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【読書記録】科学と科学者のはなし 寺田寅彦エッセイ集

2024年252冊目。

寺田寅彦の随筆集です。最近内田百閒の著作を読んでますが、同時代人で夏目漱石に師事したことで共通しています。

ただドイツ文学専攻で怪奇幻想の人である百閒と物理学者である寺田寅彦では視点がかなり異なります。夢の中のように不思議なことがどんどんと膨らんでいく百閒に対して、不思議なことをよく観察して研究する寺田寅彦の違いが面白いです。

ただ、興味の出発点として不思議なことを見つけるためにお化けのことを評価している点は興味深いです。

「化物の進化」では自然現象を説明するために、自然をよく観察し、生み出されたのが化物であると書いています。自然に対して不思議に思ったり、神秘さを感じることが重要で化物なくして科学の発展はないと言っている点が面白かったです。

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