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【読書記録】怪奇疾走

2021年166冊目。

『怪奇日和』に続くジョー・ヒルの怪奇小説集第二弾です。中編4本が収録された前作に比べると物足りない印象もありますが、SFやファンタジーに近い作品もありバリエーションが豊かになったので、逆によかったかもしれません。

収録作の中ではカバー絵にもなっている「スロットル」が強烈。バイクが後ろからデカいトラックに追いかけられるというワンアイディアの作品ですが、まるで「マッドマックス 怒りのデスロード」のワンシーンのようでした。エンタメとして頭空っぽで読めるいい作品だと思います。

他の作品は粒揃いなのでお好みかと思いますが、私のお気に入りは「シャンプレーン湖の銀色の水辺で」「きみだけに尽くす」です。他の作品は起承転結というより序破急のリズムで、最後は勢いあるままにすっと終わる作品が多い印象ですが、この二作はラストに余韻が感じられるのが好きです。

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