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実家の本棚と。

文学部の学部生だったあるとき「実家に本棚とか本がない気持ちってどんな感じなの?」と友人に聞かれました。
それまで実家の本棚について考えたことがなく、家に本がないなら図書館で借ればいいと思っていました。負け惜しみのような気持ちだったかもしれません。
その頃の私といえば本は年に5冊読めば良い方でした。

でも、幼少期、家に本棚があるとないとじゃその後の読書量が違うだろう、と自分の本棚を持つようになってから感じます。生涯読む量や、好む本の種類など、幼少期だからこそ自然に触れられる文章があって。

私は3歳くらいで漫画もよく読んでおり、漢字も簡単なものは漫画を読むために覚えました。でも、家には書籍の類は小さい頃に読んでもらった絵本以外にはなく、他に文字といえば、野球ファンの父のとる新聞と姉の部屋の少女漫画やライトノベル、母親の料理本と漫画くらいでした。

自分の本棚を持つようになったのは自分で年間100冊の本を読むと決め、一冊100円の古本を机の上に並べ始めて半年ほど経った時のことだと思います。
10年経って、その棚を見返すと、自分の考え方や趣味趣向がわかってしまう気がして、他人に見せるのが気恥ずかしくなりました。

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