源やエネルギーのほとんどを輸入で賄っている日本からすると、全体的に痛手だ。
マイナスの中にもをプラスを見つけようとするならば・・

ありがたい事に、訪日客にはリピーターが多いようで、それはつまりは日本に満足している証左だろう。
これまでも堅調だったインバウンド需要を、可能な限り拡大させ、日本体験を持つ海外勢の増加を保つ。
近年、中国・韓国での反日感情が収まってきているのは、ひとつには『日本を知る人が増えている』からであると思う。
(韓国に関しては『パラサイト』といった映画やBTS・NewJeansなどアーティストが世界的に評価される事で、「韓国には優れた文化がある」と、精神的な余裕ができている事も関係していると思う)
同様に、世界中に親日家が増えていく事は、安全保障や経済関係で日本と当事国との間に良好な関係の礎となると予想する。

もうひとつ、円安の効果を考えるなら、国内需要・自給率アップを促進へと舵を切らないだろうか、という点だ。

輸入製品もだが、何より資源、例えば鉱物などは都市鉱山のリサイクル率を徹底させ、全てを国内生産で賄うのは無理にしても、可能な限り海外からの輸入を抑える。
当初はリサイクルの方がコスト高になるとしても、こなれてくる事で、採算ラインに近づける事は可能であるし、そうでなくては将来の更なる円安や供給国の政情不安などに対応しきれず、供給が途絶えてしまう。

それを言うと、何より食糧自給率がその肝となる。
ウクライナ侵攻による、小麦の流入が滞ったように、円安や何か他国で事が起った時に、食糧の調達がままならなくなる。
どうして国内での離農者が多いのか、また就農希望者が二の足を踏んでいるのかといえば、作物を作っても作っても儲からないからだ。
安易に外国産の安価な穀物・作物を輸入するのではなく、その依存率を下げ、国内農業に力をつけさせる。
それこそが今の日本に一番必要な事ではないかと思う。

耕作放棄地を復活させ。
農業従事者の生活を安定させる。
有事の際に口に入れる食糧がない、という事態を防ぐ。

今回の円安を機会に、そのような方向へと針路を変えて欲しいと願っているのだが、自分の中のもうひとつの声は「円安を抜けたら、また安い海外資源・製品への依存が復活する。元の木阿弥さ・・」と囁いてもいる。
はてさて・・

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