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文章を読みやすくする「ひらがな」の使い方 5選
出版社で、編集・校正の仕事に携わって25年。
文章にまつわる日々の気づきを少しずつ、書き残しておきたいと思います。
さて、漢字表記をひらがなにすることを、校正用語で「ひらく」と言います(その逆は「とじる」)。
今回は文章を読みやすくするために、あえてひらきたい表現を5つ選りすぐりました。
【1】様々→さまざま
同じ言葉を繰り返す修飾語のなかには、クドい印象を与えるものがあります。「色々」「中々」などもこれにあたります。
多少文字数は増えても、ひらくことをお勧めします。
【2】事→こと
「まず大切なのは、今日やる事を洗い出す事だ」なんて、ついやってしまいがち。しかし、特別な意味を持たない形式名詞の「事」は、ひらいたほうがスッと頭に入ってきます。
ただし「仕事」「他人事(ひとごと)」など、熟語にはとじたほうが良いものも。一括置換は避けたほうがよいでしょう。
【3】頂く→いただく
「お呼びいただく」「起こしいただく」のように、補助動詞の「いただく」は、ひらくのがお勧めです。
「食べる」「もらう」の謙譲語としての「頂く」は、とじる流派もあります。ちなみに、私はすべてひらいてしまいます。
【4】欲しい→ほしい
「来てほしい」「知ってほしい」「見てほしい」などの「ほしい」は、すべてひらいてしまいましょう。これも補助動詞の例ですね。
「飲み物がほしい」など、入手したい意味の場合は「欲しい」と書いてもよいですが、やっぱり私はすべてひらくのが好きです。
【5】出来る→できる
「勉強が出来る」「仕事が出来る」などの「できる」。「出来る」ととじるよりも、「できる」としたほうがスマートな印象を与えます。
ただし、「出来事」「出来高」「出来がよい」など名詞としてまとまったものの中には、とじるべきものも…。なので、やはり一括置換は避けたほうが無難です。
いかがでしたでしょうか。
ここに挙げた5つの例は、文章校正時に本当によく見かける表現です。
今回の5つに気をつけるだけでも、読みやすさはグッとあがります。
みなさまが、文章を書く際の参考になれば幸いです。