水撫川 哲耶

長く京都に住んでいたので、関西弁装備です。

水撫川 哲耶

長く京都に住んでいたので、関西弁装備です。

マガジン

  • ■雑記帳・エッセイ的な・・?

    ■日々の小さなネタを拾って随筆しています

  • 称賛欲しがりおじさん

    男の内面の病理を扱った内容です。 女性向け。

  • ★小説・人とイルカの星

    カリフォルニアに住む少年マックスは、ひょんな事から隠者となった動物学の博士と出会い・・

  • ドリームダイバー

    上海に暮らす劉 永信は、収入も、将来の希望もないままに無為に日々を過ごしていた。ある時、ある機器、ある女性とに出会うまでは・・

  • マーティン・マックスフライの憂鬱

    小説です。 映画『バックトゥザフューチャー』のオマージュ作・・、というか別世界作、別エンディング作です。

最近の記事

  • 固定された記事

★01 海辺の研究所【小説 人とイルカの星】

「タッチ&ゴー」  スクールバスのタラップから玄関へと全力で駆け込んだマックスは、背中のリュックを素早くはずすと、それをキッチンへとつづく廊下の上にカーリングのストーンのようにすべらせた。  中身はいつもと同じ量の教科書、いつもと同じタイミング、同じ勢いで投げたので、それがテーブルの下に収まるのを確認する必要はなかった。  実際、マックスはリュックが手から離れるのと同時にきびすを返し、玄関を背に走り出していた。  後ろから母親の声がかかった。 「お待ちマックス!、ま

    • 映画館の座席指定

      自動券売機でチケット購入の際、座席指定が出来る。 その際、すでに2席・2席といった形で、埋まっている場合があり、「現時点では自分+4名が観劇するってコトだな・・」と思って、今日も劇場に入り、上映を待った。 しかし、最後の最後まで自分以外に席に着く者がいなかった。 過去にもそういったケースが何度かあったので、終劇し、コリドールを歩んでいる時に係員の方に聞いてみた。 「結局、僕だけだったんですケド、他の方はチケット購入したものの、劇場には来なかった、というコトなんですか?」 係

      • ■3秒以内に、5桁の数字を入力せよ!

        知床の観光船遭難事故で、船長と会社への罪が確定した。 先月、筆者は二級船舶免許の更新があり、講師から「あの事故により、免許取得のハードルが上がった」のだと説明を受けた。 しかしながら、筆者に言わせると、その措置は何の意味もないと思う。 車にしろ、船舶にしろ、事故の根源には飲酒がある。 免許取得時は、受験生はみな素面なので、試験を難しくしてもパスできる。 問題は、日頃の運転&操船の前に、アルコールを口にするかどうかであり、それは試験のハードルを上げる事では防げない。 そこで

        • 中国共産党と日本の地方自治体

          最近、中国の経済失速にからんだ動画が、手持ちのスマホのYouTubeに頻繁に流れて来る。 兼ねてからの『鬼城』に加え、利用者のほぼいない『幽霊駅』の動画もいくつか視聴した。 「これって、何かに似ているなぁ・・」と、しばし考えて思い至ったのは、日本の地方自治体が抱える『ゾンビ会社』ならぬ『ゾンビ施設』だ。 誰も来ない美術館、誰も来ない郷土資料館、観覧者の来ないライトアップされた橋、etc・・ 民間の、例えばファミレスやコンビニは、「ここに店舗を構えたら、黒字になる程の集客がある

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        ★01 海辺の研究所【小説 人とイルカの星】

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          6本
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        • ★小説・人とイルカの星
          1本
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        • 小説・短編&ショートショート
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        記事

          ドリームダイバー・02 妞妞 目覚める

          アラームでもなく、誰かのたてる物音でもなく、自然と目が覚めた。 自然と、といっても爽快な目覚めにはほど遠い。 時計に目をやると午後の2時。 喉の渇きを覚えて、部屋の隅にある棚の上の水差しからコップに移し、口を付けた。 ぬるい。 寝汗で、髪もシャツもぐっしょりと濡れている。 古くて小さな扇風機は、眠っている間もずっと点いているいたけれど、その弱々しい風はこの夏の暑さを払い切れないでした。 ボーッとした頭で、ただベッドに座り込んで時を過ごした。 どこからか、ラジオのニュースが聞こ

