【読書記録】百鬼園随筆
2024年241冊目。
内田百閒の2冊目の著作になります。デビュー作の『冥途』の刊行から11年、44歳の時の作品となります。作家としてはずいぶんと遅咲きだったんですね。ここから50冊近い著作をものするんだからすごいと思います。
本書は随筆ですが、「債鬼」では自分ではなく金を貸す側の視点で描かれるなど、創作もいくらか混ざっているようです。
「債鬼」を含む貧乏五色揚の章が印象深いです。百閒がここまでお金に苦労していたとは知りませんでした。長らく教員を務めていたようですが、なぜそんなに苦労されていたのでしょうか。幼少期に実家の造り酒屋が倒産して苦労されたことは書いてありましたが大人になってもその影響があったのでしょうか。wiki によると債権者に追われて家族と別居ともあるので、家族の描写も少なく感じました。
そのくせ一等車に乗って仙台まで旅する話があることに笑ってしまいます。そういうとこだぞ。