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〈日本CFO協会〉プロフェッショナルCFO資格試験に合格しました。対策を振り返りとともに。

プロフェッショナルCFO資格というものがあります。

日本CFO協会が認定している民間資格なのですが、これからこの資格を取得しようかな、と考えている方、情報が全然なくてお困りではないでしょうか?

実際に合格した上で、対策情報などを振り返りました。ご参考にどうぞ。

知識や能力の証明には客観性が必要です

さて、なぜこの資格を取ろうと思ったか、それは、自分が提供できる価値の「幅」を説明するのが難しくなってきたため。

士業やコンサルタントの方は特に、「先生のとこは●●はやってないよね?」と聞かれ、『いやいや!やってますよ!』と答えることってありませんか?

できると言っているにも関わらず「でも、本業って訳ではないんでしょう?」とイメージを覆せず、ビジネスチャンスを逃してしまうことになったり、そもそも聞かれずにそっと別の業者に依頼されていたり。

ひとは、スキーマと呼ばれる認知バイアスを通して他人を評価しています。「税理士さんが販路開拓のアドバイスなんてしてくれないと思っていた」というようなハナシは良く聞きますよね。

セールスマンでもあり、財務にも強い、は、スッと受け入れにくい

私の例でいうと、セールスですごい=コーポレートとかファイナンスに疎いという印象がついてしまう、ということです。これは、一般にセールス部門とコーポレート部門は相反する(仲が悪い)という思い込みに起因すると思います。

「営業は得意なのかもしれないけど、会社経営はそれだけじゃないからね」

M&Aの売り手企業のオーナーから、仲介を通してこうした反応が返ってくることがありました。

いやいやコーポレートやファイナンスにも造詣は深いし、なんなら役所や省庁関係の手続きに至るまで全部自分でやってますよ!というハナシなのですが、仲介にその辺をうまくプレゼンしてよ、というのは無理筋です。

なので、ペーパーベースの第一印象をしっかりコントロールする必要があります。

日本CFO協会と、認定資格

さて、私の場合、特に前職の保険会社の印象がとてもとても強いため(笑)、コーポレート・ファイナンス側でのバランスを取らなければなりません。

そこで、色々な資格を検討しましたが、①追加的な知識の修得がほぼ不要で②いつでも取れる資格、であることを条件にしました。

独占業務も不要ですし、MBAのように2年間かけていては機会損失が膨らみます。(※国内MBAで勉強中です、というのは多少効果あるのかも)

検討した資格の一例
・公認会計士→追加学習大きすぎ、時間かかりすぎ
・税理士→同上
・国内MBA→同上、お金かかりすぎ
・証券アナリスト→時間かかりすぎ(業界資格っぽさも)
・簿記→効果薄そう
etc

というわけで、プロフェッショナルCFOにたどりつきました。

日本CFO協会が認定している資格と検定一覧
・連結決算実務検定
・プロフェッショナルCFO検定
・経営企画スキル検定(FP&A)
・経理・財務スキル検定(FASS)
・FASSグローバルテスト
・経理事務パスポート検定

プロフェッショナルCFOかFP&Aか、迷いましたが、最終的な決め手は3つ。

1.合否判定のみの試験だから(FP&Aはスコア式)
2.より上位の位置づけと感じたから
3.母校のイトクニ教授が
解説をしていたから

特に、合否判定のみというのが大きく、TOEICのようにスコア式だと、名刺にFP&A●●点とか書いても、それに対する説明が必要になりますよね。また、いつまでも上があるので”沼”にはまってしまうリスクもあります。

問題集だけでいくか、テキストやeラーニングも必要か

では、具体的な試験対策です。教材は以下の4つが用意されています。

1.公式テキスト全6巻(27,500円)
2.eラーニング全4コース(16,500円)
3.通信講座(企業の財務戦略に強くなる講座|31,428円)
4.試験問題集(金融業務2級 財務戦略コース試験問題集|2,640円)

そうそう。この資格試験は、金融界の権威「きんざい」との共催になっています。実際に受ける試験の名前は「金融業務2級 財務戦略コース」です。

上の3.通信講座と4.試験問題集はきんざい発行のものです。

さて、どれから手を付けるか?なにぶん情報がないので、テキストから入りたくなりますが。。。

天の声「再受験規定(リテイクポリシー)を見てみろよ」
わたし「あ、再受験までの待機日数が5日間になっている」
天の声「そう、試しに1回受けてみた方がいいんじゃないか?」

ということで、まずはCBT方式試験が受けられる場所と日程を探して申込みをすることにしました。

とはいえ、何も対策しないのは不安なので、4.試験問題集だけ購入します。

問題集が初見で6割解けないなら、テキストなどを推奨します


内容は、以下の通りです。

<4択問題>
第1章|財務理論に関する基礎知識(23問)
第2章|経営計画と財務マネジメント(14問)
第3章|企業価値の評価と向上(22問)
第4章|財務面での課題解決手法とその活用(41問)
<計算・記述問題>
第5章|事例問題(11問)

届いた問題集の第一印象は(物理的に)薄い」ということでした。さっと理解度チェックをする用ですね。

第1〜4章を1日10問前後、第5章は1日5問解いて、約2週間ほど勉強しました。初見での正答率は約75%。

ちなみに、初見で60%以上は解けるようでないと、この問題集だけの学習では合格できない、と感じました。

なぜなら、1項目に1問しか設問がなく、解説も最低限だからです。

ベース知識があって、「あ、ここを問う設問ですね〜」ということが分からないと、解説を読んでもさっぱり理解できません。

問題集が思うように解けなければ、テキストなどの利用を推奨します。

実際の試験問題構成と、難易度

では、いよいよ試験(CBT方式)です。

試験の構成と配点は、こんなイメージでした。

<すべて択一式>
Ⅰ 財務理論(会計・税務・財務)12点/6問
Ⅱ マネジメント手法・分析 12点/6問
Ⅲ 企業価値の評価と向上 12点/6問
Ⅳ 財務面の課題解決① 12点/6問
Ⅴ 財務画の課題解決② 12点/6問
Ⅵ 総合問題 40点/10問(大問が3問)

実際の難易度としては、Ⅰ〜Ⅴまでは、問題集より難しく、総合問題は問題集より簡単です。

Ⅰ〜Ⅴが難しい理由は「適切なものはいくつあるか?」という設問が多いため。総合問題が簡単な理由は、計算問題の答えが選択式であるためです。

問題集の4択問題は、「合っていたからOK」ではなく、ひとつひとつの選択肢に対し、自信を持ってマルバツをつけられる、というレベルで理解しておく必要があります。

ちなみに、問題集から類似論点の問題がかなり出ます

個人的に頻出と思われる論点
・時価ベースでのB/S、P/L、C/Fの連動
・CAPMとWACC
・企業(事業)価値評価の手法あれこれ
・資金調達の手法あれこれ
・オフバランス
・企業再編
・戦略とフレームワーク

結果は86点で合格!

見にくくてすいません。一応エビデンスです。ご覧の通り合格いたしました。

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(参考値)
総学習時間:20時間(約2週間)
取得費用:10,340円
※一定の知識があることが前提です。

日本CFO協会へ登録へ

さて、合格しただけでは当初の目的が果たせませんので、日本CFO協会に入会して資格を有効化します。

費用(個人会員の場合)
・入会金|無料(合格者はタダ、定価11,000円)
・年会費|13,200円

おまけ

実際に名刺や経歴書などに書いての反応は、また改めて。


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