見出し画像

『探求型読書』という新しい概念を体験し、一部は自分ですでにやっていたし共感できた。【読書レビュ】

少しご無沙汰になってしまいました、オオハシです。 都合により読書がここ数週間進んでいなくて(都合というのはこの投稿一つ前の投稿が影響しています)ひさしぶりに読書レビュをアップします。 今回は目的があって購入した本ではなくて、レジで並んでいる際に「私を買って!」と本が主張してきた・本に呼ばれたから買った本です。(ぼくは良かったと思ったのですが、ブクログのレビュの評価は賛否わかれていたので、それこそ読み方の違いもあるのかも)  軽い本なので一日で読めちゃいますが、すごく勉強になったです。それではいってみましょう。

探求型読書 

編集工学研究所 著
2020年8月の本

書店(丸善)にてレジに並んでいる際に目につくところに展示されていて、本好きの興味をくすぐるタイトルとデザイン、そして帯、と、いわゆる「本が私を呼んでいる!」という状態にさせられて購入した本。 いやこれはすごかったおもしろかった。おもしろいというか興味深いというか、いわゆる「いとをかし」なニュアンスというか、すごい本だなと思った。さらに言うとたぶんなんどもなんどもの試行錯誤でここまでのフレームワークにそぎ落とされてきたんだな、というか「著者の思考モデルを借り、短時間で高速に情報編集する全く新しい読書法」と帯にあるとおり、フレームワーク化がされていて、それを企業研修にまで展開しているんだから本当にすごいなと思いました。


僕も本好きなので「読前・読中・読後」や「著者の思考モデルを借りる」や「仮説的に進む」というところは、なんとなく確かに自分がビジネス書を読むときに図らずもやってきたことが、こうしたフレームワークとして体系化されると、うーーん「編集工学研究所」というところは、すごい組織なんだな、と自らの感度の低さに恥ずかしくなりつつも、また新たな良本に出会えてよかったな、と思いました。 
情報は着替えをします」「情報の地と図の見方を変える」など、ほんとナルホド!と腹落ちする思考法など、ものすごくシンプルに記載されていて、さきほども書いたけれど、そぎ落とされた感がすごい。
おわりに、には、「両利きの経営」の「知の深化」「知の探索」の件も出ていましたしね。(余談だが『両利きの経営』は2020年のビジネス書大賞の特別賞になったらしい)


今回は感銘を受けたポイントもありますが、そもそも本の紹介も兼ねての抜粋とします。
オススメです。
=======
P19 「企業や地域のブランディング戦略を支援する」「場のコンセプトを体現したライブラリー空間を設計する」「企業の理念やビジョンを再構築する」といった仕事はすべて、私たちにとっては「情報を編集する」という本質的な仕事の発展系であり、応用型なのです。そして、私たちは、このような日々の仕事のために、情報編集という事象を理論化し、誰でも使える方法の体系として整理をしました。それが編集工学です

P28  もっとも基本的な「編集の型」として、「情報の地と図」という見方があります。情報というものは、必ず何かの「地」にのっていて、「図」として現れている事柄を私たちは認識している、という見方です。
 (中略)ここで「想起したもの」が「図」の情報で、「想起する背景に(無自覚)におかれているもの」が「地」の情報ということになります。そしてもうおわかりのように、「地」が変わると「図」が変わります。
 私たちはたいていある側面からしか情報を捉えていません。無自覚に設定された「地」の上で、固定化された「図」を認識していることがほとんどです。「情報の地と図」という構造に意識的になり、意図をもって「地」を切り替えていくことで、「図」としての情報はどんどん動いていきます。発想力が豊かな人というのは、この「地」の切り替えを常に起こせる人であるとも言えます。
 つまり、「情報の地と図」という「編集の型」は、ある情報を、それが寄って立つ背景にあたる「地」と、その背景の上で認識される図柄である「図」に分けて見てみるという考え方なのです。 「地」と「図」の関係は、情報の「文脈」と「意味」とも言い換えられます。

P34 探索型読書は、物事を深く思考したり、自分なりの考え方を組み立てたり、問題を追及し続けるための「手段としての読書」です。
 「本の内容を余さず理解しながら読み通すこと」を読書の目的とするのではなく、自分の思考を縦横無尽に展開させることを目的に本を活用すること、「本を読む」ことそのものより、「本を手掛かりにして、考えること」を推奨するメソッドです。

P82 ここまでの「読後」のステップでは、本の内容に関する仮説を検証して自分なりの問題意識を可視化し、関連する世界、隣接する分野への関心領域の拡大を行いました。最後はこれらのアクションで得られたすべての「情報」を「自分ゴト」のレベルにまで落とし込んでみましょう。本から得た情報、ものの見方、本を読む過程で発見した疑問や意見、事実―。 これらをこれから自分の人生でどのように生み出せるかを考えてみてください。仕事に直接生かせるかもしれないし、今、書いている論文の執筆に役立つかもしれません。あるいは、すぐに何かつながりそうになくても、心に留めておきたい気づきやメッセージもあるでしょう。読みっぱなしにせずに「読後」のひと手間をかけることで、その一冊との出会いはさらに価値のあるものになるはずです。

P134 日本人が得意な、気配を感じたり、相手を尊重したりするような想像力に加えて、「自分はこう思う」という持論や軸を持てるようになると素晴らしいと思います。そのためには、「この人はこう言ってるけど、自分はどう考える?」という問いを立てる力が必要で、それにはやっぱり自分への信頼がベースにある。しっかりとした自分軸を育みながら人と繋がっていく柔らかさを、日本人は上手に使いこなすことができるように思います。探求型読書は、そこを育める方法論ですよね。

P185 探求型読書は、この「仮説する想像力」が読者の側にいかんなく立ち上がるようにプログラムされています。著者の観点を借りて、自分の考えを仮置きして、「仮どめ状態」のままに本を進める中で、自分でも想定していなかったような光景に度々出くわすことになります。その驚きと発見こそが探求型読書の醍醐味です。
=======

いつものブクログもリンクしておきます。 最後まで読んでいただきありがとうございます。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?