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【読書記録】夢の丘
2021年291冊目。
平井呈一によるマッケン作品が新カバーで復刊です。先に出た『恐怖 アーサー・マッケン傑作選』と揃えたい作品です。
イギリスの田舎町に生まれたルシアンは作家になる夢を持ちながらも芽が出ません。それでも諦められないルシアンは故郷を捨ててロンドンへと旅立ちます。
ルシアンは自分が異世界に紛れ込んだかのような錯覚をする幻視者で、その夢に浮かされるように自分の作品の執筆に打ち込みます。
幻視の様子とルシアンの心理描写が交互に描かれます。解説によるとこの作品はマッケンの自伝的要素を含むとのことで、マッケン自身の執筆への思いに重なるところがあるようです。