コーヒークラス体験記【コーヒーは科学】
京都二条城の南にある小さなカフェ「オルト・コーヒーロースターズ」にて、コーヒーの朝活をすると言うので参加して来ました!
ハンドドリップで悩んでいたことがスッキリと解決できそうで、めちゃくちゃ参考になりました。
以前から、「スペシャルティコーヒー豆本来の華やかな酸味を上手に引き出しつつ、それを甘みでしっかりと包んであげるにはどうすれば良いか」とか、「『紅茶は好きだがコーヒーは苦手』と言う方に合わせてコーヒーを抽出するにはどうすれば良いか」といった課題を抱えていたのですが、今回の朝活でそれらが解決できる糸口を見つけることができたと思います。
こんにちは!多拠点コ・シェアリングサービスADDressを利用して旅をしているつよぽんです。
コーヒー沼にハマり、旅先にハンドドリップコーヒー器具とコーヒー豆を持参して毎日ハンドドリップに励んでいます。
ADDress珈琲部の部活動として、スペシャルティコーヒー専門店の紹介をしています。
オルトコーヒーロースターズ
オルトコーヒーロースターズは京都二条城の南側にある小さなコーヒー屋さんです。スペシャルティコーヒーの浅煎り焙煎専門店です。
以前、オルトコーヒーロースターズ訪問時のブログを書きましたので詳しく知りたい方はそちらを見てください。
※以下、「オルトコーヒー」と記述します。
コーヒークラスとは
コーヒークラスとはオルトコーヒーの朝活のことで、色々なイベントがあるようです。
今回参加させていただいたコーヒークラスは以下になります。
講師は栄養士で焙煎士の中村千尋さん。
オルトコーヒーのInstagramから引用:
●4/29 9:30-11:00 コーヒーの科学
コーヒーは少し淹れ方を変えるだけで全然違います。
お家で美味しく淹れる為のテクニックを科学的なアプローチから一緒に挑戦してみましょう♪
コーヒーの抽出方式は大きく二つ
コーヒーの抽出方式は大きく二つに分類されるそうです。なぜこれを学んでおく必要があるかというと、この二つの方式を理解しておくことで、コーヒー器具による味の違いがなぜ発生するのかを理解するのに役立つからです。
それが、
・透過法(ハンドドリップ、エスプレッソなど)
→コーヒーの粉にお湯を注ぎ、濾過(ろか)する方法
・浸漬法(フレンチプレス、水出しコーヒーなど)
→コーヒーの粉を一定時間お湯に浸した後、粉と液体を分離させる方法
(※オルトコーヒーのコーヒークラスのテキストより引用)
特徴としては、
・透過法は表現したい味の自由度が高い。技術次第で味が変化する。
・浸漬法は技術があまりなくても一定の味を表現できる。
この違いを物理的に抑えることが重要とのことでした。
例えば、ドリッパーの形状の違い、なぜその形になっているのか?についても理解が少し深まりました。
左: HARIO V60(オルトコーヒーさんの)、右:ORIGAMI(私の)
これらはどちらも「透過法」によりコーヒーを抽出するためのドリッパーになります。
特徴は両方とも、コーヒーが速く落ちるように作られています。
・リブがついていてフィルターとドリッパーの間に抽出されたコーヒーの流路がある。
・ドリッパーの穴が大きい。
・コーヒーが比較的速く落ちるように作られているため、ハンドドリップ時のお湯を落とす量(=流速)をコントロールすることで、コーヒーの味を調整しやすい。
リブとは、溝のことです。滑らかに連続した窪み(=溝)のこと。
先程の写真の右側、ORIGAMIドリッパーは、中心の穴に向かうようにリブがついています。まさに折り紙で溝を折った後に円錐形にしたような形をしています。
左側のHARIO V60ドリッパーは、このリブが中心に向かって軽く渦を巻くように造形されています。
この2つのドリッパーの微妙な形状の違いとしては、左のリブがツイストしているのに対し、右はストレートになっている点。これもコーヒーの味に影響を与えているらしいのです。
どうしてこのような形状と材質なのか、その答えは次の課題ですね。
ちなみに、北半球と南半球ではコリオリ力が反対になるため、HARIO V60の渦の向きは逆にしているのか?という疑問がわきました。
コーヒーの味に厳しいオーストラリアでは左巻きになっていたりするのでしょうか?
