ECの現場において必須!「CSV」の知識と扱い時の注意点
お疲れ様です。
今回こちらの記事では、2007年頃からECの現場でお仕事をしている経験から、ECの現場でフツー以上に活躍したいなら絶対必須の「CSVファイル」の知識や取り扱う際の注意点をまとめておきます。
何度かお読みいただき、基礎的な知識をつけた上でECの現場で働くのとそうでないのとでは、致命的なミスが発生する確率が確実に下がるでしょうし、作業効率もよくなり、残業時間も少なからず減るでしょう。
大事なことなのでもう一度・・・
残業時間も少なからz(そっちじゃないだろ)もとい、
致命的なミス発生率が確実に減らせます!
しっかりと身につけていただければと思い、
苦い経験を踏まえながら心を込めて書きますので是非お読み下さい。
CSVってExcelじゃないの?
これ、本当によくある間違いなんですが、
CSVをExcelの一部?だと思っている方が結構いらっしゃいます。
リテラシー低めの上司さんから、
「背景を黄色に塗っている部分を再度確認して欲しい」
というチャットに添付されて送られてきたのがCSVファイルだった、
なんていうあるあるもあったり。(実話)
CSV=comma separated values
ほんと、ググったら分かることを調べようとしない人も多いもので。
CSVは「comma separated values」の略で、つまり
「カンマ(コンマ)で分けられた値」という意味です。
Excelがこのファイル形式のデータに対応しており、開くとまるで元々エクセル(Excelではなく「エクセル」)だったかのように表形式で閲覧でき、
多くの場合、Excelのアイコンでファイル名が表示されます。
そのためか多数の「CSV=Excel」という勘違いを生むんですが、
これはExcelやMicrosoftの落ち度ではありませんw
僕もそうでしたが、CSVをExcelで開いて数式だセルの色だ追加してCSVのまま保存し、再度開いて「あれ?なんで?」と疑問をもって調べて「CSVとは」を学ぶ人が殆どでしょう。
メモ帳などで開くと分かるんですが、
値が確かにカンマで区切られて、改行されるところで行が変わっているのが特徴です。こういうデータ形式のファイルなので、色などの書式情報が含まれることがないんですね。
必要最低限のシンプルなデータ形式
そんなシンプルなデータファイルだからこそ、プラットフォーム間でデータのやり取りをするのに便利であり、ECのプラットフォームでもよく採用されているというわけです。
そしておそらく上記のような混同が多くてトラブルにつながりやすいためか、Amazonでは「商品情報のアップロード時」はCSVではなくxlsmファイル(マクロ有効のExcelファイル)を使用させています。豆知識です。
※かといってCSVの扱い方を知らなくて良い理由にはならない!
ECの現場で扱われるCSVファイル
ここまでで、僕が知っている「CSVとは」をほぼ全てお伝えしました。
ここからは、
こんな記事を書く必要性がある程、
ECの現場においての注意点は何か。
つまり、冒頭に出てきた
「致命的なミス」とは何か、その予防策は何か。
という「本題」に入っていきます。
どんなファイルを扱うのか
ECの現場でよく使うCSVファイルは、
・商品データ
・注文データ
・顧客データ
に大別されます。
それぞれ、楽天などのプラットフォームからダウンロードしたり、
ネクストエンジンなどの管理サービスからダウンロードする、
もしくはアップロードする際に用いられます。
店舗担当者さんであれば、商品データCSVを利用して、
ポイント変倍率をや商品名、価格、商品詳細などの商品情報を一括で編集できるため大変便利なものです。逆にこれができないと取り扱い商品点数によっては商品情報編集を行うだけで膨大な時間がかかります。
注文データや顧客データに関しては、先のネクストエンジンなどから分析のために抽出することが多いかと思います。
いずれの場合においても、下記でご説明する「あるある」なミスを防ぐためにも、僕が新人さんに対処法として守ってもらってるルーチンがあります。
重要なので先にご紹介しておきます。
CSV編集をする前の鉄則
1:デスクトップに「CSV」という名前のフォルダを作る。
2:下層ディレクトリに「20230921」など「作業を行う日付」のフォルダを作る。
3:更に下層に「元データ」というフォルダを作り、ダウンロードしたCSVはまずそこに格納する。
4:「元データ」内のCSVをコピーして、上層つまり「作業を行う日付」フォルダ内に貼り付けて、「20230921_1_point」など、作業する順番と内容が把握できるようにファイル名を変える。
商品データCSVあるあると注意点
「えー、めんどくさいルーチン」と思ったそこのあなた。
これすらルーチン化していないと、マジで痛い目見ます。
ファイルをアップロードするプラットフォームは、
いつアップロードしたファイル、などと記憶して保管してくれません。
セール前に複数商品の修正を複数回おこなってCSVアップロードする際などは、普段からファイル管理がずさんだといつどの項目を修正したのかが分からなくなります。例えば、
元データどれだっけ問題
商品情報を一括で更新するためにCSVを落とした。
100商品ほど一括で更新して保存し、アップロードした。
ありゃ、編集しなくていい商品までやってるな。一部だけ元に戻そう。
あれ?編集した後のCSVしか残ってない・・・!
