自分に必要なタイミングで必要な学びと出会う

今年の夏休みをどう過ごそうか?と迷いながら、

赴任先の寮から一冊の文庫本を自宅へ持ち帰ってきました。

松下幸之助さんの作品「道をひらく」です。

累計400万部を超えるロングセラーの名著であります。

松下幸之助さんと言えば、

言わずと知れた現パナソニックの創業者で経営の神様です。

財産もない、学歴もない、健康にも恵まれない、

まさに、ないない尽くしから事業を始められています。

財産がなかったがために、

幼少より丁稚奉公に出されて商人としての躾を受けられた。

学歴がなかったがために、

常に人から教えを請うことができた。

身体が弱かったがために、

人に頼んで仕事をしてもらうことを覚えた。

「何もなかったから、かえって成功した」というわけです。

事業家としても輝かしい功績を残されていますが、

私は人としてのあり方や考え方に魅かれるものを感じます。

私と同じような方は多くいらっしゃるんではないでしょうか?

あらためて松下幸之助さんの考え方に触れることにより、

自分自身のあり方を見直す機会にできればと思い至りました。

私自身は今回で3度目の読破になりますが、

さすが、松下幸之助さんの言葉は何度読み返しても深いです。

私にとって一生忘れないであろう学びがありました。

なぜか、過去の2度では気付けませんでしたが、

今の自分だからこそ深く心に残ったのかも知れません。

表題は「手を合わす」です。

以下に原文そのままをご紹介します。

「うどんの値段は同じであっても、

客を大事にしてくれる店、

まごころこもった親切な店には、

人は自然に寄りついてゆく。

その反対に、客をぞんざいにし、

礼儀もなければ作法もない、

そんな店には、人の足は自然と遠ざかる。

客が食べ終わって出ていく後ろ姿に、

しんそこ、ありがたく手を合わせて拝むような心持ち、

そんな心持ちのうどん屋さんは、

必ず成功するのである。

こんな心がけに徹したならば、

もちろん、うどんの味もよくなってくる。

一人ひとりに親切で、一ぱい一ぱいに慎重で、

湯かげん、ダシかげんにも、

親身のくふうがはらわれる。

そのうえ、客を待たせない。

たとえ親切で、うまくても、

しびれが切れるほど待たされたら、

今日の時代では、客の好意もつづかない。

客の後ろ姿に手を合わす心がけには、

早く早くという客の気持ちがつたわってくるはずである。

親切で、うまくて、早くて、

そして客の後ろ姿に手を合わすー

この心がけの大切さは、

何もうどん屋さんだけには限らないであろう。

お互いによく考えたい。」

客の後ろ姿に手を合わす。

なんと素晴らしい事でしょうか?

松下幸之助さんの人としてのあり方が伝わります。

もちろん、私も公私ともども、

お見送りする際には相手の姿が見えなくなるまで、

その場をで礼を尽くす事は心掛けております。

ただ、手を合わす。しかも後姿に。

こんな心持ちに思い至った事はありません。

今、なぜ3度目の読破にして、

この一篇が私の心に響いたのか?は不思議ですが、

今の私にとって必要な学びなんだと受け止めています。

日々是新。そんな気持ちで毎日を送りたく思います。

これも松下幸之助さんの詩でした。








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