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【読書記録】凸凹道

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2024年262冊目。

百閒の随筆集。なんにも調べずに百閒の著作を読み進めていますが、こんなに随筆の多い作家だったんですね。最初にヒットしたのが『百鬼園随筆』だったのでやはり随筆が求められたのでしょうか。ただ百閒の随筆は随筆でも小説のような読み口の作品も多いので、随筆家とか小説家とかの区別は無い気がします。

表題作の「凸凹道」が印象深いです。凸凹道のせいで自転車の灯りが消えてしまい、警察に捕まって友人の見送りに間に合わなかったという筋なのですが、当時でも自転車の無灯火運転は取り締まりの対象だったんですね。その友人は再会することなく亡くなってしまったとのことで、寂しさが読み取れます。

「五段砧」でしれっと母親が亡くなったことが書いてあります。祖母と比べると母親の印象はこれまでの文章では薄いですが、大切に思っていたのは間違いないようです。上京後の文章では家族の話が少ないのは色々思うところがあるのでしょうか。

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