元に戻す商品の元の値ってどんなんだっけ・・・?
これはECの現場初心者さんでも、ベテランさんでも慌てていればやらかしてしまうミスの定番です。
JANコードツルツル問題
日本で流通している商品の多くには13桁の番号が割り振られ、その番号がすぐ読み取れるようにバーコードがつけられています。
この13桁の番号を「JANコード(ジャンコード)」といいます。
これがExcelやらCSVやらでは「わるさ」をするんです。
とくにCSVファイルをExcelで開いた際はもれなくJANコードは
「4.●●●E+12」という「指数」で表示されちゃいます。
いつもこれを「列選択」して
書式を「数値」に変えて正常な「JANコード」に戻してから編集するんですが、これを忘れてそのままCSVで保存すると・・・
次にファイルを開いた時も、その通り「4.●●●E+12」と表示されます。
ところがこのタイミングで書式を「数値」に変えると、
全ての「4.●●●E+12」が「4●●●●●0000000」と、下7桁が全てゼロになっちゃうんです。
ゾッとしてファイルを閉じても時すでに時間切れ。保存してしまったCSVには、「4.●●●E+12」という指数しか残っていません。
恐怖のJANコードツルツル問題です・・・(ギャー!!)
これも僕のやらかした実話ですが、フォルダを作って管理することをルーチン化できていたので慌てず対処できました。
これを防ぐには、
・毎回JANだけ数値に書式変換してからCSVを編集する。
・Googleスプレッドシートで編集する。
という方法がありますが、いずれにせよ、うっかり「Ctrl+S」を押してしまわぬうちに、上記の対処法をルーチン化しておくことが最適解になります。
カラーコード変わっちゃう問題
複数のカラー展開がある商品などで、
色名を「01.イエロー」などと付けている場合は要注意!
CSVをExcelで開く際は、「頭の0は消える」と思って下さい。
つまり「01.イエロー」はエクセルで開くと「1.イエロー」にいつの間にか変身してしまいます。そしてそれをCSVで保存すると、
当然素直に「1.イエロー」で登録されてしまいます。
そのまま放置しておくと、システム側で管理していない「1.イエロー」という商品コードで注文が入り、そんな商品はないのでエラーが発生する。
これも僕のやらかし経験談です。
ただこれはExcelで開いちゃったらその時点で勝手に0が消えるために対処法が複雑です。
・そもそもExcelで開かず、CSVエディタで開く
CSVエディタというのは、Excelのような
「CSV編集にも対応しているアプリケーション」ではなく
「CSV編集に特化したアプリケーション」です。
なのでJANが指数表示ではなく、
「JANコードツルツル問題」も「頭の0消える問題」も起きません。
が、数式などが使えず編集し辛い場合がありますので、
Googleスプレッドシートで編集するのもいいですし、
一番いいのは、そもそもカラーコードなどを0から始まらないようにすることですね。
顧客データ&注文データCSVの注意点
注文データは受注処理の際、
どの商品を誰にいくつ発送するかという情報を出荷担当さんに伝えるのに使うことがあります。
システムが出してくれる納品書がある場合はその方が便利な場合もありますが、商品ごとのピッキングリストを作るときに使うこともあります。
個人情報は厳重管理が必須
上記のような商品情報ももちろん重要ですが、
最大限気をつけないといけないのが個人情報です。
顧客名、郵便番号、住所、電話番号など、注文データや顧客データには個人情報がこれでもかと含まれています。
頻繁にダウンロードするのであれば、ダウンロードしたデータは毎日確実に削除するなど、漏洩対策を確実に行う必要があります。
こちらも「あるある」がある
顧客データCSVのあるあるは、特にシステムの乗り換えやシステムのトラブル時に発生します。
システムを乗り換える際、顧客情報も一緒に引っ越さないと、店舗にとってリピーターさんなのにシステム上はご新規という扱いになるため、CSVで顧客情報を移動させることが殆どです。
この時に不用意にExcelで開いてしまうと、先程の「カラーコード変わっちゃう問題」と同じ理由で、「郵便番号」や「電話番号」の頭の0が消えてしまいますので要注意。
乗り換えなくとも、システムメンテナンスやトラブルによるシステムダウンなどで、顧客情報を一度ダウンロードしてアップロードし直す・・・みたいなウソみたいなシチュエーションも経験があります。この時にも、0が消えちゃって面倒な思いをすることがありますから、よーく覚えておいて下さい。
まとめ
それでは簡単にまとめておきます。
CSVは、
Excelじゃなくて”comma separated values”
Excelで開く時は指数や頭の0に注意
普段からファイル管理に充分注意が必要
ドジっ子あわてんぼうには触らせない!
以上を踏まえ、
ECの担当者としてのミスなく平穏で
残業少なめなお仕事ライフをお送り下さいませ!