「メロンと寸劇」
向田邦子 没後40年ということで、読んでみました。
この本には、26のエッセイと寺内貫太郎一家2の第三回のシナリオが収められています。
お勧めは、「ごはん」や「蜆」「子供たちの夜」なのだけれど、やっぱり一番好きなのは、「父の詫び状」です。
一部抜粋した中からであっても、父の不器用さと、温かさ、朱筆で傍線を引くところなんかには、威厳を保ちたい父と、時が経ち、そんな父を許し愛する著者の姿を見た気がします。
戦中、戦後の頃の話なので、今の時代とは大分違うけど、今だったらどうなのだろうか?いや、そもそも上司や取引先の個人宅へお邪魔したりしないのかも…。
食いしん坊エッセイ傑作選とあるけれど、人間味が味わえるよき本でした。
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