オーダーメイドの難しさ
洗える和紙のお皿作ってます。
今回 「和紙らしい 和紙のお皿を 作ってください」という近所のお寿司屋さんからのオーダーを承りまして、3か月くらいいろいろ悩みました。
結局、出来上がったのは とてもシンプルな上記の写真のようなお皿です。気に入ってもらえるといいんだけどね。
オーダーメイドのときは 先様の希望をお伺いして、試作品を作って、話を進めていきます。
その時のコミュニケーションがすごく大変。お客様の頭の中の映像が見えるわけでもないし、案外、漠然としてるので なかなか イメージに行き当たらない。
今回も いろんな実験 和紙らしいって何だろうと 考え続けたり途中でちょっと投げ出したり 失敗の連続で(いつものことだけど)凹んじゃったり
ただ その失敗の中で 生まれてくるものも あって
ここらあたりの染めのお皿が 今回の副産物。
和紙を染めて 揉むという作業の中で生まれた模様。
自分では気に入ってます。
ものつくりをしているとき どうしても 過去の成功体験から得られたものを 繰り返し作るようになりがちなので マンネリ化したり 作り手のほうが飽きてきちゃったり ・・・ かといって やみくもに新しいものを追求しすぎるのもいい結果にならない。
表具(屏風つくり)の 修業時代に 師匠から 「センスのいいお客様の注文に 答えることが 職人の腕を上げる」 と 言われたことがあって 四半世紀の時を経てようやくその本意が 理解できるようになってきました。
そういう意味で オーダー を くださるというのは 刺激的で うまくいけばいろいろ 新しい風が 自分の感性の中に入ってくるので タイヘンなことも多いけど いいこともあるなぁ~ と思ってます。
作家さんの中には オーダーメイドは 受けない という人もいて 印象に残っているエピソードは 陶芸家の友人だけど
「オーダーメードは 気に入ったように作るのが あまりにも難しいので受けても 忘れたふりをしておく・・・で、そのうち 本当に忘れちゃう」
人からものを頼まれて 断るときには結構エネルギーがいるし うまく断る理由を説明することも 難しいよね。 忘れたふりをして 結局忘れちゃう っていう ゆる~い とぼけかた できる人はいいよね~ と 思う。
今回は オーダーメイドについての雑感でした。
梅田剛嗣