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甘味を求めて、なぜかインドカレーに

人の誕生日、と思うとなぜか自分も甘いものが食べたくなってしまうクチだ。
今日は友達の誕生日なのだけれども、朝「お誕生日おめでとう!」とLINEを打っている時点で、早くも何かこってり甘いものが食べたいなとそわそわしていた。

が、冷凍の今川焼きは昨日食べきってしまい、秘蔵のカステラも先日オンライン飲み会でむさぼり食ってしまった。
連休が始まる前にシャービックを買ったのだけれど、いつの間にか冷凍庫から消えていた。
シャービックとは、イチゴ味とメロン味の2種類がある、粉を水で溶かして凍らせて食べるタイプのアイスだ。
縦横無尽に霜柱が立っているようなザクザクした食感がおいしいうえに、普通のアイスを買うよりも安い。だから油断して、ついつい食べてしまうのだ。

私の部屋はすでに7月くらいの陽気なんですけど、みなさんのところはどうですか? 
この暑さは埼玉県だからですか? 

あまりにも暑いものの扇風機をつけるのは癪だったので、シャービックをほぼ毎日食べていた。そのせいかちょっと歯が痛い、ような気がする。
今年のゴールデンウィークは、とにかく家で、食べて飲んでばかりいたのだなぁと今更ながら後悔している。
暴飲暴食の結果、悲しいことに我が家には今、梅酒とチャイの粉末しか甘いものがない。

昨年の日記を見ると、大雨のなか高校の友人たちと平成最後の日に伊東でダイビングをしたり、自動車免許で「狭路の通行」と「左折」に苦戦して悪態をついたり、愛知へ旅行したり実家に帰ったりとほとんど毎日のように外に出ていたらしい。充実した休みっぷりにびっくりした。

打って変わって今年の連休は、ほとんど家から出なかった。
家から出なかったわりに、友達とはよく遊んだ気がするのは、オンライン飲み会やオンラインランチ会をしていたからだろう。
それぞれがそれぞれの家で好きなものを食べ、好きなものを呑むのはかなり気楽で、終電のこともお会計のことも気にせず心ゆくまで飲み食いできた。
梅酒を烏龍茶で割ってみたり人参のぬか漬けにクリームチーズを乗せてみたりと、思いつきをすぐに試せるのが楽しくて、ばかみたいに飲んだし、ばかみたいに食べた。
そして友達と盛り上がって、普段書いたことのないジャンルの文章を書いて友達に送ったり投稿サイトに送ったりしていたら、書いた文字数が3日間で1万字を超えた。ペースといい、分量といい、大学生の期末レポートみたいだ。

そうやって考えると、大学生は偉い。私はもう、酒のノリを借りないかぎりひとつのテーマを長々と論じられる自信はないし、興味のあることについてですらちゃんとしたレポートにまとめられるかどうか危うい。
あーあ、年をとってしまった。

甘いものに話を戻そう。
ほとんど家から出ない連休を経て、家から出ることがとても億劫になった私は、すでに買い物に出る気力が残っていなかった。粉末チャイを飲むしかないか、と思っていたら、不意にカレーが食べたくなった。
そういえば今朝久しぶりに八百屋に行って、トマトやブロッコリー、玉ねぎを買ったのだった。冷蔵庫を覗いていたらもう頭の中は満場一致でカレーになって、「インドカレー屋のBGM」(というCDがあるのだ)を流しながら鍋で野菜たちを炒めはじめた。
賞味期限が切れていたので、サバの水煮缶も入れてみる。
にんにくやしょうがを石ですり潰して入れていた店長を思い出しながら、チューブのにんにくとしょうがを入れる。
そして主役の、西葛西のインドショップで揃えたスパイスたち。
店長がカレーを作るところは何度か見ていたものの、正確な分量は実はよくわからない。なんとなくの目分量でクミンシードやコリアンダー、ターメリックとチリパウダーを入れてみる。トマトの汁気と混ざって、なんだかものすごくカレーっぽい匂いになってきた。

そうして完成したカレーは、色も匂いもめちゃめちゃカレーだった。
この食欲をそそる香り、久しぶりに嗅いだな。みんな元気かな。喜び勇んでスプーンで一口。
……ものすごく辛かった。唐辛子が鼻に抜けて涙が出るような、ダイレクトな、圧倒的な辛さだった。チリペッパーを入れすぎたのだと思う。よく見たらスパイスの瓶は出口がふたつあって、少量ずつ出る方と、大胆に出る方に分かれていた。それに気づかず私はすべてのスパイスをどばっと出して、「なんかチリペッパーずいぶん出たな。まあいいか」とスルーしてしまったのだ。それでも、私はこのカレーが好きだった。明日も明後日も私は野菜を足しながら、このカレーを食べるだろう。

オンライン飲み会で友だちが言った、「ひとりは本当に気楽だよ」という言葉を急に思い出した。私がこんなときこそ彼氏と同棲していたかったとか、家族といればよかったみたいなことを愚痴った時に、彼女がしみじみと言ったのだった。
ばかみたいに飲み食いしようが、料理を失敗しようが、ひとり。
時々寂しくなることもあるけれど、ひとりで過ごす自由な時間はそれはそれでとても贅沢なのかもしれない。

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つる・るるる
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