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イタリア人の文字は謎解き

■50%読めれば、あとはなぞなぞで解決

ラザニアのレシピが読めない。

義理の姉が作るラザニアが超絶うまいので、レシピを送ってもらったが、読めない。読めないのでタイピングしてくれと頼んだら、彼女の息子からwhatsup テキストで丁寧にレシピが届いた。

あーようやくラザニア作れるぞ!しかもBuone!

滞在許可証発行のために付与された番号が読めない。

てか、公文書くらい手書きじゃなくて印刷しておくれ。この滞在許可証、イタリアの場合は滞在先の県警から発行されるのだけれど、まあ〜〜時間がかかる。申請アポを取るのに3時間、アポの時間に間に合うように行ったところで、実際呼ばれるのはその1時間後。指紋採取担当おっちゃんの呼び出しまでまた1時間。発行まで60日と言われたのに、オンラインでステイタス確認しても、いつまで経っても発行されない。

で、このときに必要なのが、先述の手書きの番号。何回タイプしても「そんなの存在しない」とユーザーアンフレンドリー極まりない画面に言われるので、義母に読んでもらったら3回目のトライでヒット!えぇ、存在してました。

イタリア人同士でも読めないって、世の中どう動いてんだアモーレの国よ。

最終的にはこの厄介すぎる許可証、3ヶ月後に発行された。それならまだまだマシなほうで…この話は、長くなるからまた別の記事で。

夫のメモが読めない。

買い物を頼まれても、何がほしいのかわからない。さすがに10年寄りそう夫、そのうちにnはMに変換、9と7は逆にしてみたらいいかも、という感覚が’私に’身についてくるので、guessがうまく働くようになった。

夫のPrivate health insurance の生年月日が、間違って届く。

夫が手書きで記入して送った内容を、オペレーターが間違って入力した模様だが、私は彼らにかなりのシンパシーを覚えた。だって数字ですら、なぞなぞの世界。

■ひらがなドリルの赤ペンの功罪

何度言っても、彼のハンドライティングは一向に上手く(読める程度に)ならないので、これはもう小児教育の代物だと思われる。

そう言えば、こんな話を思い出した。

友人のこどもが小学1年生。ひらがなドリルで読めるひらがなを書いているのに、先生はアカペンで「下の薄いグレーのお手本をきれいになぞりましょう」的な赤入れをする。それって、こどものやる気を削ぐだけではないか?という話。

実際、世の中に出てから「相手が読めれば」成り立つコミュニケーション手段であるから、核心を突くなら小学生であれ中学生であれ、先生が読めるなら赤入れしなくていい。それでも強いて名付けるならば「きれいさ、丁寧さを追求してくるアカペン」は、実は有り難い指導なのかもしれん、とイタリア人の文字を見て、ふに落ちた瞬間。

■ひらがな、漢字は美しい造形

小学中学と師事した書道のおじーちゃん先生、めちゃくちゃ厳しくて、毎週2回の教室では朱色まるけの添削だったけど、不思議と嫌で辞めようと思ったことがなかった。

もともと私は文字を書くこと自体が苦でない性分だが、日本語の美しさって、大多数の日本人が「誰にでも読める整った字」を几帳面に継承し続けているが故に、担保されているものなのかもしれない。だって、読めないほど字がめちゃくちゃ汚い日本人てあんまり会ったことがない。

上海に住んでいたときにも感じたが、中国人は総じて字がうまい!美しい。語学学校の先生をはじめ、アパートのオーナーのおじさん、街中の市場で書かれた文字。みな達筆。

毎週お掃除に来てくれた60代のおばさんは、読み書きができない世代だった。学校に通えなかったどうしょうもなく不運な時代があったから。それでも、中国語会話がままならなかった私とは、漢字で筆談して、お互いなんとか通じ合った。彼女が書けるほんの少しの文字も、きれいだった。

書道、カリグラフィーという共通の文化を持つ私たちには、整った文字への審美眼がある。

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◆今日の使ってみたい英語フレーズ◆

You need to apply for a permanent residence permit. 

長期滞在許可証を申請する必要がある。

英国の場合には、a permanent residence document または、a permanent residence card  と呼ばれていて、大量の書類準備に加えて指紋の提出などが求められる。

滞在許可証の取得には、どこの国でも泣けるほどの疲弊が待ち受けている。イタリア、中国の体験記もいつかアップしたいと思う。