【読書記録】足音がやってくる
2021年186冊目。
主人公は8歳の少年のバーニー。両親と2人の姉と暮らしています。母親のクレアは後妻で、どうやら3人の実の母親はバーニーを出産した際に亡くなってしまったようです。
この手の展開の児童書には珍しく継母のクレアと子どもたちの関係は極めて良好です。クレアは現在妊娠しており、クレアに懐いているバーニーは実母を奪った出産という行為に対して不安を感じている模様です。
物語はバーニーが幽霊を見る場面から始まります。バーニーはイマジナリーフレンドが見える少年だったようですが、クレアが来てからは見えない友達が現れることはありませんでした。バーニーは幽霊を久しぶりに現れた見えない友達だと思いますが、幽霊は彼にこう告げます。
バーナビーが死んだ! ぼくはとってもさびしくなるよ。
自分が実はもう死んでいるのではないかと思ったバーニーは激しい恐怖に苛まれ気絶してしまいますが、実際に亡くなったのは同名の大叔父でした。一安心したバーニーでしたが、その夜、彼に声がこうささやきかけるのでした。
「そこにいるのかい、バーナビー?」
この小説、原題を『The Haunting』(=幽霊などに取り憑かれること)といいます。幽霊に取り憑かれたバーニーは次第に近づいてくる足音が聞こえるようになります。そして足音が止まったときの恐ろしさといったら! 児童書ではありますが、大人が読んでもハラハラできる傑作だと思います。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?