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【読書記録】ペット・セマタリー上下
2024年113、114冊目。
スティーブン・キングを読み始め。これまで怪奇小説は短編を中心に読んでいたのですが、このジャンルを読むならばモダンホラーの帝王の作品は避けて通れないかなと思いました。
埋めると死者がよみがえる墓地のお話しですが、よみがえるまでが9割で、よみがえってからはあっさりと終わった印象です。
死者をよみがえらせることへの倫理的な葛藤などが続いているので、キリスト教などの西洋の死生観の知識がないと真の理解はできないんじゃないかと感じました。聖書からの引用にある通り、死者の復活は信仰の根本に触れるものなので。
日本だとよみがえりや生まれ変わりのお話しも結構ありますが、本巻に関連しそうなのは西行の反魂の秘術のお話しでしょうか。孤独に耐えかねた西行は骨を拾い集めて死者をよみがえらせますが術は失敗し意思疎通のできないゾンビのようなものが生まれてしまいます。西行はのちに正しい術を学ぶと同時に人間社会に死者が混じっていることを知るというお話し。
主人公を守ろうとする周囲の人たちの戦いが面白かったです。主人公を破滅させようとするなんらかの力との戦いは緊張感があり、長い本文を読み通すのによいアクセントになっていました。