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1人目デザイナー、初のデザインスプリント設計を振り返る

こんにちは!つむです
今回はプライベートでUIUX支援をさせてもらっているスタートアップで実施したデザインスプリントを行うための集中合宿を振り返っていきたいと思います💼(会社には承諾を得てます⭐️)

そもそもデザインスプリントってなんぞや?ってところから私自身、社会人歴2年目かつデザインスプリント初経験(なんならUX検討も)の状態からどうやってワークショップを設計したのか?失敗はなんだったのか?などをお話ししていけたらと思います🏃‍♀️

あくまでも初心者の取り組みですのでブログ程度にあたたか〜い目で見てもらえると幸いです☘️

自己紹介

2022年KDDIにUXデザインコースで新卒入社(KDDIアジャイル開発センターに兼務出向中)
auショップ向けDX施策やワーケーション施設検索サービス「タビトシゴト」、生成AIプロダクトなどでUIUXを担当
代表noteとしてChatGPTを活用したUI勉強会に関する記事を執筆
2024年1月からに某スタートアップでプロダクトフルリニューアルプロジェクトのため、一人目デザイナーとしてUIUX支援を担当

また、今回のような未経験の状態からUI制作を担当した話も書いています👀

デザインスプリントとは?

全5日間という短期間で課題解決のためにデザイン思考を使いながら共感ワークやアイディア出し、プロトタイプ、テストまでを完了させるフレームワークです。

米Google社のベンチャーキャピタル部門として設立された、GV(旧Google Venture)が開発しました🔬

参加メンバーには開発者の他にステークホルダーである意思決定者も必須!
そうすることで事前の根回しや意思決定までの時間を短縮し、すぐに実行できる形にできるので生産性を高められます📈

著者の背景・参考情報

本業の先輩デザイナーはデザインスプリントやサービスデザインワークショップを頻繁に行っていたこともあり、なんとなく全体像はわかるものの、自分自身はどちらかというとUIをメインに業務をしていました。
そのため、ワークショップ設計には一切関わったことがなく、それでどころか基本的なUXフレームワークもせいぜいペルソナ・ジャーニー・共感マップを数回使う程度🧨

合宿への参加が決定したのが約2週間前だったのでこ〜〜れはやばいぞ!ということで、先輩からおすすめの本を教えてもらい、死ぬ気で読みまくりました💣
今回はその際読んだこの4つの神器と共に挑むことに🔥

前段にユーザリサーチ(アンケートとインタビュー)を実施していたので、ユーザーリサーチの結果を共有し、理解を深める「リサーチスプリント」の1部を盛り込もうと考えていたことから、リサーチ関係の本も神器に盛り込んでいます🔍

なぜデザインスプリントをやるのか

チームの背景・課題

本チームは過去にユーザーリサーチ及びUX設計を実施したことがありませんでした🫨
そのため、プロダクトの方向性を決める際の軸や根拠がない状態で意思決定が行われていたり、仮説や判断軸がないため改善に繋げにくい状態…

更に、議論が常に口頭ベースだったため、情報が散らばっていたりチームで認識が合っているか怪しかったり、議論に抜け漏れがあっても気がつけないといった課題もあったことから、今一度認識を合わせながら慎重に進めていく必要があると思っていました🧐

チームの居住地が東京と静岡で別れている関係で会いにくいという背景から、丁度月次実施の1泊2日の合宿が計画されていたので、これに乗っかってガッとワークショップをやるしかない!と決断
ワークショップの中でも短期間で集中してユーザー理解を進められる、その上チームの現状を整理して客観視し、方向性そのものを議論できる一石四?五?鳥のデザインスプリントを提案しました🎊

ゴール

  • 私がアサインして1ヶ月ということもあったので、まずはお互いを知ること

  • 過去の成功や失敗を振り返り客観的に評価すること

  • お互いの持っている知見を共有し、共通認識を固めること

  • ユーザーモデリングを完成させて、施策検討の軸を確立させること

  • 解決すべき問いとターゲットを決めること

事前にやったこと

  • 定量調査(26名)

    • SUS

    • NPS

    • 属性調査(リードユーザー法)

  • 定性調査(4名)

    • 半構造化インタビュー

いざ設計!

