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【読書記録】秋の牢獄

2024年201冊目。

3冊目は『夜市』と同じく短編集です。前回の長編『雷の季節の終わりに』と比べるとやはり短編の方がうまいなと感じました。

「秋の牢獄」「神家没落」「幻は夜に成長する」の3作が収録されていますが、どれもどこかに閉じ込められるお話しでした。

「神家没落」はこれまでの恒川作品同様に位相がずれた世界に存在する家の話。あの家に住む人は神として扱われるということですが、何かご利益を与えるような力を持っていたのでしょうか。不老の力はすごいものですが何か違う気がしました。ラストの雰囲気もこれまでの恒川作品同様ですね。

「秋の牢獄」は繰り返す11月7日に閉じ込められる話。ループものは涼宮ハルヒやなろう系でもありますが恒川光太郎だとこうなるのかといった感じ。私がループするなら図書館の本を片端から読むとかしそうであまり苦にならなそうという感想です。ラストは本当にループから抜け出せたのでしょうか。

「幻は夜に成長する」はカルト教団に閉じ込められる話。これまでの恒川作品とは違った雰囲気で非常によかったです。これからは自分のために能力が使えますね。

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