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【読書記録】刀 文豪怪談ライバルズ!

2022年6冊目。

伝説のアンソロジーシリーズ『文豪怪談』。一巻一作家の体裁で日本の文豪たちの怪奇幻想作品を収録したシリーズで、文庫で手軽だったこともあり愛読していました。

その文豪怪談シリーズが装い新たに復活したのが『文豪怪談ライバルズ!』です。今回はライバルズの名前のとおり、一冊で複数の作家の作品を集めた競作集になっています。

また、収録作家も泉鏡花のようないわゆる文豪だけでなく、宮部みゆきや加門七海のような存命作家の作品も収録されているのも大きな特徴です。

本巻のテーマは刀。草薙の剣をはじめ、邪を祓う神器でありつつも、血を好む妖刀といった面もあり、日本の幻想文学でも欠かすことのできない道具ですね。

「騒ぐ刀」

後に霊験お初シリーズとして発展する作品。当代随一の作家だけに読みやすさは本書の中でも一番。騒ぐ刀の謎を追ったり、妖刀の行方を調べたりとミステリの趣があります。犬が活躍するのは猿神退治のモチーフでしょうか。

「花の眉間尺」

和製闇の女王皆川博子の作品。語り部の2人の状況が明かされるラストでは、脱線かと思われた箇所も伏線として回収されていて見事です。

「妖剣紀聞」

今回の「ライバルズ」シリーズで特にフィーチャーされるらしい泉鏡花。総ルビで読みやすいように工夫されていました。汐文社から出ている『文豪ノ怪談ジュニアセレクション』でも思いましたが、鏡花はこれくらいしないと今の読者にはしんどいですよね。

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