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『世界標準の経営理論』は、やっぱりすごい本なので厚さにめげずにチャレンジしてほしい【読書レビュ】
世界標準の経営理論
入山章栄
800ページ超、60万字超、という、写真でお見せした人には伝わると思うが、まさに『辞書』のような本。 すごい本でした。
「世界標準」と判断してよい30程度の経営理論(メインは32章)を「経済学ディシプリン」「マクロ心理学ディシプリン」「ミクロ心理学ディシプリン」「社会学ディシプリン」の4つの体系に整理し、『「世界で標準となっている経営理論」を可能な限り網羅・体系的に、そしてわかりやすくまとめて皆さんに紹介する、世界初の書籍である。』(本書はじめの2行)
いや、すごい本でした。辞書のような本、と書いたが、そうだね、辞書だね、と思って意識して、辞書のように今後何年もこの本にも戻ってきたり、参考文献も探してみたり、そうした『使う本』にしていくのがいいんだなぁと思いながら読み切りました。 当然俯瞰的に記載を行っているため、それぞれの章においては専門の本のほうが詳しいわけで、でもそんな中で、2020年現在での理論の状況をわかりやすく補足してくださり、さらに今後出てくる(実証が期待される)方向性を提示してくださったり、入山先生ならではの見解も章末に記載してくださっているところが、ほんとに今後長い付き合いになる本なんだろうな、と思いました。
個人的には、いくつか20年かけて読んできたビジネス本たちが、あぁこういう位置づけになるのね、と気づかせてもらったり(特に野中先生部分およびEQリーダシップ他)、また自分の生き方にも強いインパクトをあたえてくださっている社会起業家の方々(フローレンス駒崎さんやマザーハウスの山口さん、(働きながら、社会を変える。の)慎泰俊さん)が紹介されていたところもなんかほっとした。
そんな中での超個人的なところの引用としては、自分が大事にしている価値観が入山先生の「知の探索」「知の深化」の真骨頂の部分に記載されていた箇所を抜粋したい。(ほんとはこんなにいい本だからあとがきから抜粋すべきだとは思うが…)
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P244
知の探索・深化の理論に基づけば、ダイバーシティの本質は、知の探索を促すためにある。 だとすれば、先のように「一つの組織に多様な人がいる」(=組織ダイバーシティ)ことも重要だが、「一人の人間が多様な、幅広い知見や経験を持っている」のなら、その人の中で離れた知と知の組み合わせが進み、新しい知が創造できるのだ。 これを経営学ではイントラパーソナル・ダイバーシティ(intrapersonal diversity)と呼ぶ。「個人内多様性」という意味だ。筆者は「一人ダイバーシティ」と呼んでいる。ダイバーシティは、一人でもできるのだ。これが、個人レベルの知の探索である。
イントラパーソナル・ダイバーシティという言葉は、初めて知った方も多いだろう。それもそのはずで、ここ10数年くらいの間で、経営学で注目されている新しい概念だからだ。 近年は実証研究が進んできており、そして多くの研究で「イントラパーソナル・ダイバーシティが高い人は様々な側面でパフォーマンスが高い」という結果が得られている。
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ブクログもこちらに。
そんなに毎日ずっと新しい本を読み続けられるわけでもないので、これまで読んだ本レビュを順次こちらにあげていくことをお許しください。。