神聖な尻と、猫の自尊心(猫画像つき) #022
うちの猫はおそらく、自分の尻を「神聖なもの」と考えている。
一緒に暮らしている数匹のうちの1匹(茶白のメス)は、いつも私の顔の前に尻を持ってくる。
「さあ、お嗅ぎなさい」
しっぽをあげて、足を踏んばり、肛門を私の鼻の前に持ってくる。パソコンで作業していても、食事をしていても、寝ていても、顔の前には尻だ。しかも、結構な確率で、少しうんちがついている。表情はどことなく誇らしげだ。
猫同士はいつも尻を嗅ぎ合っているが、人間は、少なくとも私は、別に嗅ぎたくはない。しかし、「嗅いでもいいのよ」と言っているように、いつでも顔の前に尻がある。尻尾の付け根辺りをトントンたたいてやると、嬉しそうに背伸びし、尻はどんどん鼻に近づいてくる。
また、その猫はおそらく自分の名前を「かわいい」だと思っている。
一説によると猫の知能は、人間でいうと2-3歳くらいだと聞いたことがある。猫たちはそれぞれ自分の名前を覚えているようで、自分の名前が呼ばれると、顔や耳を向けたり、こちらに来たりする。しかし、そのお尻を嗅がせる猫は、他の子をかわいがっていると、来るのである。
「かわいいねー、かわいいねー(他の子を撫でている)」
「にゃー(トトト、っと走ってくる)」
カーペットでころころしながら、お腹を見せている別の猫を見て、「かわいいねー」と言っていると、「にゃー」と鳴きながら、すぐにその子はやってくる。そして、尻を私の前に出すのである。
その子はおしっこをしていると、なぜかお尻が上がってしまい、トイレの砂ではなく壁にかけている。おかげで家の壁は黄色くなっている。その子は壁を見ながら思っているのかもしれない。
「私のしるしだわ」
ねこの自尊心はすごいと思うのである。そして、ただただ、かわいいのだ。
(追記)
うちの猫たちは自分のうんちは埋めないのに、他の誰かのうんちは、一生懸命埋めようとしていたりする。助け合いの精神なのかもしれない。
2023年10月25日執筆、2023年11月5日投稿