【読書記録】ずうのめ人形
2023年151冊目。
比嘉姉妹シリーズの2作目。今回は琴子の出番はほとんどなかったですね。ではぼぎわんに比べて怪異が大人しかったかというとそんなことはなくて、前作を大幅に上回る死者を出していて凶悪でした。
前作同様怪異の正体を探るミステリ風の展開ですが、怪異の正体やなぜ犯人だけが発動できたのかなどははっきりと明かされずでした。ホラー小説としてみればそれでもいいのですが少し気になりました。
ホラー小説としては解説にもあるように『リング』に正面から挑んだ意欲作だと思います。人に話すと感染するという構造はそのままに、貞子のようなキャッチーな怪異ではなく、人の悪意に置き換えたのは澤村作品らしくてよかったです。