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【読書記録】潰える 最恐の書き下ろしアンソロジー

2025年4冊目。

『現代ホラー小説傑作集』に続く、角川ホラー文庫の特別企画。書き下ろしなのでより今っぽい雰囲気になりました。

最恐というお題に対して、小野不由美『営繕かるかや』シリーズ、阿泉来堂『作家・那々木悠志郎』シリーズ、鈴木光司『リング』シリーズといった代表作の新作を持ち出してくるのは安牌というべきか自信の表れとみなすべきか悩むところです。澤村伊智が比嘉姉妹シリーズを持ってこなかったのはさすがです。

安牌といいつつ小野不由美「風来たりて」は安定の面白さです。営繕かるかやシリーズは『現代ホラー小説傑作集』や『平成怪奇小説傑作集』にも収録されてますが、作品ごとに緩急がつけられていてまとめて読むと楽しいのでぜひ短編集もお読みください。

鈴木光司「魂の飛翔」は最近流行りのモキュメンタリー風の作品。この最恐の書き下ろしアンソロジー企画を放りだした京極冬彦とは一体何者なんでしょうか(笑)

澤村伊智「ココノエ南新町店の真実」はライターの記事とそれに対する編集のメールという澤村作品でたまにみる構成。『ドラキュラ』や夢野久作あたりの手記文学の系譜としてみるべきなのでしょうか。

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