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【読書記録】カーミラ レ・ファニュ傑作選
2024年59冊目。
光文社古典新訳文庫の吸血鬼三部作の最後の作品。こちらも既訳が数多くありますが、私が読んだのは平井呈一訳、野町ニ訳、柴田元幸訳。
冒頭にヘッセリウス博士の名前が出てきますが、レ・ファニュはヘッセリウス博士ものの作品がいくつかあるようで、私が読んだのは今回も併録されている「緑茶」ですが、他にもあるのであればまとめて読んでみたいです。
「カーミラ」は同性愛の吸血鬼として有名ですが、当時のレズビアンの扱いが気になります。当時としてはかなり衝撃があったのではないかと思うのですが……。
併録作で面白いのはやはり「緑茶」でしょうか。緑茶の飲み過ぎで幻覚を見たことになっていますが、当時緑茶はどのような扱いだったのか気になります。日本でもお茶が薬だったのは読んだことがありますが、幻覚作用があるなんてのはこの作品でしか読んだことがありません。
作中でヘッセリウス博士が資料を読む際に連絡が取れない状態になりますが、患者がいる中でその対応はひどいのではないかと感じました。