【読書記録】百科全書―序論および代表項目
2023年105冊目。
18世紀にフランスで出版された百科事典。近代的知識を集めた本書は教会からは非難されましたが、ブルジョアジーには支持され、後のフランス革命に影響を与えたそうです。
原書は30年の歳月をかけて全28巻が刊行されており、岩波文庫版は序論と代表項目のみが翻訳されています。
「哲学」や「主権者」といった人文学分野の項目だけでなく、「力学」や「技術」などの自然科学分野も収録されていました。
原書でも自然科学、とりわけ工学分野には力を入れていたようで、図版の巻では当時の工業機械の図が多数収録されていたそうです。
私は大学時代の専門が物理だったので「力学」の項目に注目しました。ニュートンへの言及はなく、ライプニッツやオイラーといった大陸の科学者には言及があるなど、当時の科学アカデミーの状況が窺えて面白かったです。
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