合宿が1泊2日ということもあり、5日間のワークを2日に短縮する必要がありました。
といっても全部をやることは不可能なので、デザイン思考の5つのステップのうち、共感、問題提起、発想までは行い、プロトタイプとテストは切り離して実施することに🏋️‍♀️

先ほど紹介した書籍「デザインスプリント」にはアレンジレシピとして目的に合わせてカスタマイズされた1~2日で実施できる3つのスプリントが紹介されていました。
そちらを参考に、独自でアレンジを加え2日間に収まるよう組み立てていきました。

1日目

チームメンバーの都合上15時スタートになっています⏰

【各ワークショップの説明】

  • エクスペリエンスシェアリング

    • プロジェクトの過去の取り組みをシェア
      例)どんな成功があったか、どんな試作があったか、どんな課題に直面したか

    • 過去の取り組みから課題の洗い出し

  • インサイトシェアリング

    • ユーザーリサーチ結果の共有

    • ユーザーリサーチ結果から課題の洗い出し

  • HMWの作成

    • 洗い出した課題の中から気になったもの、取り組みたいものを選び、HowMightWe(どうすれば我々は〇〇(課題)を〇〇(ゴール)できるだろうか」の書き出しにすることで改善項目の形に捉え直すこと)に変換
      アイディエーションを行う際の制限として機能する

  • 価値マップ、ペルソナ

    • ユーザーリサーチを得て想定ユーザーの価値層、属性層の作成(ユーザーモデリング)

2日目

【各ワークショップの説明】

  • ジャーニーマップ

    • ユーザーリサーチを得て想定ユーザーの行動層の作成(ユーザーモデリング)

  • ターゲットを決める

    • 作成したHowMighWeから最終的に1~2個選び、何をテーマにアイディエーションを行うか決定

  • 長期目標を考える

    • プロダクトの3年後の目標を楽観的に発想

    • 目標を阻む原因を洗い出し、当たり前として捉えていたことを炙り出す

  • ライトニングデモ

    • 事例・競合調査

  • アイディアスケッチ

    • 課題を解決するためのアイディアを考える

  • アイディアの評価

    • 実行するアイディアを決める

  • ストーリーボード

    • アイディアのストーリーを詰める

資料作成

ファシリテーターはチームが迷わずアクティビティを勧められるように、各アクディビティの進め方や目的、ゴールをわかりやすく説明する必要があります🧑‍🏫
その際、口頭での説明の他に、迷ったときに見返せるよう全てのアクティビティの詳細を資料に落とし込んだ結果トータルで約150ページに…!

内容に困った時には先ほど紹介した書籍の他に、羽山さんのKA法に関する資料を参考にしました📕

本業の先輩社員に聞いても2日間のワークショップでこのくらいの資料を作るとのこと…大変…!

WSを終えた結果

全ッッッッッ然時間足りなーーーーーーい!!!!!!

全て終わりませんでした!
具体的には、2日目のアイディエーションに全く入れず、長期目標を考えるワークショップで終了🌝
原因として考えられるのは2つ

当初からスケジュールに無理があった

オリジナル版のワークショップでは知識共有からアイディエーション実施、アイディア決定までに3日間かけるスケジュールが描かれていました。
それを軽視して詰めた設計をしたにも関わらず、リサーチ共有や価値マップ作成など+αのアクティビティを盛り込んでいました🍚

私自身ユーザーモデリングをチームで行った経験がなかったこともありいまいち感覚を掴めていなかったのも一因…………
特に価値マップ作成の際にはKAカードが120枚あったこともあり、想定してた85分の何倍もの時間をかけてしまいました…………