下はカリタのウェーブドリッパー(私の)。
このドリッパーの特徴は「浸漬法」の性格を持っていることです。
・穴が小さい。
・コーヒーが落ちる方向に対してリブが90度についている。
これらはいずれもコーヒーの落ちる速度を遅くしてコーヒー豆とお湯の触れる時間を長くする効果があります。浸漬法では、透過法に比べて一定時間コーヒー豆をお湯または水に浸します。
たしかに、このカリタウェーブドリッパーで淹れると、酸味や雑味が沢山出てしまうため、今までは浅煎りコーヒーよりは深煎りコーヒーで使うようにしていました。
これは砂岩陶土でできていますが、今はそれについての味の違い等については論じることができません。いずれ解明できればと思います。
何故ペーパーフィルターの湯通しが必要か
湯通し(リンス)とは、豆を入れない状態でペーパーフィルターにお湯をかけてフィルター自体を湿らせることを言います。
ペーパーフィルターの湯通しをする理由は、ペーパーフィルター製造時に付着した紙の匂いを除去するためです。
ちなみに、中村さんによれば、「ペーパーフィルターはなるべく白いものを使うべき」だそうです。特に茶色のフィルターは、フィルターに付着した臭いの除去に時間がかかるため、お湯を沢山注いでリンスする必要があるのだそうです。
(これを知っていればリンスをしっかりすれば茶色のフィルターでもOKだとは思いますが、お湯が沢山必要になりますのでやや面倒ですよね。)
何故蒸らしが重要なのか
なぜ蒸らしが重要なのかと言えば、蒸らしがコーヒーの味わいに与える影響が大きいからです。
大体どこのお店でもコーヒー抽出のレシピが存在し、そのレシピには必ずと言っていいほど、「蒸らし」工程が存在します。
「蒸らし」はコーヒー豆への一投目(注)、最初にお湯を注ぐことを言います。
(注)「いっとうめ、にとうめ」って人によって漢字が違います。
・一投目、二投目
・一湯目、二湯目
どちらが正解かは不明です。きっとどちらも正解なのでしょう。
このブログでは、オルトコーヒーさんの記載に合わせて、前者を採用します。
また後述に登場する「あまみ」の表記には「甘み」と記載しています。
理由・甘味(かんみ)と読み間違える可能性あるため。
中村さんによれば、
コーヒー抽出は「物質移動の原理」である。
とのこと。
これを自分としては「抽出したいコーヒー豆の成分を流れやすくするため」と理解しました。
この「流れやすくする」の部分が超重要で、どのくらい蒸らしをするかによって、コーヒー成分の抽出され具合が変化します。当然味に多大な影響を与えます。
よって蒸らし工程はとても重要です。
さらに、蒸らしでコーヒー豆に衝撃を与えすぎると、濁った味のコーヒーになるそうです。
よって、お湯を高いところから注いだり、スプーンでかき混ぜたりするのはあまりお勧めしていないとのこと。
お湯を優しく注げないのがコーヒー器具に原因があるのなら、より優しく衝撃を与えないように注げる器具が必要になりますよね。(また沼にハマる 笑)
甘みと酸味のバランスを調整する
「蒸らし工程」をもう少し深堀りすると、酸味と甘みをコントロールすることにあります。
まず、コーヒー豆からは以下の順番でコーヒー成分(注)が抽出されます。
1. 酸味(Acidity)
2. 甘み(Sweetness)
3. 苦味(Bitterness)
成分が出過ぎないように調整するためにコーヒー豆にできるだけ衝撃を与えないようにゆっくり優しく注ぐことを前提として、酸味と甘味の量を調整するためには一投目に注ぐお湯の量を調整します。
(注)ここでは、人間の味覚に影響を与える成分という観点で記載しています。実際にコーヒーがどんな成分を保持しているか(学術的にそれらの成分は何という名前なのか)の観点で記載していない点に注意してください。
例えば、酸味と甘みを1:1にするイメージを基本とするなら、一投目と二投目のお湯の量は同じにする。
酸味を抑えたければ、一投目を少なくし、その分二投目を多くする。
ポイントは一投目と二投目の合計湯量は一定とすることです。
これは蒸らし(一投目)の水量を変えたら、どう味に変化が生じるのかを実際に体感した時の写真です。
正直、かなり変化することに生徒一同驚きを隠せませんでした。
コーヒーの味に変化を与えるもの
コーヒーの味に影響を与える要素は他にも色々あります。
・産地や品種:今回はケニア・カリンガ。SL28/SL34/Ruiru11
・精製処理:今回はWashed。コーヒーチェリーから果肉を削ぎ落とす。
・焙煎(度):今回は浅煎りの豆(ケニヤ)
・水の性質:今回は水道水。硬水はミネラル成分が逆に味を落とす。
今回のコーヒークラスでは、下の3つでレシピを考え実践し味を確認しあいました。
・豆と水の割合
・豆の挽き目
・お湯の温度
・お湯の投入量(特に一投目・二投目の投入量)
コーヒーの味わい方
そもそも、人間の味覚は、嗅覚からもたらされるのが9割なんだとか!
確かに風邪を引いて鼻が詰まると、飲み物や食べ物の味が分からなくなることってありますよね。
オルトコーヒーでは、コーヒーはワイングラスで提供されますが、その理由はワインと同じだそうです。
より深堀りしていくと、味わい方には
・アロマ(鼻にぬける香り)
・ボディ(触感)
・フレーバー(味覚)
に分解して理解する必要があるとのこと。
浅煎りコーヒーではこれらを全て味わいたいので、それにもっとも適したカップがワイングラスだった、という訳です。
生徒それぞれのレシピで飲み比べ
講習の最後にそれぞれでレシピを考えて、実際にそれでコーヒーを淹れてみてみんなでテイスティングしてみました。
こう言う実験は本当に楽しいですね!
自分が考えていたのは、やはり、
・酸味と甘みのバランス。酸味が出過ぎても甘みで包んでカバーできるようにする
・コーヒーが苦手でも、紅茶なら飲める人向けの味にする
この2つのテーマで悩みすぎて分からなくなってしまったのと、他の二人の生徒さんが基本レシピを少し変更したレシピにトライしていたので、私はあえて基本レシピ通りにすることにしました。
結果、基本レシピによるコーヒーの味は、紅茶のような香りとスッキリとした飲みごたえのするものになりました。(笑)
え?という感じでした。
オルトコーヒーの基本レシピと今回のコーヒークラスで学んだことを軸に、上記テーマの再現性を追究して行きたいと考えています。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
今回かなり長くなってしまいましたが、まだまだ追究して行きたいことや書き足りないことがあるので、また改善した結果を書き留めていきたいと思います!
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