【読書記録】暗黒神話大系シリーズ クトゥルー4
2023年47冊目。
暗黒神話大系シリーズはラブクラフトだけでなく、その友人の作家たちの作品も収録しているので、シェアードワールドとしてのクトゥルー神話がどのように拡大していったのかがわかるいいシリーズだと思います。
ここ数年ラブクラフトの新訳が何点か刊行されましたが、クトゥルー神話を理解しようとおもったらこういう周辺作家も視野に入れないとダメだと感じています。
ラブクラフト単体だとホラー小説なんですが、ダーレスの「闇に棲みつくもの」のように対抗する精霊を呼び出して邪神を追い払うような展開は宇宙規模の神々の争いをイメージさせ、ファンタジーやSF小説を想起させます。
また、ラブクラフトとダーレスの合作「異次元の影」では外宇宙生物の叡智に対する憧れも感じさせます。
話の焦点が人間から神々に移っていく様がわかる面白い巻でした。