ファシリテーターが議論に参加してしまった

ファリテーターはアイディアだしや議論には一切参加せず、司会進行に徹するとの記載があったのは頭にあったのですが、ワークショップが進むにつれ気がつけば自分も議論の中心に…🫠

すっかり熱が入ってしまい、もっと議論を深めたいという気持ちが勝りタイムキーパーが疎かになったことにより綿密に設計したはずのスケジュールがどんどん崩れてしまいました😭

ファシリは第三者の立場に立ち、「そろそろ時間なのでまとめに入りましょう」と冷静に言えることや、発散しすぎて方向性がずれてしまった時に軌道修正してあげることが大事だと痛感…………

一方で知識共有とユーザーモデリング、ターゲット決めまでは終えられたことによって、チームとしての共通認識や軸となる成果物を作れました!
成果としてはこちら👀

チームのモヤモヤを言語化できた

過去の経験の振り返りとインタビュー結果の共有の2つの場面で課題を洗い出すワークを行いました🗑️
当初メンバーが「議論を行っている時気がついたら全く違うことを話していて何がテーマだったかわからなくなってしまう」とぼやいていたのですが、恐らく一因として議題のテーマとゴールを明確にしていなかったこと、アジェンダを組むにも優先順位をつけるための判断材料がモヤっとしていたことがあるのではないかと推測します👓

モヤモヤを言語化することで、やるべきことが明らかになるため心理的負担も減りますし、客観的に現状を見れる状態を作ることで優先順位付けのハードルを下げることができます🏋️‍♀️

プロダクトの方向性を軌道修正できた

ユーザーリサーチの結果を得てペルソナを2体作成しました。
それを見たチームの感想としては「確かにこのペルソナに共感できるしどちらもメインユーザーになりそうだけど、当初のビジョンとずれている気がする…」
もっと端的にいうと「このペルソナのためのプロダクトを作りたくない!」🤯

この違和感をきっかけに、
・フラットな気持ちでどういう人に使ってもらいたいのか?
・プロダクトを誰のためにどんな目的を達成するために使ってもらいたいのか?
・何のために作ったプロダクトだったのか?
・理想像と今作っているもののズレは何なのか?
を再議論
結果的にインタビューイーの中から理想のユーザー像と近いと感じる人ベースにしながら、全員が寄り添いたくなるペルソナをもう一体作成できました🥳

ソリューション検討時にはペルソナを1つの判断材料とするため、このタイミングであるべき姿と現状について徹底的に見直せたことでブレない軸を確立できたのではないかと思います💍

チームメンバーに対する理解が深まった

今までほぼオンラインでの議論かつ対面で会ったこともほぼなかったため、どうしても人物像が掴みきれず意見出しの際に躊躇ってしまうことも...
合宿で長い時間ボードに向かって検討をしたり食事を一緒にすることで今まで感じてた印象が変わっていき、徐々に議論も活発に🙌

しばらくはまたオンラインでの検討が中心になりますが、心理的安全性が確立されたので今後は一層深い議論ができるようになるなと感じています🌷

次回へ向けて

初めてのデザインスプリント・UX設計ということで主に時間管理の面で失敗してしまいましたが、何とかしなきゃ!という追い詰められた環境から猛勉強し、一気にスキルアップができたような気がしています💪

特に、誰かに説明するためにまずは自分がしっかり理解することを心がけていたので、各手法のメソッドや目的、進行順の理由について答えられた時には成長を感じました🌞

次実施する時にはゆとりを持った時間設計をするよう心がけ、今回スケジュール的に軽くしかできなかったリハを厚めに実施して全体感を掴んだ上で挑めるようにしたいです…!

まだ溢れてしまったアイディエーションが残っているので、最後まで走り切って早くUIに移りたい…!

いつかリリースして報告したいな〜思っているので応援よろしくお願いします!
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