          ドリームダイバー・02 妞妞 目覚める

          ドリームダイバー・01 劉永信目覚める

          アラームでもなく、室友(ルームメイト)のたてる物音でもなく、自然と目が覚めた。 自然と、といっても爽快な目覚めにはほど遠い。 時計に目をやると午後の2時。 そして寒い。薄い掛布団を被り直した。 いつものようにソシャゲ『バイツァクリフ』に熱中し、また寝落ちしたようだ。どんよりと頭が重い。 PCは長時間入力がなかったので、オートでスリープしていた。 いつものパターンだ。 簡易ベッドから起き上がれぬまま、すぐ脇のサイドボードに手を伸ばし、昨夜の飲みかけの口の開いたペットボトルを手探

          ドリームダイバー・01 劉永信目覚める

          ■イカには自制心があるのか?・カズレーザーと学ぶを見て

          8月6日放映の『カズレーザーと学ぶ』において、イカには自制心があるのだと紹介されていた。筆者的に、ちょっと引っかかりがあったので、それについて考察を少し。 検索すると、その実験は以下のようなものだった。(イカだけに・・) 1.透明の水槽の一画を間仕切りし、片方をブースA、もう片方をブースBとする。 2.Aに冷凍エビを解凍したモノを設置する。(解凍エビはイカにとってあまり好ましい餌ではない) 3.解凍エビに手をつけないでいたなら、ブースBに新鮮なエビを投入する。こちらは

          ■イカには自制心があるのか?・カズレーザーと学ぶを見て

          ■『ヤバい』がヤバくなくなったのは、いつだ?

          初めてそれを聞いたのは、今から20年程前だった。 友人の女性と電話で話していた時、彼女が「アレ、ヤバいよねぇ」と発した。 『アレ』が何であったのか、何についての話をしていたのかは、もう憶えていない。 ただ・・ “あれ・・、彼女の言う「アレ、ヤバい」は「アレ、良いものだ」という意味で使ってる・・?” という印象が強く残っているだけだ。 そう、昔は『ヤバい』は、本当にヤバかった。つまり『危険な状況・良くない状態』として用いられていた。 それが今日では、むしろいい意味で使われて

          ■『ヤバい』がヤバくなくなったのは、いつだ?

          ■『五条大橋トラップ』・平安時代なら牛車だろ

          友人が、筆者が住まう京都に遊びに来た時の事。 夕飯を取るべく車で店まで向うがてら、車窓からでも見られる京都の名所もついでに見せようと五条大橋を渡った。 「ここが牛若丸と弁慶が初対面で決闘した五条大橋なんだよ」と橋を通過しつつ、そう説明した。 「へ~っ!、もっと小さな橋かと思っていた。こんなに大きいんだ!」 時代物のドラマで見る決闘シーンは、人2人がすれ違うことが出来る位の幅の狭い橋として描かれている。 友人がそう思ったのも無理はないだろう。 「いやいや、平安時代は車が走っ

          ■『五条大橋トラップ』・平安時代なら牛車だろ

          ■「先に手を出させろ!」・国家間の『正当防衛』

          最初におことわり、今回の記事はめっちゃ憶測で、何の責任も持てません。 イラン領内でハマス幹部ハニヤ氏が爆殺された件で、イランは「菅らずイスラエルに報復する」とコメントし、一方のイスラエルはこの件に関して、沈黙を貫いている。 そして4ヵ月前のイランから200数十のミサイルと無人ドローン攻撃は、ほぼ全て迎撃され、イスラエルの被害はないに等しい程の軽微。 ここからが筆者の憶測だが、イスラエル首脳部はこう考えた。 「イランの手の内、つまりミサイル&ドローン攻撃が我が国に被害を

          ■「先に手を出させろ!」・国家間の『正当防衛』

          ドリームダイバー・00 プロローグ

          着水した直後から。ゴムボートは波に大きく揺らいだ。 馬 拉雲は、甲板の隊員にフックを外した旨をハンドサインで示し、ワイヤーは上へと巻き上げられていった。 馬拉雲の視界には、宙へ昇るワイヤーの脇、舷に記された『中國海警局』の大きな文字が映った。 この角度からその文字を見るのは、初めてだ。 対面に座る水兵長は、宙に吊られた時から青い顔をし、そして今、ボートが波に大きく揺らぐ最中も、それがずっと続いている。 その怯えっぷりが、馬拉雲には痛快だった。 この小さなゴムボートとは違う、3

          ドリームダイバー・00 プロローグ

          ■呪いとか祟りとか・将門の首塚

          霊感・・というモノが全くないし、幽霊も見た事はない。 しかし、過去に一度だけそれに近い体験をした事があった。 東京は世田谷に住んでいた頃、友人と2人で「東京らしい所を観光してみよう」と千代田区・大手町の将門塚を訪れた。 豪族であった平将門が朝廷に反旗を翻すも失敗、斬首された首が京都から関東までを飛行し、その首が着地した地に怨霊を鎮める為の塚が築かれた。 過去、何度かこの塚を撤去し、何らかの建物を建てようとすると関係者の不審死が相次ぐ・・という理由から、現代になっても手付か

          ■呪いとか祟りとか・将門の首塚

          ■称賛欲しがりおじさん・第5章 あらゆるモノにダメ出しせよ

          精神の寄生虫に棲み付かれ、劣等感に目を背けながら人生を送るようになってしまった男性・・ その歪んだ想いがが外面に向かった時に、称賛を求める行動となって発露する。 ある意味、『自分教』という自身が教祖であり、同時に信者である、そんな宗教が内面に作り上げられるようなものだ。 そして、常に頭の中ではマウントを仕掛けている。 例えば、こんな感じだ。 前を走っている車のブレーキランプが点灯したとする。 “このゆるやかな下りの坂道で、前の車はブレーキを踏んだ。でもオレはエンジンブレー

          ■称賛欲しがりおじさん・第5章 あらゆるモノにダメ出しせよ

          ■称賛欲しがりおじさん・第4章 オレは特別な存在

          3章では男性の強さへの執着を記したが、強さとほぼ同時に男が妄執する想いがある。 それが『オレは特別な存在』という妄想だ。 再び、筆者の好きな銭湯の話をしよう。 もう何度も経験し、学んでいる事なので、よっぽど腰を低くしてこの言葉をかけるように気を付けている。 それは「あの、すいませんが湯船にタオルを浸(つ)けないようにお願い出来ますか?、あそこにもそう書いてありますし・・」という声掛けだ。 相手が若年だと気が楽だ。 彼らは「あ、すいません」という言葉と共に、すぐに改めてくれる

          ■称賛欲しがりおじさん・第4章 オレは特別な存在

          ■称賛欲しがりおじさん・3章 オレは最強ヒーロー

          「生まれてこのかた、弱い女と強い男に会った事がないわよ」という美輪明宏さんの名言が喝破している通り、男(男子)は根っから弱い。 遭難現場で生き残るのは女性の方が多いのだという。 男性の方が血肉や体の熱量は多いはずだが、それでも命を落とすのは、やはり気力・精神力が先に尽きてしまうからなのだろう。 1章で記したように、筆者は小学校で、遊びたいという衝動が内面に生まれたら、それをおさえられない男子たち、プレゼン発表を蚊の鳴くような声でしか出来ない男子たち、つまり彼らの『弱さ』・

          ■称賛欲しがりおじさん・3章 オレは最強ヒーロー

          ■称賛欲しがりおじさん・2章 その萌芽はいつから?

          かなりの割合の男達が『称賛欲しがりおじさん』になってしまっている。 では、その萌芽は一体いつ芽生えるのだろうか? 職員室に入れねばならない時、女子生徒はスッとドアを開けられるが、男子は「お前が先に入れよぉ」などと一番手を押し付け合ったりする。 職員室での用事を終えたその直後、男子の頭の中で“ああ・・、オレって度胸がないダメな男だなぁ・・”とそう感じた直後、『別の何か』が脳内でささやく。 “そんな事はないぞ。お前はスゴい。偉大だ”と。 そうやって、情けない自分を否定して(誤魔

          ■称賛欲しがりおじさん・2章 その萌芽はいつから?